ブラックラムズ東京、夢の島で連敗ストップ ~リーグワン~

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「NTTジャパン ラグビー リーグワン2024-25」ディビジョン1第8節が15日、東京・江東区夢の島競技場で行われ、11位のリコーブラックラムズ東京が12位の浦安D-Rocksを44-22で下した。次節はブラックラムズが東芝ブレイブルーパス東京、D-Rocksが東京サントリーサンゴリアスと対戦する。

 

 5連敗中のブラックラムズと、前節初勝利を挙げたD-Rocks。今季勝ち星に恵まれないチームの対戦となったが、夢の島競技場にはスポーツ興行の観客数として最多の3065人が集り、スタンドを黒(ブラックラムズ)と黄(D-Rocks)に染めた。
 
 連敗を止めたいホストのブラックラムズは開始早々3点の先制を許したものの、15分にWTBセミシ・トゥポウのトライで逆転に成功。18分にはFB伊藤耕太郎がトライエリア(インゴール)左隅に飛び込んでリードを7点に広げた。
 
 その後、D-ROCKSにCTBサム・ケレビのトライとFBオテレ・ブラックのゴールで追いついかれたが、30分にはトゥポウがこの日2本目のトライを挙げ、再び勝ち越した。
 
 しかし33分、SO中楠一期がWTBケレブ・カヴバティに対するノーボールタックルでイエローカード。10分間の数的不利を余儀なくされた。直後のプレーでモールからトライ。37分にはCTBシェーン・ゲイツにトライを奪われ、15-22とリードを許した。
 
 後半、中楠がピッチに戻るとアタックの勢いは加速する。6分、モールからLO山本嶺二郎がトライエリア右中間に飛び込んだ。中楠がコンバージョンキックを決め、22-22と同点に追いついた。
 
 こうなると俄然ブラックラムズムードに。ペレナラ、中楠を軸にテンポよくパスを回し、チャンスがあればキックで裏を狙う。パスが通ればトライというシーンを何度もつくった。17分にペレナラのトライで勝ち越すと、中楠がPGを決め、10点差にリードを広げた。
 
 ブラックラムズは31分にCTB池田悠希、37分には伊藤がトライを加え、44-22とダブルスコアでノーサイド。6試合ぶりの勝利、3トライ以上差によるボーナスポイント1を加え、勝ち点5を積み上げた。
 
 試合後の会見で、ゲームキャプテンを務めたペレナラは、こう振り返った。
「試合後のハドルでは『いい足掛かりになった』と仲間に伝えました。前半は少しエフォートの面で残念だった部分がありました。いくつかソフトなプレーがあり、ボールやトライを簡単に取られ過ぎてしまったところもありました。しかし、後半はコントロールの部分で正しいポジションでプレーし、チャンスの場面で実行したりできました。相手にも脅威となる選手が何人かいたので、その脅威に対し、いいディフェンスを見せることができた。カムバックしたことを誇りに思う」
 
 タンバイ・マットソンHCも「TJの言うことに同意します」と第一声。指揮官は「クラブとして結果は重要だが、チーム全員がハードワークし、一貫性についても重要視してきました。こうやって結果が出ると、ハードワークしてきたことに意味があるんだなというところに繋がる」と連敗ストップに安堵の表情を浮かべた。
 
 ブラックラムズは第2節、サンゴリアス戦以来、勝ち星から遠ざかっていた。その間、チームはネガティブな空気にならなかったのか。入団2季目となる若手の山本は「暗くはなっていませんでした。悪かった部分を見つめるだけでなく、次の試合にフォーカスしていた。いい準備をするしかないので、ノンメンバーを含め準備に努めてきました」と証言する。
 
 ペレナラも「結果が出ていなかった間も、部分的に見ればいいところもあった。本当に『ベストゲームができなかった』と感じたのは、コベルコ神戸スティーラーズ戦ぐらいでした」と言う。
「確かに結果は出ていませんでしたが、向かっている方向は間違っていなかった。あとは自分たちが一貫性をもったプレーをできるかどうか。そうすれば、どのチーム相手にもプレッシャーを掛けられると思っています」
 
 指揮官も既に次戦を見据えている。
「今は東芝ブレイブルーパス東京戦のことを考えています。また来週も一貫性のある試合を見せなければなりません。来週はタフなゲームになる。同じレベルの精度を見せられるかがチャレンジになると思います」
 今季初の連勝へ、昨季王者に挑む。
 
(文・写真/杉浦泰介)
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