愛媛県体育協会などが主催する「新春えひめスポーツのつどい2012」が3日、松山市内のホテルで開かれた。集まったのはボートの武田大作選手やダイキ弓道部員など、県内のアスリートやスポーツ関係者など約250名。前回に引き続き、司会をビーチバレーの佐伯美香さんが務め、昨年のなぎなたの世界選手権で優勝した池見敬子選手らが出席して、会を盛り上げた。出席者はお互いの親睦を深めつつ、新たな年のさらなる飛躍を誓っていた。
(写真:新年の目標を語る選手たち)
 この「新春のつどい」が開催されるのは、今年で7回目。スポーツ関係者が一堂に会し、2017年のえひめ国体に向けて機運を高めようと2006年から毎年1月3日に行われている。

 昨年は日本体育協会と日本オリンピック委員会が創立100周年という節目の年だった。今回の会では、その記念事業として実施された功労者表彰の伝達式が執り行われた。日体協推薦の特別功労者賞は県体協・大亀孝裕会長が受賞。県体協推薦による特別功労者賞には県体協の前会長、奥島團四郎氏が選ばれた。また中央競技団体推薦の功労者賞には黒星敦子(なぎなた)、濱中誠(バドミントン)、渡部晴行(バレーボール)、田窪徹(バスケットボール)、笹田嘉雄(ソフトボール)の各氏が輝き、他にも県体協の功労者賞に48名が選出され、愛媛県関係者では計55名が表彰を受けた。
(写真:特別功労者賞を贈られた県体協・大亀会長(右))

 挨拶に立った県体協の大亀会長は天皇杯(男女総合)で一昨年の38位から25位に順位を上げた昨年の山口国体を評価。昨年末まで放送されたNHKのスペシャルドラマ「坂の上の雲」を引き合いに出し、「(中心人物の)秋山好古はフランス、弟の真之はアメリカ、広瀬武夫はロシアに派遣され、日本の日露戦争の勝利に導いた。我々もこれにちなんで、えひめ国体に向けて的確な情報を収集し、優勝に導かなければならない」と5年後に迫った国体開催へさらなる取り組みの強化を訴えた。

 続いて中村時広県知事が祝辞を述べ、「えひめ国体で男女総合優勝を目指す」と高らかに宣言。国体成功と競技のレベルアップへ強い意気込みをみせた。昨年の「新春のつどい」で“公約”したスポーツに関する施策の組織改編は既に実現しており、競技力向上以外の業務は教育委員会から知事部局に移管された。国体開催は行政と各競技団体、地域住民が三位一体とならなければうまくいかない。今回の知事の発言は、国体に向けた動きを大きく後押しするものとなりそうだ。

 その後は出席した各アスリートが壇上に上がり、今年の抱負をそれぞれ発表。世界柔道で連覇を達成した浅見八瑠奈選手が一昨年の大会で着たダウンコートやクルム伊達公子サイン入りテニスラケットがオークションやお楽しみ抽選会に出品され、会場は最後まで盛況だった。なお、オークションの売上は国体選手の強化費に充てられる。
(写真:司会の佐伯さん(左)、ボート武田(中央)らがオークション、抽選会を盛り上げた)

 今回の「新春のつどい」を振り返って、県体協は「年々、参加者が増えて会が盛大になっている。国体に向けて意気が上がっていることを実感した」と評価する。今年の国体は岐阜県が舞台(冬季は愛知県との共催)。県体協では「“来年は10位台を”と威勢のいい目標を掲げたいところですが、まずは20位台でひとつでも順位をあげること。ここに全力を注ぎたいと考えています」としている。

 国体の前には4年に1度の夏季五輪もロンドンで行われる。愛媛県出身で活躍が期待される選手は少なくない。柔道の浅見八瑠奈(女子48キロ級)、中矢力(男子73キロ級)、村上幸史(男子やり投)らはメダルも狙える位置にいる。「来年は五輪メダリストが愛媛に戻って、出席してくれるとうれしいですね」と県体協も楽しみにしている。

 4年に1度のスポーツイヤー。辰年だけに昇り竜のごとく、愛媛のスポーツ界がレベルアップする1年にしたいものだ。

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(石田洋之)
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