今シーズンのバレーボールV・プレミアリーグ女子のレギュラーラウンドが終了した。ダントツの成績で1位通過を果たしたのがJTマーヴェラスだ。昨季10勝17敗、9位で入れ替え戦を経験したチームが今季は一転、開幕25連勝を含む26勝2敗の好成績でファイナルラウンド進出を決めた。その大躍進の要因となったものは何だったのか。就任1年目、チームの再建に成功した石原昭久監督を直撃した。


 25連勝は嬉しい誤算

二宮: レギュラーラウンドは開幕25連勝を含む26勝2敗という好成績でした。

石原: 当初の予定からすると、上出来を通り越して、信じられないというのが正直な感想です。

二宮: 開幕前、今シーズンのレギュラーラウンドの目標はどのくらいに置いていたんですか?

石原: ファイナルラウンドに進む4強に入るには17勝あたりがボーダーラインかなと思っていましたので、そのあたりを目標にしてスタートしました。

二宮: 確かに昨シーズンが10勝17敗ということを考えれば、17勝は妥当な線ですよね。それが26勝2敗。2位の東レアローズが21勝7敗ですから、やはりダントツという感じですね。

石原: 本当に、よもやここまでの成績を収められるとは全く思っていませんでした。

二宮: 石原監督はビデオなどを使って非常に細かく指示を出すと。選手自身もそうしたことが今回の成績にあらわれていると実感しているようです。

石原: 私自身は特に細かいとは思っていないんです。すごい方はもっとデータを駆使して選手に情報提供していますから。もともと私はどちらかというと、そういうデータ的なことは弱い方なんです。だからこそ勉強しているという感じですね。

二宮: 近年はどのスポーツでもデータ分析に力を入れています。

石原: はい。ただデータだけを過剰には考えていません。なんだかんだいっても最後、究極の戦術は2つしかないんです。自陣のコートの中には絶対にボールを落とさないことと、相手のコートにボールを落とすこと。この2つに尽きる。そういう意味では気持ちの部分が非常に重要だということは、選手にも言っています。

 守備重視が攻撃力アップに

二宮: キャプテンの位田愛選手に話を聞いたところ、監督はまずは守りだと言われているそうですね。その部分を非常に重要視していると。

石原: 昔気質なのかもしれませんが、私はディフェンシブなタイプの指導者ですね。ミーティングの内容も8割ほどはディフェンスに関することに集中するんです。

二宮: まずは自分のコートに落とさないことが重要だと。

石原: はい、そうです。男子の場合ですと、もう50%以上はスパイクをレシーブで拾うというのは無理なんです。でも、女子は60%くらいはレシーブが可能なんですね。そうなると、やはりディフェンスを重視したほうが、より攻撃のチャンスが生まれやすいわけです。

二宮: ディフェンスをかためることで自分たちの穴をなくすと。そこが弱いと、いいかたちで攻撃に移行できない。

石原: はい。スパイクというのは華麗で豪華なイメージがあるので、その部分ばかりが目立ってしまうのですが、3回タッチできるうちのスパイクは最後なんですね。1回目のレシーブ、2回目のパスがうまくいかないと、結局スパイクは成立しないんです。

二宮: なるほど。守備のミスが少なくなったことで、今年は安定した戦いができたと。加えて、選手間のコミュニケーションが密にとれていることが、強さの秘訣になっているように映ります。

石原: そうですね。私が工夫したことといえば、ルーティン作業として、毎朝定時に朝礼をしているんです。そこでスタッフ同士、選手同士、あるいは全体で話し合いを設けた
ことくらいですね。常に話す場所や機会があって、共通した課題さえあれば、自然と言葉を交し合いますから。

二宮: たとえ問題が起こっても、きちんとそれを選手間同士で話し合える雰囲気がチームにはある。それがいい方向にチームを導いているんでしょうね。

石原: 私もそう思います。同じチーム内の選手同士が情報を提供したり、共通認識をもつことは非常に大事です。バレーボールは1回でもボールを自陣のコートに落としたら、相手に得点が入ってしまうスポーツですからね。チームの結束なしでは勝つことはできません。コミュニケーションがうまくとれていることが直接的でなかったとしても、何かしらのかたちでプラスの影響を及ぼしていることは間違いないと思います。

(Vol.2につづく)

石原昭久(いしはら・あきひさ)プロフィール>
1966年2月10日、埼玉県生まれ。東海大学出身。現役引退後、1988年に日立女子バレー部コーチ、1990年にイトーヨーカドープリオールコーチとなる。ペルー共和国ユース代表監督を経て、2000年にイトーヨーカドー監督に就任し、同年黒鷲旗で準優勝に導く。01年より武富士バンブー監督を務め、02年にはVリーグ準優勝。今季よりJTマーヴェラス監督に就任した。




“ルーツ トリプルフリー”
糖質ゼロ! 脂質ゼロ! さらにカロリーもゼロ!!
[/color](栄養表示基準による)
ゼロのルーツ、遂に誕生。[/color]
 
“甘みもミルク感も楽しめるブレンドタイプが飲みたいけれど、カロリーは気になる方”
にお楽しみいただけるコーヒーです。
直火焙煎でしっかりと味わいを引き出したコーヒーに、濃縮乳を使用したまろやかな
ミルク感と程よい甘さで、すっきりとした飲み心地に仕上げました。
詳しくは賞品画像をクリック!!
◎バックナンバーはこちらから