第313回 久保優太の再挑戦はどうなる!? 絶対王者シェイドゥラエフに勝てるのか? 4・12『RIZIN LANDMARK 13』

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 久保優太(クボジム/BRAVE)の試合を観る時には、いつも引っかかりを感じてきた。

 それは、2021年の大晦日のことがあるからだ。シバターの悪の誘いに乗りフェイクに身を染めた。結果的に裏切られ敗者となり、悔しさのあまりか顛末を公にし、ファンを失望させている。

 これはリアルファイトに対する冒瀆。本来なら久保は格闘技界から永久追放されるべきだと私は思った。

 

(写真:シェイドゥラエフとの再戦に向けて自信をのぞかせる久保 ©RIZIN FF)

 だが以降の久保の闘いを観ながら、少し気持ちが変わる。

 あの時は、どうしても試合を流したくなかったのだろう、そんな焦りから魔が差した。久保本人が一番悔やんでいるに違いない。だから過ちを償う決意で苛烈なファイトに身を浸したと感じた。悪事をなかったことにすることはできぬが、悔い改めやり直すことは可能だ。

 

 11カ月後に復帰しRIZINで5連勝。

 そして一昨年大晦日の『RIZIN.49』でラジャブアリ・シェイドゥラエフ(キルギス)と対戦する。久保は強烈な打撃を喰らい続け多大なダメージを負いながら決死の覚悟で勝負を諦めずに闘い抜いた。2ラウンド2分30秒でTKO負けを喫するも観る者の心に響く覚悟あるファイトだった。

 繰り返すが悪事は消えぬ。それでも久保の闘いを見届けたいと感じるようになった。これは私だけではなく、リアルファイトを永く愛するファンも同じ想いを抱いたのではないか。

 

「勝ち筋を見出している」

(写真:一昨年大晦日『RIZIN.49』ではシェイドゥラエフが久保に圧勝している ©RIZIN FF)

 そんな久保が4月12日、マリンメッセ福岡『RIZIN LANDMARK 13』で再度、シェイドゥラエフに挑む。

 一度、自らを完膚なきまでに叩きのめした相手シェイドゥラエフは、さらに強くなっている。昨年にはクレベル・コイケ(ブラジル/ボンサイ柔術)を秒殺しRIZINフェザー級のベルトを奪取、その後もビクター・コレスニック(ロシア)、朝倉未来(JTT)に1ラウンドで完勝し王座防衛を続けている。

 

 シェイドゥラエフの強さは破格で誰も止められそうにない。今回の久保戦も王者のKO防衛が濃厚だ。

 

 だが、久保は言う。

「(前回、シェイドゥラエフと闘った後の)1カ月くらい船酔いしているような感じでした。元旦は車椅子を押されていて最悪な年越し(苦笑)。だけど(再戦に)恐怖はない。

 僕はあの試合で、いくつかのミスを犯した。それがなかったら試合展開も違うものになっていたと思う。すでに勝ち筋は見出しています。自分がチャンピオンになるので試合を楽しみにしていて欲しい」

 

 一方、シェイドゥラエフは余裕の表情でこうコメントしている。

「正直なところ、クボがまた自分と闘うのは可哀想です。今回は打撃ではなく、1ラウンドか2ラウンドに絞め技でフィニッシュします」

 

 大方と同じく私の予想も「シェイドゥラエフ圧倒的優位」。

 シェイドゥラエフは実にクレバーな男であり、圧勝しながらも前戦で久保の打撃能力の高さを感知した。おそらく今回もスタンドでの打ち合いに固執せず早々にグラウンド展開に持ち込もうとしているのだろう。

 それでも「勝ち筋を見出している」という久保の闘い方も気になる。元K-1王者の覚悟が問われる楽しみな一戦だ。

 

 ケージで行なわれる今回のRIZIN福岡大会のカードは実に豪華で2大タイトル戦。バンタム級のベルトをかけてのダニー・サバテロ(王者/米国)vs.後藤丈治(TRIBE TOKYO)も組まれている。

 

<直近の注目格闘技イベント>

▶3月14日(土)、東京・後楽園ホール/「KNOCK OUT.62」森岡悠樹vs.晃貴ほか

▶3月14日(土)、神奈川・横浜武道館/「PANCRASE 361」ライト級タイトルマッチ、雑賀“ヤン坊”達也vs.ハファエル・バルボーザほか

▶3月15日(日)、東京・GENスポーツパレス/「ROMAN 4」関根“シュレック”秀樹vs.小路 晃ほか

▶3月15日(日)、神奈川・横浜BUNTAI/プロボクシングWBC世界ライトフライ級タイトルマッチ、アンソニー・オラスクアガvs.飯村樹輝弥ほか

▶3月20日(祝・金)、東京・後楽園ホール/「DEEP 130 IMPACT」 ウェルター級タイトルマッチ、嶋田伊吹vs.ストラッサ―起一ほか

▶3月22日(日)、大阪・沖縄会館/「ACF121」75キロ以下級タイトルマッチ、ムン・ホンボムvs.武士正ほか

▶3月22日(日)、京都・KBSホール/「HOOST CUP KINGS KYOTO 15」実方宏介vs.ダニエル・ゴメスほか

▶3月28日(土)、東京・両国国技館/「RISE ELDORADO 2026」世界バンタム級タイトルマッチ、志朗vs.大﨑孔稀ほか

▶3月28日(土)、東京・後楽園ホール/「Krush.188」スーパーウェルター級タイトルマッチ、アビラル・ヒマラヤン・チーターvs.璃久ほか

▶3月29日(日)、東京・後楽園ホール/「PROFESSIONAL SHOOTO 2026 Vol.2」世界ライト級チャンピオンシップ、キャプテン☆アフリカvs.エフェヴィガ雄志ほか

▶3月30日(日)、東京・後楽園ホール/「Lemino修斗.4」木下憂朔vs.ビクトル・バレンズエラほか

 

 

近藤隆夫(こんどう・たかお)プロフィール>

1967年1月26日、三重県松阪市出身。上智大学文学部在学中から専門誌の記者となる。タイ・インド他アジア諸国を1年余り放浪した後に格闘技専門誌をはじめスポーツ誌の編集長を歴任。91年から2年間、米国で生活。帰国後にスポーツジャーナリストとして独立。格闘技をはじめ野球、バスケットボール、自転車競技等々、幅広いフィールドで精力的に取材・執筆活動を展開する。テレビ、ラジオ等のスポーツ番組でもコメンテーターとして活躍中。著書には『グレイシー一族の真実 ~すべては敬愛するエリオのために~』(文春文庫PLUS)『情熱のサイドスロー ~小林繁物語~』(竹書房)『プロレスが死んだ日。』(集英社インターナショナル)『ジャッキー・ロビンソン ~人種差別をのりこえたメジャーリーガー~』『伝説のオリンピックランナー“いだてん”金栗四三』『柔道の父、体育の父 嘉納治五郎』(いずれも汐文社)ほか多数。

連絡先=SLAM JAM(03-3912-8857)

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