第8回 女王を倒したショット(後編)

 この日、クルム伊達公子はひとつの作戦を立ててゲームに臨んだ。シュテフィ・グラフが得意とするフォアハンドを封じるというものである。そのため伊達はいったんグラフのオープン・スペースにストロークを返し、バックハンドでしか対応できないスペースを作っておいて、そこに精度の高いバックハンドでのクロスやフォアハンドでのダウン・ザ・ラインを狙い打った。

第7回 女王を倒したショット(前編)

 日本女子テニス界にあって、クルム伊達公子を超える選手は、未だにひとりも現れていない。数多くの名勝負の中でも、とりわけ印象に深いのが1996年4月28日、日本対ドイツのフェドカップ・ワールドグループIの1回戦でシュテフィ・グラフと繰り広げた死闘である。

第6回 サングラスの暗号(後編)

 高橋尚子は18キロ付近でいきなりペースを上げ、15人近い集団を壊しにかかった。ついてきたのは市橋有里、リディア・シモン(ルーマニア)、キム・チャンオク(北朝鮮)、エスタ・ワンジロ(ケニア)の4人。しばらくしてキム、ワンジロの2人が遅れ、トップ集団は高橋、シモン、市橋の3人となった。

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