24日、北京五輪に出場するサッカーU−23日本代表がU−23オーストラリア代表との壮行試合を行った。日本は前半34分に先制を許したが、直後の40分に香川真司(C大阪)のゴールで同点に追いつく。後半は右SB内田篤人(鹿島)を中心にいい形は作るもののなかなかゴールを奪えなかったが、終了間際の88分に岡崎慎司(清水)のヘッドが決まり逆転勝ちを収めた。反町ジャパンは29日にもアテネ五輪優勝のアルゼンチン代表と壮行試合を行い、五輪本番に臨む。

 終了間際の勝ち越し弾で逆転勝ち(ホムスタ)
日本代表 2−1 オーストラリア代表
【得点】
[日]香川真司(40分)、岡崎慎司(88分)
[豪]アーチー・トンプソン(34分)
 日本は前半から香川、MF本田圭祐(VVV)らを中心にボールを支配していく。12分には香川が鋭いドリブルで突破を試み、堪らず相手DFがファウルで阻止する場面を作るなど積極的な攻撃を仕掛けた。18分にも森本貴幸(カターニャ)がミドルシュートを放つが、GKの正面を突き得点には至らなかった。

 逆に主導権を握りゲームを支配し始めたところで、DFのミスからピンチを招いてしまう。33分、吉田麻也(名古屋)のクリアボールがFWニキタ・ルカビチャに奪われゴール前に持ち込まれる。DFを引きつけられ、右サイドに走りこんだFWアーチー・トンプソンへパスが通りこれをなんなく決められる。ミスから与えた、嫌な形での失点だった。

 この悪い流れを断ち切る同点弾は43分に生まれた。右サイドから内田がドリブルで上がり、PA内の李忠成(柏)へパス。これを李がスルーし、森本の足元へ。森本が落ち着いて落としたボールを走り込んできた香川が冷静にゴールへ流し込んだ。相手DFを完全に崩すゴールで追いつき、試合を折り返した。

 後半開始早々には、李に代わって出場したMF谷口博之(川崎)が中盤から前線への積極的な飛び出しをみせチャンスを演出する。47分には右サイドを突破した内田からのクロスをニアに飛び込みシュートするが、ボールは惜しくもポストをかすめた。68分にも内田がクリアボールをダイレクトでボレーシュート。惜しくもゴール右側に外れたが、前半同様積極的な姿勢が多く見られた。

 押し気味に試合を進めながら得点が奪えず時間は過ぎていく。このまま終了するかと思われた矢先の88分、決勝点が生まれた。左サイドでボールをキープした谷口からクロスが上がり、岡崎が相手DFの前に飛び込みヘッドであわせる。後ろへ反らすように放ったシュートはバウンドしながらゴール右隅へ吸い込まれた。

 逆転勝利という最高の形で終えた反町監督は「本番を想定し、後半が勝負だと思っていた。サイドでいい形が90分間作り続けられたのはよかった」と語った。監督の言葉通り、再三チャンスを作り出したのは内田と左SBの長友佑都(FC東京)、そして途中出場のDF安田理大(G大阪)だった。サイド攻撃から試合を組みたてるという監督の方針通りの展開となった。

 しかし本番へ向けての課題も見えた。18名のメンバーが決定して間もないだけに、連係不足の場面が何度か見受けられた。前半失点も吉田とDF水本裕貴の連係ミスから招いたものだった。後半にはGKと味方DF2人が交錯する場面もあった。本番まで約2週間。果たしてどこまで修正できるのか。反町監督の手腕が問われそうだ。

 29日には前回五輪優勝のアルゼンチンとの対戦が控えている。この試合で成功したサイドからの組み立てが強豪国にも通用するのか。目標のグループリーグ突破を果たすためにも、優勝候補を相手に善戦以上の戦いを展開したい。

<日本代表出場メンバー>

GK
山本海人
DF
水本裕貴
吉田麻也
長友佑都
内田篤人
→安田理大(82分)
MF
本田拓也
細貝萌
→梶山陽平(53分)
本田圭佑
→岡崎慎司(73分)
香川真司
FW
李忠成
→谷口博之(46分)
森本貴幸
→豊田順平(63分)

 また、女子日本代表も同じくオーストラリア女子代表と戦い、3ゴールをあげて快勝した。守備陣もオーストラリアに攻撃の形をほとんど作らせることなく、90分間を無失点と安定していた。なでしこジャパンも29日にアルゼンチン女子代表との対戦が控えている。

 澤が代表通算69ゴール目を挙げる (ホムスタ)
女子日本代表 3−0 女子オーストラリア代表
【得点】
[日]澤穂希(43分)、永里優希(46分)、丸山桂里奈(85分)

<女子日本代表出場メンバー>

GK
福元美穂
→海堀あゆみ(79分)
DF
池田浩美
柳田美幸
安藤梢
→丸山桂里奈(84分)
近賀ゆかり
→矢野喬子(72分)
岩清水梓
MF
澤穂希
宮間あや
阪口夢穂
FW
大野忍
永里優季