北京五輪に出場するサッカー女子日本代表(なでしこジャパン)とU−23日本代表の壮行試合の日程が決まり、13日、JFAハウスで記者会見が行われた。男女とも7月24日に兵庫・ホームズスタジアム神戸でオーストラリア代表と、7月29日には「キリンチャレンジ2008」と銘打ってアルゼンチン代表と東京・国立競技場で対戦する。
(写真:左から田嶋JFA専務理事、三宅キリンビール代表取締役社長、U−23日本代表反町監督、なでしこジャパン佐々木監督)
 北京五輪への大事な最終調整の相手に、日本はあえて強豪を選んだ。
 オーストラリアU−23代表はアジア地区最終予選を無敗で突破している。国内でプレーするメンバーが多いが、オーバーエイジ(OA)枠では英・プレミアリーグでプレーするスター選手が加入することも考えられる。女子代表はアジア最終予選で敗退し北京五輪は不参加。先日の東アジア選手権でなでしこジャパンと対戦し3−0で日本が勝利している。

 アルゼンチンU−23代表は前回アテネ大会金メダルチーム。いわずと知れた南米の強豪であり、北京五輪でも2連覇を狙える存在だ。U−23代表の最大の魅力は、なんといってもメッシ(バルセロナ)、アグエロ(A・マドリード)を中心とした攻撃力だろう。その他にも欧州で活躍している選手が多数おり、OA枠でリケルメ(ボカ・ジュニオールス/MF)、マスチェラーノ(リバプール/MF)、エインセ(R・マドリー)の参加を発表している。女子代表も南米最終予選ではブラジル等を相手に、無敗で五輪へコマを進めた。

 なでしこジャパン佐々木則夫監督(写真)は会見で「オーストラリア代表は(五輪で対戦する優勝候補)ノルウェー代表を、アルゼンチン代表はニュージーランド代表を想定しての戦いとなる」と語った。「試合だけでなく会場間での移動などについても五輪本番へ向けてシュミレーションしていきたい。良い準備をして本番では一番いい色のメダルを目指す」。指揮官はオリンピックへの足がかりとしてこの2試合を最大限活用する構えだ。また代表選考については「現在のベストと思えるメンバーを選考し、(五輪登録枠である)18名以上を7月の合宿に参加させ余力をもって本番に臨めるようにしたい」との方針を示した。

 一方、U−23日本代表反町康治監督(写真)は「両チームとも五輪に参加するチームなので、本番に近い緊張感をもって試合に臨みたい」と意気込みを語った。

 オーストラリア代表については「彼らは(予選で激突する)アメリカ代表のような強靭な肉体を持っている。日本と同地区のチームなので、アジアの地位を確立するためにも格好の相手だ」と五輪のプレマッチ以に、アジアのライバルと戦う試合の意義を強調した。
アルゼンチン代表については「ご承知の通りヨーロッパで活躍する選手を多く揃える世界のトップを狙うチームだ。代表への誇りも高く、精神的な面でも学べるモノが多い」と相手を高く評価。
「本番直前に世界のトップを相手に試合ができるのは、弱い代表とやるよりベターだ。自分たちの力がどこまで通用するか見てみたい」と対戦に期待を寄せた。

 注目が集まっているOA枠については「それを言ったら明日の新聞がすごい事になるからね」。「みなさんの好きなように書いてください」と明言を避けた。ただ、「OAを採用すれば7月初めの合宿、もしくは7月の試合からチームに合流させたい」とも語り、OA選手合流のスケジュールが具体化していることを示唆した。

 男女五輪日本代表にとってはオリンピック開幕2週間前にチームの完成度を測る重要な試合となる。本番で上位進出を目指す上でもいい形でこの2試合に臨み、大きな自信をもって北京へ乗り込みたい。


<国際親善試合>
◇7月24日(木)
なでしこジャパン  × オーストラリア女子代表    16:00キックオフ
U−23日本代表  × U−23オーストラリア代表   19:00キックオフ
兵庫・ホームズスタジアム神戸

<キリンチャレンジカップ2008>
◇7月29日(火)
なでしこジャパン  × アルゼンチン女子代表     16:00キックオフ
U−23日本代表  × U−23アルゼンチン代表   19:20キックオフ
東京・国立競技場