古賀紗理那の「2」を継承した佐藤淑乃 「相手に恐れられる選手」へ ~SVリーグ開幕節~
バレーボールの新トップリーグ・SVリーグ女子が12日、各地で開幕節を迎えた。昨季優勝(Ⅴ1リーグ)のNECレッドロケッツ川崎は埼玉上尾メディックス(昨季3位)と川崎市とどろきアリーナで対戦し、0-3のストレート負けを喫した。NEC川崎は開幕戦を落としたものの、新2番・佐藤淑乃は“エース候補”として可能性を感じさせるプレーを見せた。
第1セットの序盤、NEC川崎は埼玉上尾に連続得点を許したものの、佐藤も気を吐いた。チーム6点目はレフトからクロスへ、7点目は冷静に相手コートのエアポケットにボールを落とした。8対9の1点ビハインド時には、ダイナミックなバックアタックで相手コートにボールをたたきつけた。チームが一時逆転した19点目は佐藤のサービスエースによるものだった。
2セット目以降も、佐藤は相手のブロックアウトを誘発するなどパワーとクレバーさを見せ、エース候補にふさわしいプレーを披露した。
試合後、佐藤は唇を嚙みながら敗戦を振り返った。
「SVリーグの初戦を勝利で収めたかったんですけど、今回の敗戦をマイナスに捉えるのではなく、明日の試合にいかしたい。チームとしてサーブとオフェンスは強みにしている部分。もう1度サーブでしっかりと相手を崩してブロックで仕留められる場面を作りたい。個人の技術だけに依存せず、チームとして点を取っていけるように修正したい」
昨季まで古賀が背負った「2」を継承した点について、こう語った。
「紗理那さんのプレーを生で見たときにすごく憧れたので、2番をつけさせていただいたことは感謝しています。2番にふさわしい選手になりたい。長いリーグの中、しっかり成長して2番にふさわしいプレーヤーになれたらいいなと思います」
自身の目指す選手像については、「自分の強みはサーブやオフェンスで点数を取っていくところ」と前置きして、つづけた。
「前衛にいても後衛にいても攻撃に参加したい。バックでも存在感を出したい。紗理那さんのバックアタックはすごく印象的でした。どこにいても相手がマークを外せない、と恐れられる選手になりたいと思います」
開幕戦では、その片鱗は十分に見せた。今季が終わるころ、真のエースとなれているか。佐藤の活躍に注目だ。
(文・写真/大木雄貴)