二宮: 今シーズンはレギュラーラウンドを1位通過という成績をおさめられたわけですが、28試合の中で最もチームの成長を感じた点は?

石原: 「このチームはすごいなぁ」と思ったのは、3月6日の岡山シーガルズ戦ですね。3−0とストレート勝ちしたのですが、スコア上の数字ではなく、気力が感じられたんです。やるべきことをきちんとやっていましたし、技術面も含めて全てにおいて相手を上回っていました。


 勝利に不可欠な三大要素

二宮: これまでやってきた成長の跡が見えたと。

石原: 「成長」というと、私が導いたような感じにとられがちですけど、そうではないですね。もちろん、進むべき方向や方法はこちらが準備して伝えていますが、ゴールに向かうまでの気力を選手自身が出さなければ結果は出ません。つまり、自己成長したということです。その試合では全員が最後まで全力を出し切った。それが感じられた試合でした。

二宮: 位田愛キャプテンもかなり成長したのでは?

石原: 以前の彼女がどうだったかというのは、それこそ私もわからないのですが、周りの評価としてはだいぶ自覚が出てきたようですね。

二宮: 監督の思うようなキャプテン像に近づいてきたと?

石原: まだ、よちよち歩きくらいですけどね(笑)。でも、私は今すぐ理想的なキャプテンになれと言っていないんです。その方向に向かう努力の姿勢を見せていこうよ、と。努力を続けていけば、いつかは到達できるのではないかと思っています。

二宮: 試合の中で、指導者冥利に尽きると感じるのはどんな瞬間ですか?

石原: スターターの選手たちが内容のいい試合をしてくれるのは、もちろん喜ばしいことです。でも、それ以上に嬉しいのは「この子なら、絶対にできるはず」と思って出したリザーブの選手たちが自分たちの役割を果たして得点してくれた時ですね。普段はなかなか試合に出られなくても、頑張って練習を続けている選手が、パッと出てきっちりと仕事をやり終えて帰ってくるというのは、私自身、最も嬉しい瞬間です。

二宮: 適材適所適時に選手を出しての結果ですから、半分は監督の仕事でもありますよね。

石原: 結果からすると、そうですね。ただ、あくまでもスタートの選手たちが試合をつくってくれているからこそではあります。だからこそ、リザーブの選手たちが活躍できる。つまり、スターティングメンバーが試合をつくり、監督が適材適所適時で選手を送り出す。そしてその選手が仕事をきっちりとこなす。この3つの要素がそろわないとダメなんですね。

 深まったスタッフへの信頼

二宮: フィットネスにおいても、今シーズンは成功したのでは?

石原: そうですね。トレーニングを指導してくれているスタッフたちは非常に優秀で私も信頼しています。彼らがやってきてくれた成果は十分に出ていますね。

二宮: 今シーズンは大きなケガが全くありませんでした。

石原: はい。私はどちらかというとアクセルを踏んでしまうのですが、アスレチックトレーナーの方でブレーキを踏むべき時に踏んでくれる。そういうバランスのとれた関係がきっちりととれているので、大きなケガなくこれているんだなぁと思っています。

二宮: 長丁場の戦いになるとケガは大敵ですからね。そこがしっかりしていないとチームは土台から崩れていく。

石原: その通りです。私もアクセルをいつもベタ踏みするというよりは、急ブレーキを踏まれないように気をつけながら踏むタイプ。状況が悪くなれば、ちょっとペースダウンし、また回復したらペースアップしていくというふうなことを繰り返してやってきました。それがうまくいっているのかなと思いますね。

二宮: さて、4月2日からはファイナルラウンドが始まります。そこでの戦い方は?

石原: 特に何かを変えようとは思っていません。こちらが出した相手のデータを十分頭に入れて、気力を振り絞り、他のチームよりも先にゴールに到達してほしい。それを願っているだけです。

二宮: データは、どう使うかが重要なんでしょうね。無視してもいけないし、信仰の対象にしてもいけない。

石原: そうですね。どのデータを使って、どのデータを捨てるのか。そういった取捨選択が必要だと思います。

二宮: その判断が的確だったからこそ、今シーズンは結果が出たのでしょうね。位田キャプテンも監督の的確な指示がチームを強くしたと言っていました。

石原: それはどうでしょうか……(笑)。でも、まぁ10年間もこのリーグで監督を務めていますから、主力選手のデータは頭に入っているんです。それを彼女らに提示しているだけですよ。ただ、どんなにデータが頭にあっても、気力がなければ何もなりませんからね。選手にも「最後はどれだけボールを絶対に落とさないという気持ちがあるかだよ」と言っているんです。


石原昭久(いしはら・あきひさ)プロフィール>
1966年2月10日、埼玉県生まれ。東海大学出身。現役引退後、1988年に日立女子バレー部コーチ、1990年にイトーヨーカドープリオールコーチとなる。ペルー共和国ユース代表監督を経て、2000年にイトーヨーカドー監督に就任し、同年黒鷲旗で準優勝に導く。01年より武富士バンブー監督を務め、02年にはVリーグ準優勝。今季よりJTマーヴェラス監督に就任した。






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