Anker XEED、全てを“超越する”個性派集団 ~D.LEAGUE~
10月6日、日本発プロダンスリーグ「第一生命D.LEAGUE26-27」が開幕する。今季から新たに4チームが加わり、20チームとなったが、オーナー企業&チーム名が変更したAnker XEED(アンカー エクシード)も実質1年目のシーズンを迎えると言っていい。
続々と発表されていくXEEDのメンバーに驚いたファンも多いのではないだろうか。ディレクターはD.LEAGUEジャッジを5季務めた日本のダンスシーンのレジェンドPEETが就任。前身のLIFULL ALT-RHYTHM(ライフル アルトリズム)のリーダーCHIHIRO、大野愛地、dip BATTLES(ディップ バトルズ)のプレーイングディレクター健世、Medical Concierge I'moon(メディカル・コンシェルジュ アイムーン)を初のCS導いた立役者のMEMEが加入した。そのほかD.LEAGUE初挑戦ながら、バトルなどで結果を残してきたダンサーたちが加わる。世界的ワックダンサーのWizzard(ウィザード)は韓国出身。ちなみに海外拠点のレギュラーダンサーはD.LEAGUE初である。その豪華なメンツに、かつてのプロ野球の巨人やサッカーのレアル・マドリードなどの大型補強を思わせた。
D.LEAGUEの神田勘太朗COOもAnker XEEDの陣容について「正直、強い」と所感を述べ、こう続けた。
「1年目から本気でCS(チャンピオンシップ)を狙っているという姿勢を感じました」
リーグに旋風を巻き起こしそうな空気を漂わせる。果たして、Anker XEEDとは何者なのか。9月16日、神奈川・YOKOHAMA COAST garage+(ヨコハマコースト ガレージプラス)で「EPISODE.0 〜26-27 SEASON Kickoff Party〜」が開催されることを知り、取材を申し込んだ。当日、横浜駅直通複合型エンタメビル「ASOBUILD」(アソビル)の地下1階にあるイベントスペースには、急遽決まったイベントにもかかわらず、100人以上の観客が詰め掛けていた。
開場後、大野愛地、RYO-TA、Wizzardを除く12人のメンバーが、1人ずつ登場し、自己紹介代わりのダンスパフォーマンスを披露した。素人目にもスキルの高さは際立って見えた。改めてメンバーがマイクを持って自己紹介した後、ゲームコーナーに移った。
2チームに分かれ、絵しりとりを行なった。俗に言う“画伯”がいたり、「ん」で終わる痛恨のミスをする選手もいて、会場を沸かせていた。観客参加型の〇×ゲームは、XEEDにまつわるクイズを観客が答え、最後まで残った観客がAnker製品をゲットしていた。
オフィシャル発表前にアンセムを披露してビシッと締めた。ファンクな曲に合わせ、スキルフルなダンスを繰り出した。Kickoff Partyに相応しい、チームへの期待感を増幅させるものとなっただろう。
イベント終了後、リーダーのCHIHIROと、チーム最年少17歳のHIYO(ヒヨウ)に改めて話を聞いた。
「開催発表から限られた日数の中で、たくさんの方々が来てくれて、すごくうれしかった。自分が5年間、D.LEAGUEをやってきた中で顔を見たらお名前が分かるファンの方も来てくださった。絶対アカンけど、涙が出そうになりました。今日もらったエネルギーを今後に繋げていきたいです」(CHIHIRO)
「たくさんの方々に来ていただいたことがとても、とてもうれしくて。私たちにとって、Anker XEEDを結成して初めてのイベントでした。足を運んでくださるお客様、関わってくださったスタッフの方に感謝の気持ちでいっぱいです」(HIYO)
改めて、チームの魅力を2人に聞くと、CHIHIROはこう答えた。
「私たちのチームが掲げているのが『革新的で超越的』。ディレクターにPEETさんを迎えた時点で超越的です。メンバーは個性豊かで、それぞれのジャンルで超越しているんですが、ひとつだけに突出せず他のジャンルにもトライできる。ダンスジャンルひとつに囚われるというよりもALL SCHOOLをみんなで愛し、表現しているのが魅力です」
