12日、都内ホテルにて北京への出発を13日に控えた北京五輪トライアスロン日本代表選手壮行会が開催され、山本良介(トヨタ車体)、田山寛豪(日本流通経済大学職員・チームブレイブ)、庭田清美(アシックス・ザバス)、上田藍(シャクリー・グリーンタワー・稲毛インター)、井出樹里(トーシンパートナーズ・チームケンズ)の代表5選手、山根英紀チームリーダー、山倉紀子総務担当らが五輪本番での健闘を誓った。
(写真:五輪代表の(左から)山本選手、田山選手、上田選手、井出選手、庭田選手)
 すでに北京入りしている猪谷千春・日本トライアスロン連合(JTU)会長に代わり、主催者を代表して三宅義信JTU副会長が「トライアスロンは五輪の歴史は浅いが、金メダルを獲る心はどの競技も同じ。精一杯やったと思えるレースをしてほしい」と選手たちにエールを送った。
 北京五輪のトライアスロン競技は、女子が8月18日(月)、男子が19日のともに午前10時(日本時間午前11時)にスタートする。

代表選手のコメントは以下のとおり。

山本良介(トヨタ車体)
「アテネ五輪の壮行会には補欠として参加した。5人の代表選手が壇上に上がる姿は今でも目に焼き付いている。今回、日本代表になれたが、代表になることが目標ではない。代表に決まってからも多くの人に支えられて練習を積んできた。悔いのない最高の準備ができた。あとは気持ちを盛り上げて本番で戦うだけだと思っている。支えてくれた人たちへ感謝の気持ちを持ってスタートに立ちたい」

田山寛豪(日本流通経済大学職員・チームブレイブ)
「やることはやってきた。メダルの可能性はゼロではない。最後の最後まで自分を信じて、監督・コーチを信じて、支えてくれた人たちを信じて、頑張りたい。ライバルは自分。この4年、人生に『絶対』はないと思うことがたくさんあった。W杯で優勝したいと思っていたが(昨年、W杯エイラート大会で優勝)本当にできるとは思わなかった。今年に入って所属チームの解散も経験した。当たり前と思ってきたことも絶対ではないと学んだ。北京五輪も、スペインのゴメス選手が絶対に勝つと言われているが、絶対はない。自分に(勝利が)くると思っている」

上田藍(シャクリー・グリーンタワー・稲毛インター)
「皆さんの応援が自分の力になっている。7年前から北京五輪を目指してきた。この場に立てることが嬉しい。やることはやってきた。自分を信じて頑張りたい。自分はまだスイムでトップであがる力がない。いかに前の選手につけるかだと思っている。“コバンザメ泳法”を合宿で磨いてきた。私は後半追い上げ型なので最後まで粘り強く走りたい。前半に姿が見えなくても皆さんあきらめずに応援してください。感謝の気持ちで、笑顔でフィニッシュしたい」

井出樹里(トーシンパートナーズ・チームケンズ)
「子どもの頃から五輪で1番になりたいと思ってきた。たくさんの人のおかげでトライアスロンができていることに感謝したい。世界選手権で落車して骨折して、支えてくれる人のありがたさを感じた。それまでは『勝ちたい』という気持ちだけだったが、支えてくれる人たちの喜ぶ顔が見たい、と思うようになった。その気持ちが自分の力になっている」

庭田清美(アシックス・ザバス)
「選手は皆、皆さんの応援を力にして北京に向かえると思う。私は12月に38歳になるが、一回り以上違う女子選手2人と3度目の五輪に出場する。(不調の時期に)選手生命はもうダメなのかなと引退も考えた。何度もくじけそうになって立ち直り、ここまでトライアスロンを続けてきた。トライアスロンを続けてきて『あきらめないこと』が自分の夢を実現するんだと学んだ。トライアスロンに出合えて本当に幸せ。たくさんの方に支えられて感謝している。3回目の五輪は今までとは少し違う気持ち。準備期間は短かったが、調子は上がってきた。今が一番元気。37歳の熱い走りをしたい」