第306回「平本蓮vs.朝倉未来」のリマッチが消滅する? 両雄の発言を考察─

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 過去にSNSで激しくやり合った因縁の二人、朝倉未来(JTT)と平本蓮(剛毅會)は、ともにRIZINを主戦場とする人気ファイターだ。

 両者の対決が実現したのは昨年7月、さいたまスーパーアリーナ『超RIZIN.3』だった。結果はご存知の通り平本の1ラウンドKO勝ち。この直後に朝倉が現役引退を表明、これで因縁ドラマに終止符が打たれたかと思われたが、そうではなかった。

 

(写真:昨年7月『超RIZIN.3』で朝倉未来に勝利した平本蓮は、1年以上闘いの舞台から離れている ©RIZIN FF)

 平本にドーピング疑惑が生じたからだ。

 これは平本陣営にいた現役ヘビー級選手の赤沢幸典(トライスタージム日本館)の告発によるもので信憑性が高いと見られた。しかし、平本のドーピング検査の結果は白。それでも「実際はドーピングに身を染めていたが検査をすり抜けた」可能性も否定できずグレーゾーンにあるとの雰囲気が漂う。

 

 そんな中、昨年大晦日に両雄の再戦が電撃発表された。

 朝倉が現役復帰、そしてリマッチの舞台は今年5月4日、東京ドーム『RIZIN男祭り』。ファンは大いに盛り上がったが両雄がリング上で対峙することはなかった。

 平本が肩部を負傷し、試合は延期に。そのため朝倉は東京ドームのリングで元RIZINフェザー級王者・鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)と闘い判定完勝。さらに7月、さいたまスーパーアリーナ『RIZIN 真夏の喧嘩祭り』では同じく元同級王者のクレベル・コイケ(ブラジル/ボンサイ柔術)にも勝利した。

 

 クレベル戦直後に、復活を遂げた朝倉は言った。

「個人的には平本とやりたいけど、どうせまた出て来ないでしょ。過去の栄光にすがって、ずっと自慢してくるんじゃないですか? なので(ヴガール・)ケラモフか9月にタイトルマッチを闘う(ラジャブアリ・)シェイドゥラエフと(ビクター・)コレスニックの勝者と試合がしたい。やる権利はあると思う」

 

 さらに8月5日に更新された自身のYouTubeチャンネルで、こうも話した。

「俺は一番強いヤツとやりますよ。もう奴(平本)に興味はない。仮病でどうせ出てこない。たまにミット打ちの動画を出し、上からの評論を続けて『自分はここにいるよ』って頑張っていくんじゃないかな」

 

リマッチ消滅はない! なぜならば…

 すると、これに平本がSNSで反応した。

「朝倉未来、シェイドゥラエフ指名か…流石やな! 男に二言は無いスタイルで成り上がってきた男は違いますな…大晦日、シェイドゥラエフ戦応援してます!」

 そして続ける。

「これにて俺達の再戦はもう無くなりました。お前はベルトを目指すし、俺は世界を目指す。これにてこの争いも終了」と。

 

(写真:7・27『超RIZIN.4』でクレベル・コイケに勝利した直後、「注射の仮病ニキは何処で何をしてるんですか?」と口にした朝倉未来 ©RIZIN FF)

 一方的な終結宣言。

 二人の発信から感じられるのは「朝倉はリベンジしたい」が「平本は再戦に消極的」であること。

 まぁ、それはそうだろう。直後にドーピング疑惑が生じたとはいえ現時点の立場は、「朝倉が敗者」で「平本が勝者」なのだから。

 

 ではこれで「平本蓮vs.朝倉未来」の再戦は消滅したのか?

 いや、そうはならない。

 一度は決まったリマッチが、平本の怪我によって延期となった。発表は「中止」ではなく「延期」。そしてファンは再戦を強く待ち望んでいる。ならば「ドル箱カード」をRIZINが流してしまうはずがなかろう。

 

 年内に行われることはないが、来年には実現すると見る。

 大晦日に朝倉はRIZINフェザー級王座3度目の挑戦、同じ舞台で平本は復帰戦を行う。ここでの両者の勝敗にかかわらず来夏『超RIZIN.5』でリマッチが行われるのではないか。もし朝倉が大晦日に腰にベルトを巻いたなら、この一戦が「RIZINフェザー級頂上対決」となる──。

 

<直近の注目格闘技イベント>

▶8月9日(土)、東京・後楽園ホール/「SHOOT BOXING 2025 act.4」スーパーライト級タイトルマッチ、イモト・ボルケーノvs.笠原弘希ほか

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▶8月10日(日)、東京・品川インターシティホール/「PANCRASE BLOOD.8」第31回ネオブラッドトーナメント準決勝ほか

▶8月10日(日)東京ビッグサイトTFTホール/「GRACHAN 75」三上ヘンリー大智vs.イム・ドンファンほか

▶8月17日(日)、東京・後楽園ホール/「DEEP126 IMPACT」フェザー級GP2025決勝、高橋遼伍vs.水野新太ほか

▶8月23日(土)、東京・後楽園ホール/「Krush.179」女子フライ級タイトルマッチ、池内紀子vs.ソフィア・ツォラキドゥほか

▶8月29日(金)、東京・後楽園ホール/「KNOCK OUT.56 ~NEW BEGINNING~」軍司泰斗vs. ゲーオガンワーン・ソー・アムヌワイデッーほか

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▶8月30日(土)、東京・後楽園ホール/「RISE 191」大﨑孔稀vs. ジラリー・キャルービーほか

▶8月31日(日)、新潟LOTS/「プロ修斗 越後風神祭り15」一條貴洋vs.青井心二ほか

 

近藤隆夫(こんどう・たかお)プロフィール>

1967年1月26日、三重県松阪市出身。上智大学文学部在学中から専門誌の記者となる。タイ・インド他アジア諸国を1年余り放浪した後に格闘技専門誌をはじめスポーツ誌の編集長を歴任。91年から2年間、米国で生活。帰国後にスポーツジャーナリストとして独立。格闘技をはじめ野球、バスケットボール、自転車競技等々、幅広いフィールドで精力的に取材・執筆活動を展開する。テレビ、ラジオ等のスポーツ番組でもコメンテーターとして活躍中。著書には『グレイシー一族の真実 ~すべては敬愛するエリオのために~』(文春文庫PLUS)『情熱のサイドスロー ~小林繁物語~』(竹書房)『プロレスが死んだ日。』(集英社インターナショナル)『ジャッキー・ロビンソン ~人種差別をのりこえたメジャーリーガー~』『伝説のオリンピックランナー“いだてん”金栗四三』『柔道の父、体育の父 嘉納治五郎』(いずれも汐文社)ほか多数。

連絡先=SLAM JAM(03-3912-8857)

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