『ROUND AFTER ROUND.1』凄まじさ全開の開幕戦 ~D.LEAGUE~
10月13日、日本発プロダンスリーグの「第一生命 D.LEAGUE 24-25 REGULAR SEASON ROUND.1 開幕戦」が東京ガーデンシアターで行われ、昨季3位タイだったKOSÉ 8ROCKS(コーセー エイトロックス)が白星発進した。
8ROCKSの作品作りは、今季からディレクターに就任したSHUVANが音楽と構成を決める。いわゆる骨組みはディレクターが建て、振りはダンサーたちが肉付けしていくかたちだ。エースパフォーマンスのパートはShgekixが自ら考え、「パリオリンピックで強かったものを出したい」という提案から生まれたという。
SHUVANは「お客さんが見たいものを必ず知って、表現するのが僕らのやり方であり、ブレイクダンスの魅力。初戦ということもあり、より派手に、より開幕戦っぽく。審査員の方々が“詰め込んできたな”と思わせることが大事だと思っていました」と開幕戦のキーポイントを振り返る。
テーマは「TREMENDOUS SKILL」。凄まじいスキルという意味だ。パワームーブ、フリーズを見せたShigekix、YU-KI、RYO-SPINらも“凄まじさ全開”だったが、女性ダンサーで唯一スタメン入りしたREIMIのトップロックで存在感を解き放っていた。Shigekixのエースパフォーマンス直後、彼女がセンターとなり7人で踊った巧みなステップと高いシンクロ率に魅了された。
「今回のような派手な作品に出るのが初めてだった。B-GIRLが1人で、身体の大きさも違う中、自分が悪目立ちせず、どれだけ目立って踊れるかを意識した。自分が振り付けに携わったところでは得意なトップロックで表現しました」とREIMI。その点はSHUVANも「REIMIがオフシーズンの間、十分にトレーニングしてきた。“ここまで来て欲しい”というラインを越えてきて、本番まで自分でしっかりモチベーションを上げてきた。8ROCKSの中で一番進化してきたメンバーだと思います」と高く評価した。
ROUND.1の配信でコメンテーターを務めたダンス&ボーカルグループFANTASTICS from EXILE TRIBEの世界も「シゲキ(Shigekix)がエースなんですけど、(他のメンバーが)“オレたちも負けてないよ”というのを、みんなが見せてくれた」と評していた。その言葉を聞いて、昨季のCYPER ROUNDでのTaichiの言葉を思い出した。YU-KIとのDUOに出場したTaichiは「2人で『かまし合いたい』と話していた。どちらかが相手を食うような、どちらかがMVDをなれるぐらいの見せ合いをできたら1位を取れると思っていた」と口にしていたように、対ジャッジ、対観客だけでなく、チーム内での競争、競演。それがこのチームのカラーと言っていいかもしれない。
幸先よく白星スタートを切った8ROCKS。SHUVANは「開幕戦始まったばかりで、これからも8ROCKSが皆さんにお届けするものは、楽しいもの。“楽しそう、やってみたい”と興味をそそるようなパフォーマンスを心掛けています。ぜひ引き続き、コーセーエイトロックス、Shigekix、日本中のブレイクダンサーに注目していただき、応援してもらえれば最高です」と意気込む。REIMIも「8ROCKSとして、そして個人としてもB-GIRLとして名前を広げていきたい。世界中の人に見てもらえるように、ファンの皆様にもっと応援してもらえらうように頑張っていきたい」と抱負を述べた。
当然、MVDに輝いたShigekix加入効果は大きい。SHUVANは開幕前、こう話していた。
「影響力がすごい。チームのメンバーもShigekixが練習に来た時にモチベーションが上がる。彼が技を見せると僕らブレイクダンサーはテンションが上がり、次のラウンドに向け“さぁ行くぞ”という気持ちになる。彼がD.LEAGUEに入ってくることで、新たな可能性が広がると確信しています。バトルではなくエンターテインメントショーケースとして新たなShigekixを見れる場所になる」
Shigekixが入り、チームにポジティブな刺激が加わった新生8ROCKSが今季のD.LEAGUEにどんな旋風を吹かせるか。
次節は6日、4th Macthでレギュラーシーズン2連覇中のCyberAgent Legit(サイバーエージェント レジット)と対戦する。8ROCKSはSPダンサーに元ディレクター兼レギュラーダンサーでISSEIを起用。2季連続シーズンMVDに輝いたISSEIが、新生8ROCKSとどんな融合を見せるのかにも注目である。
(文・写真/杉浦泰介)
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