21日、「バレーボール世界最終予選」(女子)が東京体育館で行なわれ、日本は第4戦でドミニカ共和国と対戦した。、第2セットこそ高いブロックに阻まれて奪われたものの、多彩な攻撃で第3、4セットを連取し勝利した。これで開幕から4連勝の日本は、北京五輪に王手をかけた。
(写真:勝利を喜ぶ柳本ジャパン)
日本 3−1 ドミニカ共和国
(25−21、18−25、25−16、25−21)
 柳本ジャパンにとっては一度も負けたことのない相手だが、この試合も決して楽ではなかった。第1セット、日本は序盤、WS高橋みゆきのストレート攻撃が功を奏しリードを奪うも、ドミニカも得意の高い打点から繰り出す強烈なスパイクで応戦。試合は接戦となった。

 WS栗原恵が苦しい場面できっちりスパイクを決めるなど、中盤以降、一度もリードを許すことなく攻め続けた日本。必死に食らいつくドミニカをなんとか振り切り、第1セットを先取した。

 ところが、第2セットで番狂わせが起こった。MB杉山祥子の速攻で1ポイント目を奪った日本だが、その後は跳躍力のあるドミニカに次々とスパイクがブロックされ、思うような攻撃ができない。逆に、相手に大量リードを許すかたちとなった。

(写真:この試合もチーム最多得点をあげたWS高橋) 柳本晶一監督はこの悪い流れを変えようと、途中でMB大村加奈子を投入した。その大村の活躍などで終盤に日本は流れをつかみかける。WS木村沙織やWS高橋のスパイクが決まり、追い上げをはかったが、時すでに遅し。最後は日本のミスでドミニカに25点目が入り、セットカウントを1−1とされた。

 しかし、どんな苦しい状況でも決して慌てずに、すぐに修正できる力があるのが、今大会の柳本ジャパンの強さだ。この試合も、10分間のインターバルで完全に切り替えていた。

「強打ばかりでなく、相手はミスも多い。その打ち損じを取りこぼしている。強打は捨て、コンビが崩れての軟攻を狙え」
 柳本監督の指示通り、日本は第3セット、ドミニカのミスにつけこむように本来の拾ってつなぐバレーでリズムをつかんだ。日本の粘り強さに翻弄したのか、ドミニカは徐々に集中力を欠いたプレーを見せ始めた。中盤以降、流れは完全に日本に傾き、最後はWS高橋のブロックの合間を抜く技ありのスパイクがドミニカのコートに突き刺さり、日本は25−16の大量リードで、このセットを奪った。

 続く第4セットはS竹下のサーブが冴え渡った。緩急のついたサーブにドミニカのレシーブが乱れ、得意の強打が影を潜めた。一方、日本は栗原、木村、高橋のサイド攻撃が炸裂。ドミニカも粘りを見せたが、日本は冷静にその反撃をかわし、最後は第3セットに続いて再び高橋の強烈なスパイクで決めた。
(写真:サーブでレシーブを崩したS竹下)

 開幕から怒涛の4連勝を飾った日本。これで23日の韓国戦に勝てば、2大会連続となる北京五輪の切符を手にする。毎試合、壮絶な戦いが展開される韓国戦。だが、柳本ジャパンは一度も黒星を喫していない。奇しくも4年前、韓国戦で2大会ぶりの五輪出場を決めた柳本ジャパン。その再現となるか――。永遠のライバルに快勝し、北京五輪への弾みとしたいところだ。

(写真:斎藤寿子)