無敗のBATTLES、首位浮上 RAISERZ、MESSENGERSが今季初白星 ~D.LEAGUE~

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 5日、日本発プロダンスリーグの「第一生命 D.LEAGUE 24-25 REGULAR SEASON ROUND.4」が東京ガーデンシアターで行われた。開幕から無敗(2勝1敗)のdip BATTLES(ディップ バトルズ)はBenefit one MONOLIZ(ベネフィット・ワン モノリス)を5対1で下し、首位浮上。ROUND.3終了時点で今季未勝利だったDYM MESSENGERS(ディーワイエム メッセンジャーズ)はLIFULL ALT-RHYTHM(ライフル アルトリズム)を5対1、FULLCAST RAISERZ(フルキャスト レイザーズ)はMedical Concierge I’moon(メディカル・コンシェルジュ アイムーン)を破り、今季初白星。これで全14チームが今季勝利を挙げた。前ラウンドで初勝利を挙げたKADOKAWA DREAMS(カドカワ ドリームズ)はavex ROYALBRATS(エイベックス ロイヤルブラッツ)にSWEEP勝ち。2位に浮上した。このラウンドのMVD(Most Valuable Dancer)には、エースパフォーマンスを任され、DREAMSのSWEEP勝ちに貢献したKELOが選ばれた。

 

 今季好調のBATTLESが初の首位に立った。4th MATCHで登場するとMONOLIZと対戦した。ポッピンとハウスダンスの2軸をミックスしたショーケース。「dippin’fire」をテーマに熱くエネルギッシュなパフォーマンスを見せた。ラテンのリズムで情熱的に舞うMONOLIZに「エースパフォーマンス」以外の項目は取って、5対1で快勝した。

 

「ROUND.4がシーズンの流れを掴む重要な一戦になると、チームで話していたので、勝利を収めることができうれしいです」とディレクター兼ダンサーのKENSEI。勝因に「気合い」を挙げた。

「Round.3まで負けてはなかったものの、去年の負けのイメージで、何をやってくるんだろう、どんだけ頑張ってくれるんだろうとファンから見られていると思う。それに応えるかたちで勝負してきたんですが、Round.4からは、そこから一歩上にいかないけといけないと思っていました。これまで以上に気合いを出していくことをチーム目標にしました」

 

 まだシーズン序盤ではあるものの、ランキングでトップに立った。KENSEIは「1位に上がって、追いかけられる立場は初めて。勝っていることに甘んじず、やるべきことをやって、次に向かいたいと思います」と先を見据えた。

 

 大きく順位を上げたのがリーグ連覇中のDREAMSだ。7th MATCHでディレクター兼ダンサーのYuta Nakamuraが22-23シーズンのCYPHER ROUND以来の出場となったROYALBRATSにSWEEP勝ちし、9位から2位にジャンプアップした。

 

 先攻のROYALBRATSはYuta Nakamuraをエースパフォーマンスに起用。音楽はアカペラを流し、Yuta Nakamuraのソロから開演だ。ネクタイに白シャツ、黒いパンツスタイル。ベースはシックな衣装だが、揃ってピンクのカーディガンを羽織り、各々の帽子を被ってアクセントを付けた。全体的にムーディーでスタイリッシュなショーを展開し、観客を虜にした。

 

 後攻はDREAMS。この日のROUNDの締め括りのステージだ。今季加入のKELOはリーグデビュー戦。メンバーのDaichi「今回のポイントは大トリ。初めてのKELOさん登場で、自分たちがKELOさんと新しいものを見せるという目標と、皆さんの期待に応えつつも裏切ることをテーマにしていました」と振り返る。

 

 テーマは「和魂躍彩(わこんやくさい)」。襖をギミックに使い、ダンサーを隠したり、登場を強調したりした。KELOや颯希のアニメーションダンスは妖艶かつ、不気味ですらあった。得意のアクロバットなども織り交ぜ、DREAMSワールドに観客を引き込んだ。

 

 結果はYuta Nakamuraが「得点として見れば厳しい結果となりました。KADOKAWAさんたちが考えた計画がしっかりハマッていた。CSっぽいネタ。項目をすべて抑えてきている。かつKELOさんのアーティスト性もすごかった。点数で言えば完敗かなと思います」と振り返ったように、DREAMSのSWEEP勝ちとなった。エースパフォーマンスを担当したKELOはMVDも獲得し、D.LEAGUEデビューを飾った。

 

 王者のDREAMSは開幕戦黒星スタート、ROUND.2はドローで滑り出しは厳しいものだった。「負けから始まり、次はドロー。次は勝ったけど割れた。今日SWEEPできた。自分たちも悔しい思いで、上がったという部分が強い。うれしさよりも悔しさ。今でもROUND.1の悔しさだが忘れられない。戦う前は負けることを考えると、めちゃめちゃ怖くて緊張して震える。ただCSの感覚は忘れられない。それに向かって走っている感じです」とDaichi。このまま連勝街道を突っ走るのか。

 

 混戦模様の今季。MESSENGERSとRAISERZが初勝利を挙げたことで未勝利チームはいなくなった。CS出場権の6位にいるLegitと最下位ALT-RYHTHMとの差はわずかに4。SWEEP勝ちで追いつけるほどの差しかない。今季から採用されているジャッジシステムの影響も少なくないだろう。特にシンクロパフォーマンスでの一票は、それを利とするチームがいれば、頭を悩ませるチームもいる。

 

  ROUND.4で初白星のMESSENGERSとRAISERZは自分たちのスタイルを貫いた結果と言っていいかもしれない。シンクロパフォーマンス票は落としたものの、それ以外の5項目は勝ち取った。RAISERZのディレクター兼ダンサーKTRが「僕たちの信じるクランプというジャンルが勝利のポイント。今回はいい意味で、揃えにいくというよりはリミッターを外し、クランプの荒さを打ち出した。その熱量が伝わったのかなと思います」と言う。

 

 MESSENGERSのリーダーFOOLも「シンクロ嫌いなんですよ」と正直な胸の内を明かした。

「ただやらないわけにもいかないし、どう向き合っていくか。先ほどKTRくんもおっしゃっていましたけど、リミッターをカットする。チームで解放していく方向性でいこうみたいなところになりました。わざわざシンクロの振りをつくらず、“ここシンクロでいいんじゃね”みたいな感じでやったら、“意外と揃うね。よしいこう”って。考え過ぎず、直感を信じ、ブラッシュアップしていった」

 

 新規参入で2連勝中のList::X(リスト エクス)を下したKOSÉ 8ROCKS(コーセーエイトロックス)もらしさで掴んだ今季2勝目。チームの初代ディレクター兼ダンサーのISSEIが今季2度目のSPダンサー起用となった。リーダーのYOUTEEは「リストさんは何をしてくるか読めない相手。自分たちの強いと思っているものを出しました」と銃声を鳴り響かせるアクションで開演。アクロバティックでスキルフルなショーで沸かせた。Ryo-spinは「ここに出ているDリーガー全員だと思うけど、このステージ、約2分間のために命削って戦い、挑戦して、ジャッジされる。勝つか負けるかの残酷な環境。そういう時に出てくる、“コンチクショウ、なんで負けたんだよ!”という気持ちをこのROUNDにぶつけました」と振り返った。

 

 次のROUNDで年内は最後。ROUND.4で得た勢いで上昇気流に乗るか。流れを変えるROUNDとなるのか。

 

(文・写真/杉浦泰介)

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