10日、北京五輪前哨戦である女子バレーボールワールドグランプリ決勝リーグが横浜アリーナで行なわれ、日本は世界ランキング4位の米国と対戦。フルセットにまでもつれこむ善戦を演じたが、あと一歩及ばず勝利を手にすることができなかった。
(写真:得意のクイックで貢献した最年長のMB多治見)

米国 3−2 日本
(26−28、25−20、22−25、25−20、15−11)
 大接戦を制し、第1セットを先取した日本だったが、第2セットはミスから自滅し、米国に奪われてしまった。

 セットカウント1−1で迎えた第3セット、日本はMB多治見麻子、MB荒木絵里香の両センターが攻守にわたって活躍。両者ともに大事な場面でクイック、ブロックを効果的に決め、日本が試合の主導権を握った。24−17と大きくリードを広げてセットポイントを迎える。

 このまま一気にいくかと思われたが、ここからミスが相次ぎ、まさかの5連続失点を喫した。この悪い流れを断ち切ったのはエース栗原恵だった。米国のブロックの体勢が出来上がる前に打ち切られた栗原のスパイクが相手コートに鋭く突き刺ささり、このセットを奪った。

 米国戦勝利に王手をかけた日本だったが、第4セットは惜しくも落とし、試合はフルセットにまでもつれた。

 最終セット、序盤は米国のミスで頭一つ抜け、日本がリードを奪った。だが、日本も連続失点を繰り返し、すぐに追いつかれてしまう。中盤にはWS栗原のバックアタックが連続で決まるなど日本も粘りを見せたが、最後は米国の高さとパワーにやられ、連敗を喫した。

 ミスが多く、自ら勝機を逃した試合だったが、柳本晶一監督は手ごたえもつかんだという。
「負けはしたが、以前のような差を感じてはいない。この決勝ラウンドでは時間差やクロス攻撃など、日本が得意とする攻撃の絡みを出し切れていない。今日は米国はベストメンバーだった。北京五輪では攻撃の絡みを出せば、勝てるのではないか」

 米国は北京五輪で日本が初戦で対戦する相手。本番の舞台でこの試合の雪辱を果たし、メダル獲得に勢いをつけたいところだ。

 明日の第3戦は世界ランキング2位のイタリアと対戦する日本。昨年のW杯全勝優勝チームにどこまでくらいつくことができるのか。まずは、ミスをしないことが最低条件となりそうだ。