日本、3大会連続銀のカナダに惜敗 ~ラクロス女子世界選手権~

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 29日、「日清食品 2026 WORLD LACROSSE 女子世界選手権大会」準々決勝が東京・大井ふ頭中央海浜公園ホッケー競技場で行なわれ、プールD2位の日本代表はプールB1位のカナダ代表に延長戦の末、4-5で敗れた。勝ったカナダは31日の準決勝進出。日本は5~8位決定戦に回り、30日の初戦はイングランド代表と対戦する。

 

 女子ラクロスは過去30年、アメリカ、カナダ、イングランド、オーストラリアの4強が世界大会の上位を占めていた。しかし、日本の試合前にイングランド、オーストラリアが敗れる波乱。世界ランキング2位のカナダ相手でも、アップセットの可能性を漂わせていた。

 

「今回のゲームプランは圧倒的ポゼッションを取って勝つ、というテーマで戦いました。カナダは技術があるチームで、ドローもすごくうまい。いかにポゼッションを握って戦うか。そのチャンスを決め切るというゲームプランでした」とは宮沢明日香HC。

 そのプラン通り、日本はボールポゼッションを重視したゲーム運びで相手に主導権を握らせなかった。中澤ねがいが決め、先制点を奪った。第1Qは日本がシュート4に対し、カナダは0。第2Qは中澤こころがフリーシュートからパスを送り、中澤ねがいが決めた。日本が2点をリードしてハーフタイムを迎えた。

 

 だが3大会連続銀メダルのカナダも、そう易々と勝たせてはくれない。第3Qで3点を奪われ、試合をひっくり返される。中澤ねがいが個人技からシュートをネットに突き刺さして3-3で第3Qを終えた。

 

 勝負の第4Qは、先にカナダに点を奪われた。自陣で反則を犯し、フリーシュートをキャシディ・モリスに豪快に決められた。追いかける日本は、残り4分10秒のところで中澤ねがいをファウルで止めたモリスがイエローカードで一時退場。マンアップ(数的優位の時間帯)で相手はさらに反則を犯した。ここまで密着マークに苦しんでいた中澤こころがフリーシュートのチャンスを得る。中澤こころは縦に行くと見せて、中に切れ込んでシュートを叩き込んだ。

 

 その後は互いに得点を奪えず、延長戦に突入。サドンデスヴィクトリー方式で行なわれ、どちらかが得点決めた時点で勝負が決まる。最初のドロー勝負で小林千沙が勝利し、日本が攻撃を仕掛ける。細田すず乃がスピードを生かし、突破。しかしシュートは無情にもポストを叩き、攻撃権はカナダに移った。

 

 1点もやれない緊迫感からか、日本はややボールウォッチャーになってしまい、カナダの素早いパス回しに翻弄され、フリーにしてしまう。アウロラ・コーディングリーに1対1を確実に決められた。この瞬間、日本が目標に掲げるメダル獲得の最低条件、準決勝進出は断たれた。

 

 世界ランキング2位の強豪に1点差の惜敗だ。主将の藤田瑠奈は「できることは全部やった。あと1点及ばなかったという結果通りの試合」と肩を落とした。「結果としてチームを勝たせられなかった。自分がまだまだ」とは、この日3得点の中澤ねがい。主将の藤田は「今大会の目標はセーブ率よりもチームを勝たせるセーブをしたいと思っていた。最後、自分が止めきれなかったのは本当に実力不足」と悔やんだ。

 

 好勝負を生んだのは、イスラエル戦で苦戦したドローで互角以上に勝負できた点だろう。ドロー成功率は53.9%。宮沢HCも「チームとしてもドローの対策を練ってきました。カナダは世界の中でも一番と言っていいくらいドローが強いチーム。そこに対して互角以上の戦いができたことは良かった」と高く評価した。

 

 試合後、ドロワーを任された小林と途中出場の井上果歩に話を聞いた。

「ディグという笛が鳴った瞬間にボールをとらえにいく。そこがカナダの選手は速い。ボールを上げた直後もクロスが自在に動かせる。自分もディグを速くすることを心掛けました。それと相手の方にボールが入った時に、自分がどれだけ相手のしたいことを妨害できるかの駆け引きをできた回数は多かった」(小林)

「自分は3本しか上げていませんが、カナダのドロワーは2枚いる。そこに対し、しっかり分析して自分がコントロールできた3本だった。100%を出せたと思います」(井上)

 

 世界選手権の過去最高成績は5位。初のメダルには届かなかったものの、まだやるべき仕事が残されている。「今から目指せる最高の5位を目指していきたい」と宮沢HC。藤田は「自分たちが切り替え、明日以降の試合に向き合えるかがカギになる。チーム一丸となって、今日できたことを誇りに思い、明日はもっとできるようにしたい」と前を向く。井上が「グラウンドで出ることは準備してきたこと。それ以上のことは出ない。今日のように分析し切って、自信を持ってコートに立てるようにしたい」と言えば、小林は「私の仕事はドローもオフェンスもディフェンスもすること。チームにどれだけ勢いを乗せられるか。全力で足が取れる覚悟で頑張りたい」と意気込んだ。泣いても笑ってもあと2戦である。

 

(文・写真/杉浦泰介)

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