12日、サッカー女子のグループリーグ6試合が行われた。グループGの日本はノルウェーを5−1で下し、決勝トーナメント進出を決めた。

【女子サッカー】 シドニー王者相手に5ゴール奪う
◇グループG
日本代表 5−1 ノルウェー代表
【得点】
[日]近賀ゆかり(31分)、オウンゴール(51分)、大野忍(52分)、澤穂希(71分)、原歩(83分)
[ノ]G・グヌッツェン(27分)
 決勝トーナメントへはE−G組の各上位2チームと、各グループ3位3チームのうち、成績上位2チームが進出する。この試合に先立って行われたF組ではドイツが北朝鮮を破り、北朝鮮が勝ち点3の3位でグループリーグを終えていた。ここまで勝ち点1を手にしている日本は、勝てば勝ち点で北朝鮮を上回り、決勝トーナメント進出が決まる重要な試合に臨むことになった。

 前半から日本は両サイドのMF宮間あや、安藤梢を中心に何度もノルウェー陣内に攻め込む。世界ランク5位と格上の相手に互角以上の戦いをみせた。

 しかし、先制点を挙げたのは押し込まれていたノルウェーだった。前半27分、ペナルティーエリア近くでフィアネ・クリステンセンがボールを拾うと、すかさず日本ゴール前にスルーパスを入れる。そこへスピードに乗って走りこんできたG・クヌッツェンがディフェンスラインの間を抜け、右足でシュート。これがゴール左隅に決まり、与えたくなかった先制点を献上する。

 だがその4分後、日本が鮮やかな同点弾を叩き込む。前半31分、再三チャンスを作り出していた左サイドの宮間からゴール前にクロスボールが上がる。ここでゴール前に走りこんだのは、右サイドDF近賀ゆかりだった。長い距離を走りながら、ゴール前で体を投げ出し、クロスボールに右足を合わせる。見事なボレーシュートが相手ゴールに決まり、失点直後に追いつく理想的な展開となった。

 前半終了間際にも、安藤が強烈なミドルシュートを放つが、GKのファインセーブでゴールならず。このまま前半は1−1で折り返した。終始ゲームを支配する展開で、後半へいい流れを掴んでハーフタイムを迎えた。

 前半の勢いそのままに攻めに入った後半開始早々、日本はノルウェーゴールをこじ開ける。後半6分、左45度からの距離のあるフリーキックのチャンス。宮間が直接ゴールを狙うが、低いボールは相手DFにあたりクリア。ボールは左サイドに流れるが、このボールをFW大野忍が拾いクロスを上げる。ゴール前の混戦から安藤が詰めたところで相手DFがクリアミス。そのままボールはゴールに吸い込まれ、オウンゴールという幸運な形で日本が勝ち越した。

 さらにその1分後、左サイドからのカウンターで大野がペナルティーエリアに入ったところで思い切りよくシュートを放つ。相手DFも必死に足を延ばすもののクリアできずに、コースが変わり、ボールはゴール上のバーを叩き、そのままゴールに吸い込まれる。これでリードは2点に広がった。

 2点のリードを奪った後も、日本はボールを支配しつづける。北欧の強豪国は、すでに決勝トーナメント進出を決めていることもあってか、高い位置からプレッシャーをかけることもなかった。

 さらに攻め続けた日本は、後半26分にもMF澤穂希が、後半38分には途中出場のFW原歩がゴールを奪い5−1。その後ノルウェーの反撃をしっかりと守りきり、グループリーグ最終戦でゴールラッシュの大勝を収めた。これでグループG3位が確定。F組3位の北朝鮮の勝ち点3を上回る勝ち点4となり、アテネ大会に続き決勝トーナメント進出を決めた。

 なでしこジャパンは15日に、E組1位とベスト4進出をかけて対戦する。
  
<日本代表出場メンバー>

GK
福元美穂
DF
近賀ゆかり
池田浩美
岩清水梓
矢野喬子
MF
安藤梢
宮間あや
澤穂希
阪口夢穂
→加藤與惠(87分)
FW
大野忍
→丸山桂里奈(84分)
永里優季
→原歩(77分)