7月7日、「K-1 WORLD MAX 2008 FINAL8」が日本武道館で開催された。この日勝利を収め、決勝大会(10月1日、日本武道館)に進出したのは魔裟斗(シルバーウルフ)、佐藤嘉洋(フルキャスト/名古屋JKファクトリー)、アンディ・サワー(シュートボクシング オランダ)、アルトゥール・キシェンコ(キャプテン オデッサ)の4選手。この結果、準決勝の組み合わせは魔裟斗対佐藤、サワー対キシェンコに決定した。
(写真:パンチの連打でドラゴを圧倒する魔裟斗)
 メーンに登場した魔裟斗は判定(3−0)でドラゴ(ショータイム)を退けた。魔裟斗は序盤、左右のワンツーからのローキックのコンビネーションで主導権を握る。ドラゴのカウンターにヒヤリとする場面もあったが、終始攻め続けて勝利をあげた。魔裟斗は、「今日はKOすると決めていたので、全然ダメ」と判定決着に反省。しかし、決勝大会については、「(ガードの固いドラゴ戦で)サワー戦の想定ができた。10月は2試合しなくてはいけないので、夏のトレーニングで鍛えなおします」と強気な発言が飛び出した。“MAXのカリスマ”は王座奪還に照準を絞ったようだ。

 この日会場を一番沸かせたのは佐藤だった。佐藤は1Rからブアカーオ・ポー.プラムック(ポー.プラムックジム)のストレートに圧倒され、ローキックを返すのがやっと。2Rも連打をまとめて倒しにかかるブアカーオに圧されるが、パンチで応戦する場面も見られた。そして続く3R。2004、2006年MAX王者に異変が起きる。蓄積したローキックのダメージと攻め疲れから動きが止まったのだ。その瞬間、無防備なところに佐藤の右ストレートが炸裂。ブアカーオは前のめりに崩れ落ちた。“3度目の正直”で宿敵を倒した佐藤は、「1Rは様子を見て、2Rから攻めて、3Rにラッシュをかけるという作戦通りだった」と勝因を語った。さらに、「優勝した賞金で父親が経営する喫茶店を改装したい。いや、する。もう予定に入れます」と誇らしげな表情を浮かべた。10月、佐藤は悲願の“魔裟斗超え”、そして“世界獲り”に挑む。
(写真:ブアカーオと果敢に打ち合う佐藤)

 前回王者のサワーは、ウォーレン・スティーブルマンズ(ボスジム)に苦戦するも、順当にベスト4に駒を進めた。サワーはスティーブルマンズのパンチにロープを背負う場面も見られたが、ローキックで局面を打開するなど、経験をいかした貫録勝ちだった。

 一方、城戸康裕(谷山ジム)のシンデレラストーリーはベスト8で終幕となった。キシェンコはパンチとローキックのコンビネーション、卓越した防御テクニックで城戸を完封。日本王者の野望を打ち砕いた。

 その他の試合結果は以下のとおり。

<オープニングファイト(1)>
○デニス・テリシャ(ベラルーシ/チヌック)
2R1分16秒 KO
×卜部弘嵩(西山道場)

<オープニングファイト(2)>
○才賀紀左衛門(大誠塾)
2R1分39秒 KO
×タイロン・ヴァン・ウィック(オーストラリア/ファイブリングス道場)

<オープニングファイト(3)>
○アルビアール・リマ(カーボヴェルデ共和国/チームスーパープロ)
2R終了後、TKO ドクターストップ
×マーク・ヴォーゲル(ドイツ/ゴールデングローリージム)

<第1試合>
○大渡博之(正道会館)
1R1分53秒 TKO ドクターストップ
×MASAKI(Target)

<第2試合>
○アルバート・クラウス(オランダ/チーム・スーパープロ)
3R終了後、TKO ドクターストップ
×マイク・ザンビデス(ギリシャ/Zambidis Club)

<第3試合>※FINAL8
○アルトゥール・キシェンコ(ウクライナ/キャプテン オデッサ)
3R判定 3−0
×城戸康裕(谷山ジム) 

<第4試合>※FINAL8
○アンディ・サワー(オランダ/シュートボクシング オランダ)
3R判定 3−0
×ウォーレン・スティーブルマンズ(南アフリカ/ボスジム)

<第5試合>※60キロ契約
○上松大輔(チームドラゴン)
1R2分52秒 KO
×エディ・ユアザパビュチス(リトアニア/トルネード)

<第6試合>※60キロ契約
○コンスタンティン・トリシン(ウクライナ/キャプテン)
3R判定2−0
×大宮司進(シルバーウルフ) 

<第7試合>※60キロ契約
○大月晴明(AJKF)
3R2分59秒 KO
×デビッド・ドゥージャ(フランス/ファウコンジム)

<第8試合>
○アンドレ・ジダ(ブラジル/ユニバーシダテ・ダ・ルタ(U.D. L))
1R1分43秒 KO
×レミギウス・モリカビュチス(リトアニア/リングス・リトアニア)

<第9試合>※FINAL8
○佐藤嘉洋(フルキャスト/名古屋JKファクトリー)
3R1分50秒 KO
×ブアカーオ・ポー.プラムック(タイ/ポー.プラムックジム)

<第10試合>※FINAL8
○魔裟斗(シルバーウルフ)
3R判定3−0
×ドラゴ(アルメニア/ショータイム)