二宮: 仁志さんはお酒はほぼ毎日?
仁志: だいたい毎晩、飲んでいますね。最初の一杯はビールですけど、その後は焼酎も多いです。

二宮: 今回はそば焼酎「雲海」をご用意しました。雲海酒造のある宮崎は巨人時代に毎年、キャンプを張っていた場所ですね。
仁志: そば焼酎「雲海」も飲んだことがありますよ。爽やかですっきりした味わいが好みですね。キャンプ中も毎日のように宮崎の焼酎を楽しんでいました。宿舎の近くにラーメン屋さんがあって、夜、そこにスタッフや仲のいいマスコミ関係者と一緒に行くんです。

二宮: 青島にあるラーメン屋ですね。
仁志: そうです。遅くまでトレーニングをしていると、ホテルの食事の時間が終わってしまうことがある。ラーメンを食べながら、焼酎片手に話をするのは、いい息抜きにもなりました。

二宮: 今回はそば焼酎「雲海」をSoba&Sodaにしてみました。いかがですか。
仁志: おいしいですね。ソーダで割ると、香りも引き立つし、味わいもフルーティーになる感じがします。どんな人でも飲みやすそうですね。

 神経を使った選手交代

二宮: この夏、仁志さんは日本代表侍ジャパンの12U代表監督に就任し、小学生を率いてフィリピンでのアジア選手権に出場しました。
仁志: 軟式野球の大会で、非常にいい経験ができましたね。と同時に結果は台湾に敗れての準優勝。どうすれば勝てたのか、自分の中では課題の残る大会にもなりました。今回、一緒にやった子どもたちの中から、将来、プロ野球選手になるような人材が出てくればうれしいです。

二宮: 選手選考はどのようなかたちで実施したんですか。
仁志: 全日本軟式野球連盟の各都道府県支部からの推薦に加えて、インターネットで一般公募もしました。プレー動画を投稿してもらって、その映像を元に選考したんです。一般公募は50メートル走7.3秒以下、球速115キロ以上、遠投70メートル以上といた条件があって、僕が小学生の時だったら、絶対に受からなかったですね(笑)。

二宮: スコアを見ると初戦のインドネシアには20−0、地元のフィリピンには44−0、シンガポールには41−0と圧勝でした。
仁志: まだまだアジアの中ではレベルの格差は大きいなと実感しました。少年野球の環境が整っているのは、日本、韓国、台湾くらい。軟式野球は連打での得点が入りにくいものですが、四球やエラーが絡んで、相手が勝手に自滅するかたちで大差がつきましたね。

二宮: どんなにリードしていても、ピッチャーの球数制限のルールがあったり、控え選手をいかに起用するかで、神経を使うことも多かったのでは?
仁志: そうですね。しかもメンバーが15人と限られているので、ピッチャーが他のポジションをしたり、その逆をやってもらう必要が出てきます。だから、このピッチャーが代わる時には誰がどのポジションに入るかを事前に決めた上で試合に臨んでいました。プロ野球のように、パッと直感で選手交代をしていたら混乱してしまいます。

二宮: 韓国とは3−0、台湾とは3−7とやっと野球らしいスコアになりました。韓国、台湾の子どもたちのレベルはどう感じましたか。
仁志: 韓国は少年野球でも硬式が盛んなようで、軟式に関しては少しレベルが落ちますね。一方、台湾は小学校から体育の専門学校があって、その中のチームが出てくる。まず見た目の体格が違って、キャッチボールひとつとっても送球の勢いが違う。それでも、どうにかして勝てる方法はなかったのか。いまだにいろいろと考えていますね。

 大事な試合こそ選手を信頼

二宮: 仁志さんにとって初の監督経験で、しかも子どもたちが相手。最初は慣れない部分もあったのでは?
仁志: 小学生にどう接したらいいのか。そこから悩みましたね。日本で合宿と強化試合をして大会に臨んだのですが、大勝した3試合でようやく感じがつかめてきました。

