「愛顔(えがお)つなぐ えひめ国体」まで、あと2年と迫ってきた。国体を盛り上げる上で、地元勢の活躍は欠かせない。愛媛県の競技力向上対策本部では昨年度からスポーツ専門員制度を設け、各競技で3年後に上位入賞を狙える選手たちを13名採用した。今年度は引き続き活動するメンバーも含め、専門員が25名に増加。各専門員は自身のトレーニングを積みながら、県勢を育成、強化する役割も担う。
 今年度、辞令を交付されたのは以下の選手たち。それぞれ県の競技力対策本部や県下の高校に配属され、指導にあたる。

水泳: 有間健
サッカー: 中野圭
ホッケー: 輕尾誠、逢沢優
バレーボール 庄司憲右
体操: 出口諒財、杉本健太郎
バスケットボール: 瀬戸将軍、武村栞
セーリング: 工藤輝
ハンドボール: 木村あい
自転車: 柴崎俊祐
ソフトテニス: 森田知尋
相撲: 由留部圭祐
フェンシング: 森美里、野里崇有、北村直之
ソフトボール: 齋藤将平
バドミントン: 関谷真由
カヌー: 小松正治、多田羅英花
空手道: 本田哲也
なぎなた: 長澤美咲
スケート: 土田愛、郷亜里砂

 カヌーの小松は静水面に設けられた直線コースを漕いでタイムを競うスプリント種目を専門とする。昨年の仁川アジア大会ではカヤックシングル200メートルで銅メダルを獲得するなど、将来が期待される23歳だ。

 宮城県出身の小松だが、カヌーは日本ではマイナー競技ゆえ、活動資金を集めるのに苦労していた。そんな時、代表で指導する尾野藤直樹コーチから、愛媛県のスポーツ専門員制度を紹介してもらった。
「パドルなどの用具代を出していただいたり、お金の面では心配する必要がなくなった。競技に集中できるようになりました」
 昨年7月にスポーツ専門員として採用されてからの変化を本人はそう語る。心置きなくトレーニングに打ち込めた成果がアジアでの好成績につながったというわけだ。

 代表での活動がない時期には愛媛でカヌーを始めたばかりの中学生、高校生を指導する。
「まだ全国レベルとは言えませんが、2年後には楽しみな選手も出てきています。僕が彼らと一緒に乗ることでモチベーションを上げたい」

 この23日からはリオデジャネイロ五輪予選を兼ねた世界選手権(8月、イタリア・ミラノ)へ参戦する日本代表を決定する選考レースに出場する。この世界選手権で入賞するか、11月にインドネシアで開催されるアジアカヌースプリント選手権大会で優勝すると、五輪切符を得られる。

「パワーは世界レベルまで来ていると感じています。あとは、スピードを持続させられれば、タイムは伸びる。えひめ国体では得意の200メートルでは絶対に負けられない。500メートルでも上位を目指します」
 オリンピアンとして、国体を盛り上げる。水面の先のゴールへ小松は一直線に突き進む。

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(石田洋之)

(このコーナーでは2017年の「愛顔つなぐ えひめ国体」に向けた愛媛県やダイキのスポーツ活動について、毎月1回レポートします)


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