サントリー、東京GBをサーブで崩しストレート勝ち 〜SV.LEAGUE〜
4日、「2024-25 大同生命SV.LEAGUE MEN」(SVリーグ男子)第4節GAME2が東京・有明アリーナで行われ、サントリーサンバーズ大阪が東京グレートベアーズ(東京GB)を3対0で下した。サントリーは通算成績3勝3敗。東京GBは連勝が5で止まり、5勝3敗とした。
昨季リーグ王者のサントリーが苦戦を強いられている。試合前の時点で2勝3敗。日本代表のOH髙橋藍、MB小野寺太志らを擁しながら、この成績は決して満足のいくものでないだろう。またこの日もアクシデントがチームを襲う。オリビエ・キャット監督によれば、「メディカルな理由。シーズンは長い。リスクを冒したくなかった」という。会場入り直前に髙橋藍の欠場が決まった。
それでも第1セットからOPドミトリー・ムセルスキー、OHデアルマス・アライン、OHアレクサンドル・シリフカの強打、サーブを中心に得点を重ねていく。6-6の場面でムセルスキーが連続エース。2m18cmの元ロシア代表が序盤の流れを引き寄せた。25―20で先取すると、以降も東京GBにプレッシャーを掛けていった。第2セットは25―18、25―20と連取。ストレート勝ちでフルセットで敗れた前日の雪辱を果たした。
S大宅真樹は「グレートベアーズさんはサイドアウト率(サーブレシーブ側が得点する確率)が高いチーム。サーブで崩すためリスクを負いながら打っていかないといけない。攻めの姿勢で相手にプレッシャーを掛けた」と振り返る。東京GBのカスパー・ヴオリネン監督も「レセプション(サーブレシーブ)でプレッシャーを受け、いいオフェンスに繋げられなかった」と肩を落とした。
アタック決定率はサントリー51.2%に対し、東京GB37.8%。打数は同じながらこれだけ差が出たことが勝敗を分けたと言っていいだろう。キャット監督も「昨夜と今朝のフィードバックから結果を出してくれたことをうれしく思う」と振り返った。司令塔の大宅は「サンバーズは修正能力を持っているチーム。そこの波を少なくすることが課題」と反省点を挙げた。
前日SVリーグデビューを果たしたシリフカは16得点を挙げ、勝利に貢献。 アタック 成功率66.7%をマークし、パリオリンピック銀メダルのポーランド代表OHの決定力の高さを見せつけた。「コンビを合わせた時間は少ない中、決定率もすごく高かった。これからコンビネーションをもっと構築していければ、もっと強いサンバーズが見せられると思う。彼は確認作業を怠らない。ボールが落ちてからサーブがくるまでの間にいろいろな選手とコミュニケーションを取っている」と大宅。2試合目にしてPOMに輝いた29歳は「今日の結果をうれしく思う。SVリーグのタイトルを獲りたい。簡単なことではないことは分かっている。チーム一丸となって頑張っていきたい」と意気込んだ。
また観客数は前日に続き1万人超え(1万871人=歴代2位)。サントリーの赤と東京GBのピンクのユニホームを着たファンがアリーナを彩った。大宅は「たくさんの応援のおかげでサンバーズ大阪も東京グレートベアーズさんも楽しく試合ができていると思います。この環境をつくってくれているファンの皆さんもSVリーグを盛り上げてくれている」と場内インタビューで話した。日本代表の小野寺は「すごくたくさんの方がサーブを打つ前に手拍子をしてくれた。素直にうれしい」と喜んだ。
(文・写真/杉浦泰介)