二宮: 指揮を執る上で、心がけていたことは?
仁志: たとえ子どもが相手でも選手を信頼することですね。合宿から本番、そして強豪の韓国、台湾戦と段階を踏む中で、その信頼度は高まっていかないといけない。100%の信頼をもって選手を送り出さないと、自分の決断があやふやになる。それが大事な試合では命取りになるんです。ところが、実際には切羽詰まった場面になると、選手を信じられない監督も多い。それで普段はやらない作戦や選手起用をして裏目に出てしまう。

二宮: 確かにその通りですね。大事な試合では勝負手を打つこともあるでしょう。ただ、その前には入念な準備をした上で、選手との信頼関係ができていないとうまくいかない。
仁志: 監督が選手を信頼しなければ、選手も監督を信頼できない。納得できないままプレーさせても、決していい結果は出ません。

二宮: 保護者の方もいらっしゃいますから、配慮することも多かったでしょう?
仁志: 今回に関しては保護者との接触はなるべく避け、サポートを受けなくてもいいような体制をつくりました。最初のミーティングの時に、保護者の方にもそのことは伝えました。子どもたちには自分たちのことは自分たちでする習慣を身につけてほしかったのです。海外だと大変なこともあるでしょうが、それもこの先の人生においては役立つと思いました。

二宮: 教育の観点からも、あえて親離れをさせたと?
仁志: はい。食事ひとつとっても、日本と海外では違う。だからといって、親から好きなものをもらって食べていては、何のためにフィリピンまで来ているのかわからない。保護者の方が、何かしてやりたいと子どもを思う気持ちはよくわかります。でも選手たちは侍ジャパンとして国を代表してきている。その部分でも一線は引いておかないといけないと思いました。

二宮: 子どもたちは試合を重ねるごとに成長するといいます。短期間でグッと伸びた選手もいたのでは?
仁志: 本当に選手たちは日に日にたくましくなりましたね。最初は動きも固くて自信なさげだったのが、一戦一戦良くなっていく。選手のキャラクターも個性的で、キャプテンを中心にまとまって、いいチームになりました。

二宮: また機会があれば、子どもたちを率いてみたいですか。
仁志: 今回の経験を、ぜひ生かしたいですね。プロで指揮を執るのも大変でしょうが、子どもたちを指導するのは大きな責任がある。こちらの方針が一貫していないと、彼らを誤った方向に導いてしまう危険性がありますからね。プロなら、指示に逆らって自分のやり方でやることもできるでしょうが、子どもたちはそうはいかない。方針がブレることは絶対にないように意識していました。

 「感じ」を伝える

二宮: 少年時代に培ったものが基礎になりますから、間違ったことは教えられない。その意味ではプロのコーチ以上に難しい役割ですね。
仁志: 僕は選手にアドバイスする際に、心がけていることがあります。それは必ず「感じ」を入れること。こうすればこうなるという科学的な理論はあっても、選手の感覚は人によって異なる。だから、イメージやフィーリングを伝えることが大切なんです。たとえば「上からバットを出せ」と言われたら、選手は本当にバットを振り下ろそうとするでしょう。でも、実際問題、これではボールをうまくとらえることはできない。それを「上からバットを出す感じで」と伝えたら、それぞれの感覚でイメージしやすい。

二宮: ただ、まだ経験の浅い子どもたちだと、そのイメージをつかんでもらうのに一苦労でしょう?
仁志: だから、スイングの軌道とか一部分だけを取り上げて選手に話をしても理解できない。全体像を見て、バランスをとりながら指導していくことが大事でしょうね。点と点をつないでいって、ひとつの線になるように教えていくことが重要です。

