初の日本開催まであと1年 ボランティアは15日から募集開始 ~デフリンピック~
東京都、全日本ろうあ連盟、東京都スポーツ文化事業団の3者が「東京2025デフリンピックプレスセミナー」を13日に都庁第二本庁舎で開催した。全日本ろうあ連盟デフリンピック運営委員会の倉野直紀事務局長らが出席。集まったメディアの前で大会に向けた準備の進捗状況や今後の予定を報告した。

(写真:手話で報道陣に挨拶する倉野事務局長)
来年11月に開催するデフリンピック夏季大会は、聴覚に障がいのあるアスリートによるスポーツのビッグイベントだ。オリンピック、パラリンピック、スペシャルオリンピックスと共に国際オリンピック委員会(IOC)公認の大会である。夏季大会と冬季大会を2年毎に開催。東京2025デフリンピックは11月15日から26日までの12日間で実施される予定だ。70~80の国・地域から約3000人の選手が参加すると見られている。
競技は21(陸上、水泳、バドミントン、テニス、バスケットボール、バレーボール、ビーチバレーボール、自転車、マウンテンバイク、オリエンテーリング、サッカー、ゴルフ、ハンドボール、柔道、空手、テコンドー、ボウリング、射撃、レスリング・グレコローマンスタイル、レスリング・フリースタイル)で、ルールはほぼ健常者が行うスポーツと同じ。参加資格は補聴器等を外した状態で聴力損失が55dbを超えている人で、各国デフスポーツ協会に登録していることだ。
聴覚障がいは、“見えない障がい”とも言われる。見た目からは聞こえないことがわかりにくいからだ。白杖を持っていたり、車いすに乗っていたりすれば、幾ばくか声を掛けやすいかもしれないが、補聴器が確認できない限りはなかなか見分けがつかない。 競技面においても、バランスが取りにくいことに加え、得られる情報量が少ないというデメリットがある。倉野事務局長は「東京2025デフリンピックで社会を変えていく、そのレガシーをつくっていく。情報のバリア、コミュニケーションのバリアをなくす取り組みをしていかなければいけない」と意気込む。
倉野事務局長によれば、招致決定後から全日本ろうあ連盟への問い合わせを増えたという。都内の駅では大会周知のポスターを見かける。だが、私見を述べれば、多くの人に周知が行き渡っているかというと、そうでもない。大会の存在自体知らない人も少なくないだろう。あと1年という時間はそう長くない。継続的に発信し、普及に取り組んでいかなければならないだろう。
(文・写真/杉浦泰介)
【ボランティア募集概要】(10月11日公表)
・募集期間 2024年11月15日(金)~2025年1月31日(金)
・募集人数 約3000人
・応募要件 2025年4月1日時点で満18歳以上の方
活動期間中において、日本国籍又は日本に滞在する資格を有する方
各種研修への参加が可能であること
※手話言語技能は必須要件ではありません。
・応募方法 Web応募のみ ※応募者多数の場合は、希望する活動場所等を踏まえ抽選により決定
・活動期間 2025年11月10日(月)~11月28日(金)
活動時間は1日当たり5時間~最大8時間程度
原則3日間以上の活動を想定
・活動内容 選手・観客・関係者の案内・誘導
各会場での運営サポート
広報・メディアサポート
手話言語を活かした各種業務のサポート