桜庭、衝撃KO負けでミドル級GPベスト4進出ならず――。
「DREAM.4 ミドル級グランプリ2008 2ndROUND」が6月15日、神奈川・横浜アリーナで行われた。GP2回戦に挑んだ桜庭和志(Laughter7)は、“猛獣”メルヴィン・マヌーフ(オランダ)の猛攻を受け、1R1分30秒KO負けした。同GPはマヌーフ、ホナウド・ジャカレイ(ブラジル)、ゼルグ“弁慶”ガレシック(クロアチア)、ゲガール・ムサシ(オランダ)の4人が勝ち上がった。
 今大会の中で行われたライト級GP2回戦の青木真也(パラエストラ東京)と永田克彦(新日本プロレスNEW JAPAN FACTORY)の一戦は、青木が1R5分12秒、フットチョークで一本勝ちを収め、7月21日に行われる同GP準決勝進出を決めた。
(写真:マヌーフ(右)の猛攻を受ける桜庭(左))
 この日のメインイベントとなった桜庭とマヌーフの一戦。互いに相手の出方を待つ静かな立ち上がりとなったが、先に仕掛けたマヌーフが強烈なハイキックで桜庭を倒すと、その後も猛攻の手を休めず、一方的な展開となる。パンチを浴び続ける桜庭は全く反撃できず、1分30秒、レフェリーが試合を止めた。
 勝ったマヌーフは「尊敬する桜庭選手に勝てて嬉しい。“伝説”の格闘家を倒したことで、自分も伝説になる第一歩となったのはないか」と喜びを語ったが、「まだまだこれから。自分が欲しいのは(GPの)ベルト。(ベスト4が揃ったが)相手が誰でも関係ない。自分はベルトを獲ることに集中している」と、すぐに自身がベスト4に勝ち残ったGPへと意識を向けた。
 敗れた桜庭は、試合後、左腕尺骨骨折の疑いで病院に直行したため、ノーコメント。笹原圭一イベントプロデューサーによると、試合前からひざや手の指の怪我があり万全ではなかったという。9月23日のDREAM.6(さいたまスーパーアリーナ)で行われるミドル級GP準決勝のリザーブマッチへの桜庭の出場の可能性について質問が出ると、笹原イベントプロデューサーは「可能性はあるが、リザーブマッチのイメージはない。桜庭選手が参戦するとしたら、別のストーリーかなと。いろいろなアイデアを考えたい」と話した。

 ゼルグ“弁慶”ガレシック(クロアチア/チーム・トロージャン)と金泰泳(日本/正道会館)の一戦は、開始1分が過ぎたところでゼルグの攻撃に金が右ひじを脱臼。試合続行が不可能となり、1R1分05秒、ゼルグのTKO勝利となった。
 ホナウド・ジャカレイ(ブラジル/ブラザ柔術)とジェイソン“メイヘム”ミラー(米国/チーム・メイヘム・ミラー)の対戦は、見ごたえのある激しい攻防となったが、判定3−0でジャカレイが勝利。ケガール・ムサシ(オランダ/team Mousasi/Red Devil International)も同じく判定3−0でユン・ドンシク(韓国/チーム ユン)を下し、準決勝進出を決めた。

(写真:永田に完勝し決勝ラウンド進出を決めた青木(右))
 ライト級グランプリ2回戦の最後の一戦となった青木×永田は、序盤から青木がペースを掴み、2度にわたってテークダウンを奪う。永田はパワーで返そうとするが、青木はじっくりと攻め、1R5分12秒、フットチョーク で一本勝ちを収めた。
 青木は試合後、「減量から体重を戻せるようになったので、フィジカル的にもパワー負けはしなかった。完全に(永田を)封じ込めました。最近、一本勝ちしていなかったので自信になった。これで7月(GP準決勝)に続くことができます」と笑顔で喜びを語った。
 青木の勝ち上がりを受け、休憩明けには、7月21日「DREAM.5」で行われるライト級グランプリ決勝ラウンドの組み合わせ抽選会が行われ、準決勝の対戦カードは、青木×宇野薫(和術慧舟會東京本部)、エディ・アルバレス(米国/ファイト・ファクトリー)×川尻達也(日本/T−BLOOD)にそれぞれ決定した。
 日本人が全滅したミドル級とは対照的に、ライト級では3人の日本人ファイターが勝ち残った。7月21日、果たしてベルトは誰の手に渡るのか――。


全試合結果は以下の通り。

<第1試合> ※ライト級グランプリ2回戦
○青木真也(日本/パラエストラ東京)
1R5分12秒 フットチョーク
×永田克彦(日本/新日本プロレス NEW JAPAN FACTORY)

<第2試合> ※ヘビー級 ワンマッチ
○アリスター・オーフレイム(オランダ/ゴールデン・グローリー)
1R0分36秒 KO
×イ・テヒョン(韓国/Team Aegis)

<第3試合> ※ライトヘビー級 ワンマッチ
○ハレック・グレイシー(ブラジル/グレイシー柔術アカデミー)
1R3分02秒 腕ひしぎ逆十字固め
×ガジエフ・アワウディン(ロシア/SKアブソリュート・ロシア)

<第4試合> ※フェザー級 ワンマッチ
○所英男(日本/チームゼスト)
2R判定 3−0
×ダレン・ウエノヤマ(米国/ハウフ・グレイシシー柔術アカデミー)

<第5試合> ※ミドル級トーナメント2回戦
○ケガール・ムサシ(オランダ/team Mousasi/Red Devil International)
2R判定 3−0
×ユン・ドンシク(韓国/チーム ユン)

<第6試合> ※ミドル級トーナメント2回戦
○ゼルグ“弁慶”ガレシック(クロアチア/チーム・トロージャン)
1R1分05秒 レフェリーストップ
×金泰泳(日本/正道会館)

<第7試合> ※ミドル級トーナメント2回戦
○ホナウド・ジャカレイ(ブラジル/ブラザ柔術)
2R判定 3−0
×ジェイソン“メイヘム”ミラー(米国/チーム・メイヘム・ミラー)

<第8試合 ミドル級トーナメント2回戦>
○メルヴィン・マヌーフ((オランダ/ショー・タイム)
1R1分30秒 KO 
×桜庭和志(日本/LAUGHTER7)