日本サッカー協会(JFA)は、8月の北京オリンピックに出場する代表メンバー18名を発表した。オーバーエイジ(OA)枠は利用せず、23歳以下のメンバーで構成されたチームになった。先日の強化合宿に参加していなかった香川真人(C大阪)、長友佑都(FC東京)が選出された一方、合宿に参加していた梅崎司(浦和)、興梠慎三(鹿島アントラーズ)らが最終登録から外れた。 
(写真:18選手を発表する反町監督)
 反町康治監督は「北京で日本らしいサッカーを表現できる18名を選出した。目標はグループリーグを突破すること。これに向けて全神経をむけてやっていきたい」と予選リーグ3試合に集中して戦いに挑むことを宣言した。

 選手選考については「W杯などの国際大会に比べ、18名という格段に少ない人数の中で選手を決めるのは非常に難しかった」と胸の内を明かした。最終的に決め手となったのは「ポジションの融通性が効き、かつ暑さに強く3試合に全力で戦える者」。五輪予選で主力として活躍した水野晃樹(セルティック)、青山直晃(清水)らは外れた一方、フル代表を経験している香川や長友、内田篤人(鹿島)が選出された。「アジア予選を戦ったのに北京に行けない選手もおり辛い思いをしたが、サッカーは前を向いて進んでいかなければならない」と、指揮官は過去には捉われず現段階でのベストを選出したことを強調した。

 注目されているFW陣で選ばれたのは4人だ。監督はそれぞれの選手の特長をあげ、「森本はペナルティーエリア内での嗅覚。豊田はポストプレーだけでなくスピードとゴール前での危険な存在感。岡崎は1.5列目もできる器用さ。李は予選開始時に違う国籍だった選手ということもあり、日の丸に対する思いも強い。クラブでも活躍の割合が高くなっているので、いい流れを代表にもたらして欲しい」と北京への期待を口にした。

 18名の代表メンバーが出揃った反町JAPANだが、出場選手の決定にあたりOA枠の問題が最後まで尾を引いた。大久保嘉人(神戸)はクラブとの交渉が難航し、遠藤保仁(G大阪)は体調不良で招集を断念した。ドタバタの末に19歳から23歳の選手のみで北京の地へ乗り込むことになったという感は否めない。

 しかし反町監督は「このチームができた当初から、U−23世代の選手を伸ばそうという考えがあった。その結果がこのメンバーで本番に臨むということだ」と本番への自信をみせた。目標のグループリーグ突破を果たし、シドニー五輪以来の決勝トーナメント進出はできるのか。本番中も含めたこれからの若い選手達の成長が、オリンピックの結果を大きく左右することになる。

 今後、五輪代表は7月22日に集結し、24日には神戸でU−23オーストラリア代表と、29日には東京でU−23アルゼンチン代表との壮行試合が予定されている。オリンピックでは開会式前の8月7日に天津で、1次リーグB組アメリカとの初戦に臨む。

【五輪日本代表メンバー18人】

GK
山本海人(清水エスパルス)
西川周作(大分トリニータ)
DF
水本裕貴(京都サンガ)
長友佑都(FC東京)
森重真人(大分トリニータ)
安田理大(ガンバ大阪)
内田篤人(鹿島アントラーズ)
吉田麻也(名古屋グランパス)
MF
本田拓也(清水エスパルス)
谷口博之(川崎フロンターレ)
梶山陽平(FC東京)
細貝萌(浦和レッズ)
本田圭佑(VVVフェンロ)
香川真司(セレッソ大阪)
FW
豊田順平(モンテディオ山形)
李忠成(柏レイソル)
岡崎慎司(清水エスパルス)
森本貴幸(カターニャ)

【五輪日程】
グループリーグ
8月7日(木) アメリカ戦
8月10日(日) ナイジェリア戦
8月13日(水) オランダ戦