野球の1次リーグが13日スタートし、日本は初戦で前回大会金メダルのキューバと対戦した。日本はエースのダルビッシュ有を先発に立てて勝利を狙ったが、5回途中4失点で降板。攻撃陣も犠飛2本による2点のみに抑えられ、2−4で敗れた。
◇1次リーグ
 デスパイネ、勝ち越しタイムリー
日本代表       2 = 001010000
キューバ代表   4 = 01102000×
勝利投手 ベラ
敗戦投手 ダルビッシュ
セーブ   ラソ

 日本の先発は予想通りダルビッシュ有。キューバはシドニーで銀、アテネで金を獲得したベテラン右腕のベラが先発のマウンドに上がった。日本は直前の強化試合とはオーダーを変え、1番・西岡剛、2番・青木宣親、3番・森野将彦と左の打てるバッターを並べた。

 先制したのはキューバ。2回、1死から6番・ベルにセンターフェンス直撃の大飛球を放たれる。ベルは俊足を飛ばして一気に3塁へ。続くデスパイネには高めに浮いた変化球をセンター前に運ばれ、日本は1点を失った。なおもヒットと死球で全ての塁が埋まったものの、ここはフライ2つを打たせて窮地を脱した。

 反撃したい星野ジャパンは直後の3回、9番に入った先頭の川崎宗則がレフト前にヒットを放って出塁。第1打席ヒットの西岡が初球を叩いてライト線を破る。この無死2、3塁のチャンスで青木がきっちりと犠牲フライを打って同点に追いついた。

 だが、キューバの打線も甘いボールを逃さない。3回裏、先頭のグリエルがあわやフェンスオーバーとなるレフトへの2塁打を放つ。その後、1死3塁となって、セペダがライト前へタイムリー。再び1点を勝ち越された。ダルビッシュは4回も満塁のピンチを招き、毎回のように苦しい投球が続いた。

 日本は5回、先頭の川崎が1、2塁間を破って、2打席連続の出塁を果たす。さらに一死後、青木のヒットと森野の死球で満塁とチャンスを拡大する。ここでバッターは4番の新井。バットをやや短く持って外のボールにあわせ、ライトへ飛球をあげる。これが犠牲フライとなり、再び同点に追いついた。

 しかし、5回を迎えた時点で投球数が100球に近づいたダルビッシュが踏ん張りきれない。先頭打者を四球で歩かせると、恐怖の6番・ベルにストレートを左中間へ運ばれる。無死2、3塁となり、星野仙一監督もたまらず投手の交代を告げた。

 走者を背負う状況でマウンドに上がったのは、成瀬善久。7番・デスパイネに対して、カウント2−0と追い込みながら、レフトの前へ落ちる勝ち越し打を放たれる。二者が生還して、4−2。この試合、初めて日本は2点のビハインドを許した。

ゲームの主導権を握ったキューバは7回から35歳のクローザー、ラソを送り込む。日本は先頭の川崎がこの日3本目のヒットで出塁したものの、西岡がチーム3本目となる併殺打に倒れ、得点をあげられない。

 8、9回も巨体を揺らせて投げ込むラソの変則的なボールをとらえきれず、反撃の糸口をつかめないまま、星野ジャパンは初戦を落とした。日本は14日の第2戦で、アジア予選で戦った台湾と試合を行う。