第139回 石川・森慎二監督「スパルタ指導で王座奪還!」
石川ミリオンスターズでは、今月15日から自主トレーニングがスタートしました。雨や雪で天候に恵まれず、なかなかボールを使った練習をすることはできていませんが、それでも選手たちのやる気は非常に感じられます。また、動きもいいですね。新人選手は地元で練習をしてきたようですし、既存の選手では特にコロンビアリーグに参加した4選手が快活な動きを見せてくれています。
150キロを狙う大ベテラン
今季は9人の新人選手が入団しました。なかでも、最も注目されているのが44歳、大ベテランの木田優夫投手です。実は昨年11月に行なわれた12球団合同トライアウトで木田さんのピッチングを目にしていました。木田さんというと、やはり巨人の頃にバリバリと投げていたイメージが強く残っていたのですが、思っていたよりサイド気味に投げていたのが印象に残っています。年齢とともに、いろいろとフォームの改善をしてきたのだと思います。
その後、木田さんが石川に入団すると聞き、昨季の成績を見てみると、ファームとはいえ、防御率もそれほど悪くはありませんでしたし、ある程度の試合数を投げていましたから、特に心配するようなことはありませんでした。実際に会って話をしてみると、非常に研究熱心だということがわかりました。木田さんの目標は「40代で150キロ」。昨季よりも腕の位置を上げ、スピードアップを狙うようです。ぜひ、その姿を見に球場に足を運んでほしいと思います。
もちろんチーム、特に若手への影響力にも期待を寄せています。まだまだ考えが甘く、野球に対してぬるい選手は少なくありません。彼らが44歳になってもなお、高い目標を持ち続け、そのための努力を惜しまない木田さんから学ぶことは多いはずです。マウンド上での姿はもちろん、普段の練習から生活まで、プロとしての野球との向き合い方を、木田さんから見て、聞いて、感じて、どんどん吸収していってほしいですね。
3年目の中川、開花の予感
昨年11月に行なわれたサンディエゴでのトライアウトで獲得したのは、カルドサ・タッカーとスティーブン・ラバーン。ともに20代で、タッカーは189センチ、ラバーンは198センチと長身右腕です。私自身はまだ彼らのピッチングを見ていないのですが、現地に行った端保聡社長やトライアウトの開催に協力してくれた大塚晶則さんからの話によると、両投手ともに最速150キロ台のボールを投げ、コントロールもまずまずと、まとまりのある投手のようです。このオフ期間中にも体を鍛えてくるでしょうから、来日して彼らのピッチングを見る日が楽しみです。
既存の投手では、2011年に高卒ルーキーとして入団し、今年3年目を迎える中川貢輔(金沢工業高)に期待しています。もともと華奢な体の中川は、これまでの2年間、体力が追いついていませんでしたが、じっくりと体を鍛えてきた成果が、今年は出てくるのではないかと期待しています。これまでも時には140キロ台のボールを投げていましたが、コンスタントに投げることはできていませんでした。しかし、今季は常時140キロ以上のボールを投げられるようになるのではないかと思っています。そうすれば、結果も出てくることでしょう。
実戦で得た自信が、突如それまでとはまったく異なる選手に成長させてくれることがあります。もともとボールには力強さはあるものの、コントロールは不安定な中川ですが、彼も試合で自信をつけることができれば、ガラリと変わる可能性があります。真っ直ぐ主体のどんどん押していくピッチングで、試合で投げる楽しさや怖さを経験し、野球を知るシーズンにしてほしいと思います。
厳しい指導で堅固な守備へ
さて、今季は足を絡めた野球を展開していこうと考えています。得点力アップを図ろうと、11、12年は長打力のあるチームづくりを目指してきたわけですが、それもパワーヒッターがいたからこそ。しかし、今季はあまり見当たりません。逆に、揃ったのは足の速い選手です。新人の上柿元俊弘(鹿児島城西高−日本経済大−佐賀スピリッツ−紀州レンジャーズ)と谷口貴之(遊学館高−06BULLS)は、ともに50メートルを5秒台で走る俊足です。この2人に既存の小倉信之(国士舘高−国士舘大−茨城ゴールデンゴールズ−フェデックス)、富永裕也(星稜高−大阪体育大)、笹沢学(帝京高−早稲田大−西濃運輸)を加えた5人には、どんどん走って、かき回してほしいと思います。
また、今季は指導方針をガラリと変えていくつもりです。これまでは個々の自主性を重んじるというスタイルで指揮を執ってきましたが、今季は厳しく指導していこうと考えています。というのも、この3年間で、選手全員が自分に厳しくできるわけではないということがわかったからです。
特に昨季は、リーグワーストとなる92個ものエラーを記録し、堅固な守備の重要性を再認識したシーズンでした。今季は選手たちが体で覚えるまで、何時間でもノックする覚悟でいます。
「やらないなら、やらせる」「やれないなら、やれるようになるまで」
これが今季の指導方針です。2人のコーチにも鬼になってもらって、厳しい態度で指導していきます。私も選手も必死になって、王座奪還を目指していきますので、今季も応援よろしくお願いします。
<森慎二(もり・しんじ)プロフィール>:石川ミリオンスターズ監督
1974年9月12日、山口県出身、岩国工高卒業後、新日鉄光、新日鉄君津を経て、1997年にドラフト2位で西武に入団。途中、先発からリリーバーに転向し、2000年にはクローザーとして23セーブを挙げる。貴重なセットアッパーとしてチームを支えた02、03年には最優秀中継ぎ投手に輝いた。05年オフ、ポスティングシステムによりタンパベイ・デビルレイズ(現レイズ)に移籍。2年間のメジャー契約を結ぶも、オープン戦初登板で右肩を脱臼。07年、球団から契約を解除されたものの、復帰を目指してリハビリを続けてきた。09年より石川ミリオンスターズのプレーイングコーチに就任。10年からは金森栄治前監督の後を引き継ぎ、2代目監督としてチームの指揮を執っている。
