桜の季節を迎え、各競技ともシーズンが本格化しつつある。ダイキに所属するボートの武田大作は17日から愛知県で開催された中日本レガッタに参戦。ダイキジュニアゴルフスクールでは高校1年の岡山史弥が「紀の国わかやま国体」に向けた少年男子愛媛県代表の選考会に出場した。またダイキ弓道部は5月1日の住吉大社遠的大会(大阪)、3日の全日本弓道大会(京都)に参加する。国体出場、そして好成績を収めて実りの秋にすべく取り組んでいる選手たちの春を紹介する。
(写真:中日本レガッタでは直前に右ヒザを痛めるアクシデントがありながら、2位に入った武田)
<ボート武田、競争と経験でトップ選手育成>

 ボート界の第一人者は今季も選手と県ボート協会強化部長の二束のわらじを履いて活動する。
「愛顔(えがお)つなぐ、えひめ国体」まで、残り2年。強化部長としての最大のテーマは成年の充実だ。

「昨年は競技別2位に入り、成果は出てきていますが、まだまだ現状では確実に勝てる戦力ではない。いい選手をひとりでもふたりでも迎え入れて高いレベルで競争させたいと考えています」

 武田は選手としてレースに参加しながら、強化部長としても他の選手たちの漕ぎに目を光らせている。最強の集団から、最強の選手を選ぶ。それが理想のスタイルだ。今年は成年での合同合宿の機会を増やし、国体を視野に入れたクルーでの練習や、個々の課題を与える場を設ける。

 また毎年メンバーが入れ替わる少年の発掘にも注力する。
「運動能力に優れた子は各競技で取り合いになっています。選手の確保は難しくなっているのが実情です」
 まずはボートに乗ってもらわなければ、競技に取り組むきっかけはつくれない。武田は県内を中心に講演やイベントを開いてきた。今後もジュニア世代がボートに触れる機会を増やしたい考えだ。

 さらに国体を想定し、今回の中日本レガッタでは初の試みとして、高校の有力選手で愛媛県選抜クルーを結成し、レースに出場してもらった。
「高校年代で学校の枠を超え、県単位で出場するのは珍しいことでしょう。でも、県の代表としてレースを経験することは結果はどうであれ、最高の練習になる。自分たちの実力を知ることで、各学校でのトレーニングも変わってくることを期待しています」

 えひめ国体では競技別1位を目指すだけでなく、これを契機に、愛媛から日本を背負って立つ人材を輩出したいと武田は考えている。
「競争し、経験を積むことで選手は成長していきます。地元開催で選手のモチベーションは高いだけに、より上を目指せるように、こちらもサポートしていきたい」
“ポスト武田”を県内から育てるのも、重要な任務となる。

<弓道、練習量増加で今年こそ国体へ>

 6年ぶりの国体出場。これが弓道部に課せられた今年の至上命題だ。すでに国体に向けた県予選はスタートしており、まずは代表4枠のダイキ勢独占を狙う。

 この冬場、部員たちは例年以上に「矢数をこなす」ことに重点を置いてきた。1カ月の目標は1200本から1500本に。練習量を増やしたことで、中心選手の北風磨理は「体力がついてきて、弓が安定してきた」と効果を実感している。

 この春からは新人も入部した。入社2年目の山下花凜だ。山下は宇和島東高で弓道を始め、高校2年時には全国大会出場経験もある。ダイキ入社後は店舗勤務で一時、弓から離れていたが、実績を買われてメンバーに加わった。

「練習量もレベルも高校時代とは全然違う。少しでも追いつくことが目標です」と山下は殊勝に語るが、北風は「とてもヤル気がある子なので、みんなにいい刺激を与えている」と部内の変化を明かす。

 今年は国体出場をかけた四国ブロック予選が愛媛県で開催される。地の利も生かし、悲願の的を射抜きたいところだ。
「絶対行くぞという気持ちで取り組んでいます。後ろ向きになったらいい結果は出ない。今年は大丈夫と信じています」
 北風はじめ、部員たちは前をしっかりと見据えて的に向かっている。

<ジュニアゴルフ、地道に高みを>

 開校7年目に入ったダイキジュニアゴルフスクールは、2年連続の国体選手輩出を目指す。昨年は女子で竹下桃夏が県代表入りを果たした。

「ゴルフはまず自分との戦いです。スコアを1ストローク、2ストロークでも伸ばすことが結果につながってきます」
 江口武志監督は生徒たちに、さらなる高みを求めている。開校から年数が経ち、小学校から通い始めた生徒も、中学、高校に入り、ワンランク上へのステップアップが必要な時期だ。

「ゴルフを始めたばかりの頃は一気に伸びていきますが、この段階に入ると少しずつレベルを上げていくしかない。より地道な取り組みが大事になってくるんです」

 この冬場は、体力づくりや技術向上のみならず、練習に対する意識面も生徒たちに指導した。
「周りの選手が力をつけているのに、同じことをやっていても上回れません。意識や考え方が変わったからといって、すぐ結果に結びつくわけではありませんが、高い次元で自ら練習に臨む習慣を身につけてほしいと考えています」

 この18日、19日には高校に進学した岡山史弥が少年男子での国体出場へ選考会に参加した。結果は6位で最終選考会(4位まで)に進めなかったが、2日間のトータルスコアは150と決して悪くなかった。

「予想以上に少年男子のレベルは上がっています。昨年よりパットの精度が上がり、飛距離も出てきていますから、今回見つかった課題を次につなげてほしいですね」
 女子の国体予選はこれから。夏には小中学生大会や、全日本ジュニアゴルフ選手権につながる四国予選も開催される。生徒たちは一打一打、確実にそれぞれのカップを狙ってショットを放つ。 

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関連リンク>>公益財団法人 大亀スポーツ振興財団

(石田洋之)

(このコーナーでは2017年の「愛顔つなぐ えひめ国体」に向けた愛媛県やダイキのスポーツ活動について、毎月1回レポートします)


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