東海大・小出穂香、寝技を武器に代表入り狙う ~全日本学生柔道体重別選手権大会~
個人の大学日本一を決める「ALSOK presents 2026年度 全日本学生柔道体重別選手権大会」(全学)は、9月26、27日の2日間、東京・日本武道館で開催される。今大会の注目選手は女子78kg級に出場する東海大2年・小出穂香だ。全学の予選を兼ねた東京学生柔道体重別選手権大会(都学)でオール一本勝ちした彼女に大会への思いを聞いた。
――初出場となる全学に向け、今のコンディションは?
小出穂香: 9月12日に行なわれた全日本ジュニアの結果があまり良くなかったので、少し不安です。今振り返ると、全日本ジュニアは気持ちがつくれていなかった。ゴールデンスコアに入り、体がついていかなかった。もつれたところを相手に持っていかれ、有効を取られてしまいました。初戦(2回戦)敗退に終わったので、試合直後は少し引きずりましたが、全学で、その悔しさを晴らしたいと思います。少しでも隙のない状態に持っていけれるよう稽古を積んでいます。
――全学の組み分けが発表されました。対戦が楽しみな相手はいますか?
小出: お互いに勝ち進めば準決勝で対戦する可能性がある岩田菜々子選手(日本大学1年)と椿原梨央選手(山梨学院大学2年)です。岩田選手には7月の東京ジュニア柔道体重別選手権大会準決勝で敗れ、9月の都学決勝では勝ちました。同学年の椿原選手は高校時代に全国高校総合体育大会(インターハイ)などで対戦しましたが、昨年は高校時代に負ったケガの影響で大会に出られなかったので、高校の時以来の対戦が楽しみです。
――自身の武器は?
小出: 立ち技からの寝技が強みです。中学時代は全くできなかった。立ち技でガツガツ前に出るスタイルでした。富士学苑高校で、寝技の重要さを教えていただきました。反復練習を行ない、体が自然と動くくらいになりました。
――寝技に自信を持てるようになってきたのはいつ頃ですか?
小出: 高2の後半ですね。徐々に相手を寝技で抑え込めるようになりました。そこから関節技も磨き、腕十字で一本を取れるようなった。そうなると寝技が楽しくなっていきました。
――都学では、オール寝技で一本勝ち。腕ひしぎ十字固めへの移行がスムーズでした。
小出: ありがとうございます。力ずくで腕を取りにいく時もありますが、自分は流れで取りに行きます。理想は抑え込むことですが、相手も簡単にはそれを許してくれない。そうなった時、関節技を狙う。技は腕十字に限らず、腕がらみや締め技もできます。
選手、コーチがトップクラス
――柔道を始めたのは?
小出: 小学6年の時です。7学年下の弟が、茅ケ崎の小川道場で柔道を始めたタイミングで私も始めました。それまでは剣道を習っていたのですが、柔道は技がスパッと決まるのが、“かっこいい”と思っていました。最初は全然勝てませんでしたが、周りのみんなや家族の支えがあって続けることができました。
――柔道の魅力は?
小出: 白黒はっきり付くのが好きです。稽古がきつくても、勝てば“やっていて良かった”と思える。やっぱり試合で勝つと気持ちがいいです。
――高校は地元の神奈川県を離れ、山梨の富士学苑に進みます。
小出: 道場の先輩が先に入学していたこともあり、どんな雰囲気かがわかっていました。また入学前の19年に高校3冠を達成していた強豪校です。強いところでやってみたいという思いもあり、進学を決めました。
――高校卒業後、東海大に進んだきっかけは?
小出: 前監督の塚田真希先生(現・全日本女子代表監督)からお誘いいただきました。高校を選んだ時と同じで、東海大というトップレベルの環境の下、自分がどこまでできるか挑戦したかったんです。
――実際に入ってみてどうでしたか?
小出: 選手、コーチ1人1人がトップクラスなので、ものすごく稽古の質が高い。監督の今井(優子)先生は細かいところまで、しっかり見てくれます。入学後は立ち技の体さばきの部分を重点的に鍛え、相手に簡単に押し込まれなくなりました。
――1年時は公式戦に出場していませんでしたね。
小出: 高校3年時、左膝前十字じん帯の手術をしました。一度は復帰したものの、再び同じ個所を切ってしまったんです。そのせいで大学の1年間は、ほぼリハビリに費やしました。
――今年は都学で優勝。全学の目標は?
小出: 全学では自分の強みを生かし、1試合1試合、勝ち上がっていきたい。初出場ですが、決勝に進出して優勝を目指します。全学で優勝すれば強化選手に選ばれる。そうなれば、国際大会に出場したいです。
<小出穂香(こいで・ほのか)プロフィール>
2007年1月5日、神奈川県生まれ。東海大学2年。78kg級。小学6年時に弟の影響で柔道を始める。小川道場、山梨の富士学苑高校を経て、2025年に東海大に進学した。中学3年時に全国中学校柔道大会(全中)の70kg超級で優勝。富士学苑高3年時には全国高校総合体育大会(インターハイ)の女子78kgを制した。身長165cm。得意技は寝技。オフのリフレッシュ方法は寝ること。
(取材・構成・写真/杉浦泰介)
※BS11では「ALSOK presents 2026年度 全日本学生柔道体重別選手権大会」の模様を10月4日(日)19時から放送します。男子の解説は全日本柔道連盟強化委員長で、SBC東京医療大学柔道部の山田利彦部長が、女子はパリオリンピック女子57kg級金メダリストの出口クリスタさんが務めます。