4日、「バレーボール世界最終予選」(男子)が東京体育館で行なわれ、日本は第4戦で同じアジア勢のタイと対戦。第1セットこそ接戦となったものの、第2、第3セットは圧倒的な力を見せつけて、今大会初のストレート勝ちを収めた。これで日本は通算成績を3勝1敗とした。
 第3試合では豪州が韓国にフルセットの末に破れ、通算成績を2勝2敗としたため、日本がアジア勢の1位(全体の2位)に浮上している。
(写真:WS石島のサーブが流れを変えた)

日本 3−0 タイ
(25−23、25−14、25−16)
 第1セット、日本はかたさからか、なかなかリズムに乗れず、序盤はタイにリードを奪われた。その悪い流れを吹っ切るきっかけとなったのがWS石島雄介のサーブだった。11−11と同点の場面で石島が強烈なジャンプサーブを放った。タイのWSキッティクン・シーウッタウォンがレシーブを試みるも、ボールはそのままスピードを維持しながら後ろにはじかれた。あまりの速さに、会場は騒然となったほどだ。

 その後はWS山本隆弘のスパイクが次々と決まり、得点を重ねていく日本は、MB松本慶彦の速攻、WS越川優のブロックでセットポイントをつかんだ。ところが、タイに3連続ポイントを奪われ、1点差まで詰め寄られた。このままタイブレークに持ち込まれるかと思われたが、最後はWS越川がしっかりと決めて、日本が第1セットを先取する。

(写真:見事なトスワークを見せたS朝長)
 第2セット、第3セットは、日本の独擅場となった。
「センター線を使いこなすのは宇佐美大輔より朝長の方がうまい」
植田辰哉監督が全幅の信頼を寄せて送り出した初スタメンのS朝長孝介が、山村宏太、松本の両センターを効果的に使う見事なトスワークを披露。これが守備にもいい流れを呼び込み、徐々にブロックが機能し始める。さらに、サーブでもMB松本、WS越川、WS山本がエースを奪うなど、完全に日本が主導権を握った。

 タイは得点源のWSワンチャイ・タブゼッセットが肩を故障していたことに加え、集中力がなくなったのか、第2セット以降はミスを多発。徐々に第1セットのような粘りは影を潜めていった。第3セット、日本のマッチポイントを迎えた場面でも、タイは痛恨のサービスミスを犯す。結局、日本が第2、第3セットともに大差をつけて圧勝した。

 明後日6日(金)には、昨年のアジア選手権で優勝し、アジアチャンピオンに輝いた豪州と対戦する。北京五輪に行くためには絶対に倒さなければならない相手だが、日本はアジア選手権、W杯で連敗を喫している。アジア選手権ではフルセットにまでもつれこんだ接戦となったが、その後のW杯ではストレートで敗れている。果たして、平均身長200メートル近い豪州相手に、日本はどう戦うのか。
 アジア1位の座を争う直接対決。植田ジャパンにとって、正念場となりそうだ。