東京GB、好調支える若手とベテランの融合 ~SV.LEAGUE~

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「2024-25 大同生命SV.LEAGUE MEN」(SVリーグ男子)は11月4日で第4節を終了。大阪ブルテオン(大阪B)とジェイテクトSTINGS愛知(STINGS愛知)が7勝1敗で首位。東京グレートベアーズ(東京GB)は5勝3敗で3位に付けている。昨季リーグ戦7位、一昨季は10勝しか挙げられなかったことを考えれば、クラブ史上最高のスタートを切ったと言っていいだろう。

 

 第4節は数多のタイトルを獲得してきた強豪サントリーサンバーズ大阪に1勝1敗。シーズン序盤とはいえ、地力が付いてきたことの証明と言えよう。4日のGAME2ではサーブレシーブに苦しみ、ストレート負け。相手がリスクを冒してでも強気なサーブを打ってきたことに対し、キャプテンのリベロ(L)古賀太一郎は「これまでグレートベアーズに対してなかった戦い方だった。グレートベアーズとしてステージが上がった試合だったのかなと思います」と所感を述べた。

 

 さらにこう続ける。

「僕自身、5連勝は初めて。グレートベアーズ3季目になりますが、毎年メンバーが変わっている。メンタリティは今の若手が勝負どころで戦えるだけのものを持っています。そこにアウトサイドヒッター(OH)アレックス(・フェレイラ)、オポジット(OH)マチェイ(・チザイ)の経験がいいかたちで融合しています」

 

 若手とベテランの融合がキーとなっている。びわこ成蹊スポーツ大学4年生ながら、チーム在籍2季目となる最年少L五頭寛大も「若手とベテランがいい具合にコミュニケーションを取り、去年よりもうまくコンビネーションができていると思います」と変化を口にする。

 

 セッター(S)今橋祐希、ミドルブロッカー(MB)伊藤吏玖、OH後藤陸翔ら活きのいい若手の活躍が目立つ。その裏に経験豊富なS深津旭弘、OH柳田将洋が控えていることも大きい。古賀は後藤について「彼は間違いなく日本代表としてやれるだけのものがあると思っています。このまま成長していって欲しい」と厚い信頼を寄せる。キャプテンは伊藤、今橋の能力も認めつつ、その裏にいるベテランの存在が大きいという。

「今橋は深津選手がバックで控えていますので、思い切って割れたところから自分のトスを信じてクイックを狙ったりとか、遠いところへトスを送ったりしている。リスクを負えるトスを上げられるのは、深津選手が控えているから。アタッカーでは柳田も控えている。チームとして若手が思い切りできる環境をつくれているんじゃないかと思います」

 

 チームの好調についてカスパー・ヴオリネン監督は「驚くべき結果ではない。すべてのプレーにおいて統計を見ている。トップ4に入るため、どういう数字が必要か常日頃確認しながらプレーしてきた。我々はハイレベルなプレーをできるだけの数字を持っている」と胸を張った。ヴオリネン監督の下、東京㎇はスピーディーでクリエイティブなバレースタイルを構築中だ。「昨シーズンから継続しているバレーボールのスタイルがハマッている。新加入の外国人選手も円滑に加われているところが今の好スタートに繋がっていると思います」と柳田。昨季は叶わなかった4強入りへ、選手たちの鼻息も荒い。

 

 シーズンは各チーム44試合の長丁場だ。これまで出場機会の少ない柳田や五頭が必要となってくるタイミングも当然あろう。柳田が「欲を言えばスタメンで出たいのですが、後藤陸翔やアレックスだったり、誰が出てもいろいろなプレーをできる選手が揃っている。僕自身もそれに応えないといけない。プレー時間が短い中でもチャンスとして、準備していくだけです」と口にすれば、五頭は「外から見ているだけでも観客の盛り上がり、歓声がすごい。“この中でプレーしたいな”という気持ちは大きいです」と正直な胸の内を語る。びわこ成蹊スポーツ大学4年生で、チーム最年少は「“ここで出れば、自分ならこうする”と考えながら試合を見ています。少し苦しい期間でもあります」とも。

 

 第5節(9、10日)はホームで首位タイのSTINGS愛知と対戦。進化の真価が問われる一戦となりそうだ。

 

(文・写真/杉浦泰介)

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