フライ級・寺地拳四朗、逆転KOで2団体王座統一 ~ボクシング世界戦~
13日、ボクシングのトリプル世界戦が東京・両国国技館で行われた。WBC&WBA世界フライ級王座統一戦はWBC王者の寺地拳四朗(BMB)がWBA王者のユーリ阿久井政悟(倉敷守安)に12ラウンド1分31秒TKOで勝利。ライトフライ級(WBC&WBA)に続き、2階級での2団体王座統一を達成した。WBO世界フライ級タイトルマッチは王者のアンソニー・オラスクアガ(アメリカ)が同級14位の京口紘人(ワタナベ)を判定で破り、2度目の防衛に成功。WBOライトフライ級タイトルマッチは王者の岩田翔吉(帝拳)が同級2位のレネ・サンティアゴ(プエルトリコ)に判定で敗れ、王座から陥落した。
「ただただユーリ選手が強かった。最後は気持ちの勝負だった。もっと練習して強くならないと」
勝った寺地は日本人対決によるフライ級王座統一戦を振り返った。
プレスをかけてくるユーリ阿久井に序盤は押されたかたちだ。「効いたパンチはなかったが、判断がフワフワしていた」という寺地。セコンドの加藤健太トレーナーは「あのプレッシャーをどう跳ね返したり、さばくかがポイントだった。あそこまで受けきって、返してくることをされたら、こちらもブレざる得ず判断が難しかった」と言う。
後半足を使い、手数で勝るラウンドもあったが、顔を跳ね上げられるシーンも目立った。なかなか主導権を握れなかった。12ラウンドを迎える前でのジャッジは1人が寺地の3ポイントリード、残り2人がユーリ阿久井の1ポイントリード。最終ラウンドが勝負の分かれ目となった。
「どっちがポイント取っているかは全く分からなかった。最後は気持ちで勝ちに行った」と寺地。連打でコーナー際に追い詰める。ラッシュをかけ、多彩なパンチをユーリ阿久井に打ち込むと最後はレフェリーが2人の間に割って入り、試合を止めた。
試合後、リング上で「気持ちが強くてどんどん前にきた。どっちが心が折れるかという闘いだった」とユーリ阿久井を称えた。WBA王者を下し、見据えるのは更なる強敵だ。「バムとやりたい」とWBC世界スーパーフライ級王者の“バム”ことジェシー・ロドリゲス(アメリカ)との対戦をアピール。元フライ級2団体統一王者(IBF&WBO)で2階級制覇のロドリゲスに挑戦状を叩き付けた。
(文/杉浦泰介、写真/大木雄貴)