北京五輪に出場する野球日本代表メンバー24選手が2日、一同に集結し、本番に向けた練習を川崎市の読売ジャイアンツ球場でスタートさせた。練習開始前には前回のアテネ大会で監督を務めた長嶋茂雄巨人軍終身名誉監督がグラウンドに登場。「頑張ってください。最後まで頑張ってください。レッツゴー」と選手たちを激励した。
(写真:星野監督と選手をチェックする長嶋氏)
 初日とあって練習メニューはオーソドックスな内容。ウォーミングアップとキャッチボールで体をほぐした後、投手陣と内野陣が連携プレーを確認した。
 その後、野手陣はフリーバッティングに加え、全員が交代でバント練習を行った。1点を争う展開が予想される国際大会で小技は必要不可欠。宮本慎也や荒木雅博らが、的当てゲームのように打球を正確に転がす一方で、初めてジャパンのユニホームに袖を通したG.G.佐藤はボールの勢いを殺せず、苦労していた。「バントから何からやらなくてはいけない」と4番候補の新井貴浩も真剣な表情でバントに取り組み、つなぐ意識を再確認させる練習となった。

 一方、静かだったのがブルペンだ。不調ながら代表入りした上原浩治に対し、「合宿で立ち直らせる」と星野仙一監督が豪語していたこともあり、本人の投球練習が注目されたが、この日はキャッチボールやランニングなどに終始した。結局、前日までオールスターゲームに登板したメンバーも多かったせいか、プルペン入りした投手は1人もいなかった。「ブルペン(練習)がなかったから、さみしかった」。これにはさすがの指揮官も肩透かしをくらったような表情を浮かべていた。

 約2時間半の練習を終え、星野監督は「ペナントレース、オールスターと続いて、選手たちは一息ついている状態。コンディションさえ整えてくれれば技量はみんな持っている。この合宿中にいいコンディションにしてくれれば」と語った。宿舎に戻ってからは夜間ミーティングが開かれ、対戦する各国の特徴やデータが選手たちに叩き込まれる。監督によると、移動のバスの中でも韓国の代表選手の映像が流されていたという。初戦のキューバ戦まで残り11日。限られた時間をムダにすることなく、選手たちは本番に臨む。

 同地での練習は5日まで行われ、最終日には巨人2軍との練習試合が組まれている。1日休日を挟んだ7日からは東京ドームに場所を移し、8日はパ・リーグ選抜チーム、9日はセ・リーグ選抜チームとの強化試合が予定されている。