二宮: バッティングもピッチングもフィールディングも、すべて動きは連動しているもの。1箇所だけいじっても良くならないというわけですね。
仁志: 昔、守備を教わった時に、お手本になる選手の捕球体勢の写真を見せられて、「こうやって捕るんだ」と言われたことがありました。でも、守備は連続写真のようにつながっています。その1コマだけマネできても上達しません。エラーをするのは、その瞬間にミスがあるのではなく、前の動作に原因がある。もしかしたら動き出す前の備えや心構えにもスキがあったのかもしれない。その原因を突き止めて、指摘してあげるのが指導者の仕事だと考えています。

二宮: 特に子どもの場合、大きな可能性を秘めている。早くから欠点を直そうとするあまり、角を矯めて牛を殺すことになっては本末転倒です。
仁志: 何が欠点で、何が特長なのか、この見極めは簡単ではありません。そもそもプロの選手は平均値から飛び抜けているからこそトップに立てる。最近の少年野球を見ていると、小さい頃からチーム内での役割を固定されてしまう。それが、せっかくの才能を削ってしまうのではないかと危惧しています。

二宮: その意味で、コーチの役割は自らの指導理論を押し付けるのではなく、“見極め屋”“気づかせ屋”であるべきなのでしょうね。
仁志: 選手たちには、それぞれ“取扱説明書”があると思うんです。意識的であれ、無意識であれ、その取説通りに体を動かせる人間が一流のプロになれる。取説に何が書いてあるかは自分自身で見つけるしかない。年齢によっても変化しますから、長くプレーするということは、絶えず取説探しをしているようなものですね。

仁志敏久(にし・としひさ)
1971年10月4日、茨城県生まれ。常総学院高では1年夏に甲子園準優勝。2、3年夏にも甲子園に出場した。早稲田大では4年春に当時リーグ最多タイ記録の1シーズン6本塁打をマーク。日本生命を経て、96年にドラフト2位で巨人に入団した。同年、新人王に輝くと、翌年よりセカンドにコンバートされ、99年からは4年連続でゴールデングラブ賞を獲得した。2007年から横浜(現DeNA)に移籍。10年3月に米独立リーグに挑戦し、同年6月に現役を引退した。日本での通算成績は1587試合、打率.268、1591安打、154本塁打、541打点。現在は解説者として活躍しながら、ジュニア育成のための野球教室などを積極的に行う。この6月からは侍ジャパンの12U代表監督に就任。11月の2014SUZUKI日米野球では侍ジャパンの内野守備走塁コーチを務める。



日本初の本格そば焼酎「雲海」。時代とともに歩み続ける「雲海」は、厳選されたそばと、宮崎最北・五ヶ瀬の豊かな自然が育んだ清冽な水で丁寧に造りあげた深い味わい、すっきりとした甘さと爽やかな香りが特徴の本格そば焼酎です。ソーダで割ることで華やかな甘い香りが際立ちます。
提供/雲海酒造株式会社

<対談協力>
旭鮨総本店 新百合ヶ丘本館
 旭鮨総本店は関東近郊に38店舗。新百合ヶ丘本館は店内は洋風なつくりで鮨屋なのにカウンターがなく、鮨、和食、洋食と専門の板前、コックを揃えており、和洋折衷のコース料理がオススメです。週末夜はピアノの生演奏もあり、贅沢な雰囲気で食事が楽しめます。小田急線新百合ヶ丘駅南口にも別館があり、こちらはカウンターとお座席で鮨を堪能できます。

神奈川県川崎市麻生区万福寺1−15−12(小田急線新百合ヶ丘駅北口徒歩3分)
TEL:050-5798-4402
営業時間:
月〜金 11:30〜15:00(L.O.14:30)  
      16:30〜22:30(L.O.21:30)
土日祝 11:30〜22:30(L.O.21:00)

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◎クイズ◎
 今回、仁志敏久さんと楽しんだお酒の名前は?

 お酒は20歳になってから。
 お酒は楽しく適量を。
 飲酒運転は絶対にやめましょう。
 妊娠中や授乳期の飲酒はお控えください。

(構成:石田洋之)


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