柔道の女子63キロ級で、アテネ五輪金メダリストの谷本歩実(コマツ)が、決勝でリュシ・ドコス(フランス)に内またで一本勝ちし、2大会連続のオール一本勝ちで金メダルを獲得した。
 谷本は初戦の2回戦ではバレット(ベネズエラ)に横四方固め、準々決勝で孔慈英(韓国)を上四方固め、準決勝でアトランタ五輪金メダリストのゴンザレス(キューバ)を崩れ上四方固めと、3戦全てで寝技による一本勝ちをおさめ、決勝進出を決めた。

 決勝のドコス戦。激しい組み手争いの中、谷本は積極的に前に出る。1分20秒過ぎ、ドコスが大内刈りにきたところを切り返し、得意の内またで一本。05年世界選手権の決勝で一本負けを喫した相手に、鮮やかな一本勝ちでリベンジを果たすとともに、2大会連続のオール一本勝ちでの金メダル獲得という快挙を達成した。

 男子81キロ級の小野卓志(了徳寺学園職)は、初戦の2回戦でシドニー五輪金、昨年の世界選手権覇者のチアゴ・カミロ(ブラジル)に優勢負けを喫した。カミロが準々決勝で敗れたため、敗者復活戦出場はならずメダル獲得も逃した。

谷本歩実選手のコメント
「すごく嬉しい。『嬉しい』の言葉に尽きます。たくさんの人に支えてもらってここまできた。怪我をして、周りの人たちのありがたみがわかった。ここまで来られたのは、自分一人の力じゃない。本当に皆さん、ありがとうございました。一本をとる柔道を私はずっと教えてもらってきた。これからの子供たちにも一本をとる柔道を伝えていきたいと思っていたので、よかったです」