スティーラーズ、序盤に持ち前の攻撃力発揮で6トライ快勝 ~リーグワン~

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 5日、「NTT JAPAN RUGBY LEAGUE ONE 2025-26」第14節が東京・秩父宮ラグビー場で行なわれ、3位のコベルコ神戸スティーラーズが5位のリコーブラックラムズ東京を40-19で下した。ボーナスポイントを加えた勝ち点5を獲得したスティーラーズは順位をひとつ上げた。ブラックラムズは5位のまま。次節はバイウイークを挟み、スティーラーズがトヨタヴェルブリッツ、ブラックラムズが三重ホンダヒートと対戦する。

 
 勝てば順位がひとつ上がる両軍。スティーラーズはプレーオフで“シード”を獲得できる2位に、ブラックラムズはプレーオフ初戦(準々決勝)をホストゲームで戦える4位に浮上できる。スティーラーズはLOブロディ・レタリック、SO李承信の共同主将をリザーブに入れ、FLアーディ・サベアがゲームキャプテンを務め、LOには小瀧尚弘、SOにはブリン・ガットランドが入った。
 
 これまでの13試合中9試合で先制しているスティーラーズ。「スタートの10分、15分、20分。そこで主導権握られるように、と意識しています」と李。先制すれば7割を超える勝率を誇り、この日も先制点を奪った。2分、センターライン付近でのラインアウトから大きく前進。10分にもラインアウトを起点にCTBタリ・イオアサが抜け出し、サポートしたNo.8ソロモネ・フナキがトライを挙げた。いずれもコンバージョンキックをガットランドが成功し、14-0とリードを奪う。
 
 対するブラックラムズは、敵陣に侵入しながら、なかなかスコアに繋がらない。得意のスクラムで優位に立ち、21分には相手ボールのスクラムでコラプシングを誘い、PGを選択した。しかし、SO中楠一期の右足から放たれた楕円球はゴールわずか右に外れた。
 
 すると24分、LOジェラード・カウリートゥイオティが抜け出し、SH上村樹輝とのパス交換からポール下にグラウンディングした。1トライを返された後の29分、ラインアウトを起点にサベアがトライ。いずれもガットランドがコンバージョンキックを決め、28-7と点差を広げる。またガットランドはスティーラーズでの通算500得点(501)を達成。「久しぶりの先発で、ゴールキックを決め、達成できて良かった」と笑顔を見せた。
 
 上位進出へ負けられないブラックラムズも35分にSHのTJ・ペレナラがトライを挙げた。終了間際にはLO山本嶺二郎がトライエリア右隅に飛び込み、19-35で16点差としてハーフタイムを迎えた。
 
 後半逆転勝ちのパターンが多いのが、今季のブラックラムズの特徴だ。スティーラーズを相手にポゼッションで上回り、敵陣に攻め込んだ。しかし11分、16分に敵陣でのラインアウトで連続スティールを許した。トライエリアに迫りながら、得点を奪うことはできなかった。
 
 後半は耐える時間が多かったスティーラーズは35分、FLティエナン・コストリーのゲインをきっかけに敵陣深くに攻め込むと、最後はサベアがフィニッシュ。この日2本目のトライで勝負を決定付けた。スティーラーズは計17の反則を犯すなど劣勢の時間も少なくなかった。それでも後半はノートライに抑えるなど守備での奮闘が光った。
 
 デイブ・レニー体制3季目。チームの成熟度は上がっている。
「アタックもディフェンスも粘り強さがシーズンが深まるにつれて上がってきている。アタックはフェーズを重ねながら、22mライン内に入った時の決定力。スコアするスタイルがチームとしてセイムページが見れている」とはアタックリーダーを務める李。やはりリーグトップの得点数とトライ数を誇る厚みのあるアタックが最大の強みだろう。小瀧は「全員がオプションになり、脅威になるというのを意識している。誰がボールを持ってもチャンスに向かって仕掛けていける。相手側からすれば嫌なのかなと思います」と語った。
 
 ブラックラムズのFL松橋周平は「例年とはちょっと強さが違うと感じています」と言い、こう続けた。
「デーブ・レニーさんがやりたいラグビーの精度が上がっている。自分たちの強みを理解している。オフロードで繋いだ後も、次々選手が出てくる。パスをもらった選手もいい判断をしている。フィフティ・フィフティのボールに対しての反応もいい。そこからのアタック。アンストラクチャーの部分の強みはすごい」
 
 レニーHCは「ブラックラムズにプレッシャーをかけられて、ディフェンスをする時間が長かった。自分たちがボールを持てなかったことに関してはフラストレーションが溜まる試合ではありましたが結果に関してはハッピーです」と総括。上位2チームに入れば、プレーオフは準決勝からスタートする。「体力的なところもそうですが、メンタル的なところでも余裕が生まれるのかなと思う」と小瀧。残り4節について、指揮官は「まずはバイウイークでメンタルとフィジカル両面でリフレッシュする。残り4試合、タフな相手との戦いが続く」と気を引き締めた。次節はクボタスピアーズ船橋・東京ベイを首位から引きずり下ろし、プレーオフ進出射程圏にいるトヨタと敵地で戦う。
 
 敗れたブラックラムズ。タンバイ・マットソンHCは「今日はいい学びとなった」と振り返った。「いいスタートを切れなかったら罰が与えられ、それがスコアボードに反映した。いいチームを相手にいいスタートを切らせてはいけない」と反省点を述べた。キャプテンのペレナラも「一度動き出すと止めるのが難しいチーム」、「簡単にスコアされてしまった」と悔やんだ。
 
 またブラックラムズは昨季に続き、ユニバーサルデーを開催した。<「誰もが楽しめるラグビー観戦環境」づくり>への取り組みだ。今季は医療的ケアが必要な子どもや、聴覚に障がいのある人など、昨季を上回る約250人を招待。イベントスペースでは、パラスポーツの体験会も実施した。これらの取り組みは、誰もラグビーを楽しめることだけでなく、障がいへの理解が深めることにも繋がっていくだろう。
 
「いろいろな“現在地”を知るためにユニバーサルデーを活用できればいいと思っています」とクラブ・ビジョナリー・オフィサーの白﨑雄吾氏。ノンメンバーが障がいのある子ども・家族らとの観戦会に参加し、チームの公式ボランティア組織「Ramgelist(ラムジェリスト)」が当日の運営に加わった。チーム一丸となってのユニバーサルデー。白﨑氏は「また継続していきたい。いや、絶対やります」と言葉に力を込めた。
 
(文・写真/杉浦泰介)
 
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