150キロを狙う大ベテラン
今季は9人の新人選手が入団しました。なかでも、最も注目されているのが44歳、大ベテランの木田優夫投手です。実は昨年11月に行なわれた12球団合同トライアウトで木田さんのピッチングを目にしていました。木田さんというと、やはり巨人の頃にバリバリと投げていたイメージが強く残っていたのですが、思っていたよりサイド気味に投げていたのが印象に残っています。年齢とともに、いろいろとフォームの改善をしてきたのだと思います。
その後、木田さんが石川に入団すると聞き、昨季の成績を見てみると、ファームとはいえ、防御率もそれほど悪くはありませんでしたし、ある程度の試合数を投げていましたから、特に心配するようなことはありませんでした。実際に会って話をしてみると、非常に研究熱心だということがわかりました。木田さんの目標は「40代で150キロ」。昨季よりも腕の位置を上げ、スピードアップを狙うようです。ぜひ、その姿を見に球場に足を運んでほしいと思います。
もちろんチーム、特に若手への影響力にも期待を寄せています。まだまだ考えが甘く、野球に対してぬるい選手は少なくありません。彼らが44歳になってもなお、高い目標を持ち続け、そのための努力を惜しまない木田さんから学ぶことは多いはずです。マウンド上での姿はもちろん、普段の練習から生活まで、プロとしての野球との向き合い方を、木田さんから見て、聞いて、感じて、どんどん吸収していってほしいですね。
3年目の中川、開花の予感
昨年11月に行なわれたサンディエゴでのトライアウトで獲得したのは、カルドサ・タッカーとスティーブン・ラバーン。ともに20代で、タッカーは189センチ、ラバーンは198センチと長身右腕です。私自身はまだ彼らのピッチングを見ていないのですが、現地に行った端保聡社長やトライアウトの開催に協力してくれた大塚晶則さんからの話によると、両投手ともに最速150キロ台のボールを投げ、コントロールもまずまずと、まとまりのある投手のようです。このオフ期間中にも体を鍛えてくるでしょうから、来日して彼らのピッチングを見る日が楽しみです。
既存の投手では、2011年に高卒ルーキーとして入団し、今年3年目を迎える中川貢輔(金沢工業高)に期待しています。もともと華奢な体の中川は、これまでの2年間、体力が追いついていませんでしたが、じっくりと体を鍛えてきた成果が、今年は出てくるのではないかと期待しています。これまでも時には140キロ台のボールを投げていましたが、コンスタントに投げることはできていませんでした。しかし、今季は常時140キロ以上のボールを投げられるようになるのではないかと思っています。そうすれば、結果も出てくることでしょう。
実戦で得た自信が、突如それまでとはまったく異なる選手に成長させてくれることがあります。もともとボールには力強さはあるものの、コントロールは不安定な中川ですが、彼も試合で自信をつけることができれば、ガラリと変わる可能性があります。真っ直ぐ主体のどんどん押していくピッチングで、試合で投げる楽しさや怖さを経験し、野球を知るシーズンにしてほしいと思います。
厳しい指導で堅固な守備へ
さて、今季は足を絡めた野球を展開していこうと考えています。得点力アップを図ろうと、11、12年は長打力のあるチームづくりを目指してきたわけですが、それもパワーヒッターがいたからこそ。しかし、今季はあまり見当たりません。逆に、揃ったのは足の速い選手です。新人の上柿元俊弘(鹿児島城西高−日本経済大−佐賀スピリッツ−紀州レンジャーズ)と谷口貴之(遊学館高−06BULLS)は、ともに50メートルを5秒台で走る俊足です。この2人に既存の小倉信之(国士舘高−国士舘大−茨城ゴールデンゴールズ−フェデックス)、富永裕也(星稜高−大阪体育大)、笹沢学(帝京高−早稲田大−西濃運輸)を加えた5人には、どんどん走って、かき回してほしいと思います。
また、今季は指導方針をガラリと変えていくつもりです。これまでは個々の自主性を重んじるというスタイルで指揮を執ってきましたが、今季は厳しく指導していこうと考えています。というのも、この3年間で、選手全員が自分に厳しくできるわけではないということがわかったからです。
特に昨季は、リーグワーストとなる92個ものエラーを記録し、堅固な守備の重要性を再認識したシーズンでした。今季は選手たちが体で覚えるまで、何時間でもノックする覚悟でいます。
「やらないなら、やらせる」「やれないなら、やれるようになるまで」
これが今季の指導方針です。2人のコーチにも鬼になってもらって、厳しい態度で指導していきます。私も選手も必死になって、王座奪還を目指していきますので、今季も応援よろしくお願いします。
<森慎二(もり・しんじ)プロフィール>:石川ミリオンスターズ監督1974年9月12日、山口県出身、岩国工高卒業後、新日鉄光、新日鉄君津を経て、1997年にドラフト2位で西武に入団。途中、先発からリリーバーに転向し、2000年にはクローザーとして23セーブを挙げる。貴重なセットアッパーとしてチームを支えた02、03年には最優秀中継ぎ投手に輝いた。05年オフ、ポスティングシステムによりタンパベイ・デビルレイズ(現レイズ)に移籍。2年間のメジャー契約を結ぶも、オープン戦初登板で右肩を脱臼。07年、球団から契約を解除されたものの、復帰を目指してリハビリを続けてきた。09年より石川ミリオンスターズのプレーイングコーチに就任。10年からは金森栄治前監督の後を引き継ぎ、2代目監督としてチームの指揮を執っている。