続いてHIYO。
「CHIHIROちゃんも言っているように、1人1人のレベルがとんでもなく高い。今まで自分はブレイキンをやってきた。このチームに入って、様々なジャンルのトップダンサーの方々を見て、とても刺激を受けました。同じ環境で高めて合えていけるのは幸せなこと。すごく素敵なことだと思っています」
イベントを通じ、チーム全体が明るく朗らかな雰囲気を纏っていた。Kickoff Partyで配布されたフライヤーの相関図によると、GALと表記されたメンバーが3人いた。CHIHIROやMEMEはD.LEAGUEでも明るいキャラクターで、マイクを持たせても存在感を放っていた。GAL3人衆のARATAやANNA GAL POPPERなどは、2人に負けないノリの良さを感じた。
チームの空気感について、CHIHIROとHIYOに尋ねると、CHIHIROが「本当にいつも騒がしいんです」と笑顔で答えた。HIYOも「すごく明るい方が多い。私は静岡の学校に通いながら練習に参加している。行ける時も限られる中、皆さん優しくしてくださる。場の空気が本当にいい。楽しいです」と続いた。

(写真 ©Anker XEED)
チームをまとめるディレクターのPEETについては、CHIHIROは「チームのお父さん」と表す。
「優しい方ですが、ここぞの場面でキュッと締めてくださる。そこにはすべて愛がある。私たちはD.LEAGUEという舞台で勝ちに向かっていく。そこを大事にしつつ、よりよいチームになれるように力を尽くしてくださっている。ひとつの家族として、お父さんが引っ張ってくれています」
HIYOは「PEETさんの言葉、ひとつひとつが胸にグッとくる。CHIHIROちゃんと同じになっちゃうけど、愛のある方で、チームのお父さんだと思います」と語った。
チームにはワックを主ジャンルとするダンサーがCHIHIROをはじめ5人、ブレイキンが大野愛地、HIYOら6人。あとはポッピンが2人、ロッキンが1人、ソウルが1人だ。ワックとブレイキンを中心とした構成になると予想される。
リーダーを務めるCHIHIROは言う。
「私の胸にはいつもALT-RHYTHMがいる。アルトリで学んだことがたくさんある。クリエイションやチームづくりをディレクターの永井直也くんがリーダーの時から、その背中を見てきた。今のチームでも生かしていこうと思っています」
チーム名が変わっても、背負い、継承していくものがある。
チームの公式YouTubeでCHIHIROは、「リーグでやり残したことがある」という発言をしていた。それについて訊くと、「結果を残すことです」と答えた。
「D.LEAGUEという舞台は、自分が今まで挑戦してきたものと全く違う。そこで結果を残さないと“卒業できない”と思ったんです。それが、自分のやり残したことです」
HIYOは目標を「第一にCS優勝です。やるからには本気ですし、やるからには勝ちたい。常に上を目指し、ハングリー精神を持ち続けていたい」と言葉に力を込めた。隣でそれを聞いたCHIHIROは「素晴らしい」とリアクション。そして、こうも。「この新しいチームでまずCSに行くことは大きなハードルだと感じています。でも、私は可能だと感じていますし、“やらなきゃいけない”とも思っています。それに加え、チームで海外に行きたい。海外の方から“Anker XEED、来てくれ!”と呼ばれるようなチームになりたいです」
10月6日の開幕戦はCHANGE RAPTURES(チェンジ ラプチャーズ)と戦う。メンバーはCHIHIRO、MEME、RYO-TA、健世、ANNA GAL POPPER、ARATA、大和、Wizzardの8人で臨む。一発目のエースはWizzardだ。ジャンルを超越し、高いスキルで相手を圧倒するAnker XEED。見るものの想像を超越するショーを披露するのか、初陣から目が離せない。
(文・写真/杉浦泰介)