野球1次リーグ第4戦が行われ、日本は韓国に3−5と接戦を落として2敗目(2勝)を喫した。2−2の同点で迎えた9回、岩瀬仁紀が勝ち越しのタイムリーを浴び、ミスも重なって3点を勝ち越された。
◇1次リーグ
 4番・新井、先制2ランもフイ
韓国代表      5 = 000000203
日本代表      3 = 000002001
勝利投手 尹
敗戦投手 岩瀬
セーブ   鄭大
本塁打   (韓)李大浩2ラン
       (日)新井2ラン

 立ち上がりから試合は投手戦の様相を呈する。日本の先発・和田はアウトコースを丁寧に攻め、初回を三者凡退に抑えれば、韓国先発左腕の金廣鉉は球威で押し、日本の攻撃を3人で終わらせる。

 日本のチャンスは4回、ここまでパーフェクトに抑えられていた金廣鉉から3番・中島裕之が四球を選ぶ。ここで主砲の新井貴浩がセンター前へクリーンヒット。中島が一気に3塁に進み、2死ながら先制のチャンスをつかむ。しかし、5番・稲葉篤紀はバッターの内側から鋭く曲がり落ちるスライダーにバットが空を切った。

 援護がない中、和田は好投をみせる。6回には低めのボールで李宅根からの上位打線を三者連続三振。この圧巻の投球が日本打線に火をつけた。

 6回裏、先頭打者の青木がセンター前ヒットで出塁し、送りバントで1死2塁。ここで韓国ベンチはピッチャーを今季、国内リーグトップの12勝をあげている尹錫にスイッチした。2死後、打席に入ったのは4番・新井。カウント1−1からの3球目だった。甘く入ったスライダーを思い切って振りぬく。白球は鮮やかにレフトスタンドへ飛び込んだ。新井はガッツポーズをしながらダイヤモンドを一周。日本は主砲の2ランで貴重な先制点をたたき出した。

 しかし、韓国も簡単にはゲームを終わらせてくれない。7回、和田が先頭打者を四球で歩かせてしまうと、続く李大浩が高めに浮いたボールを逃さずとらえた。打った瞬間、それと分かる打球がレフトへ舞い上がる。仮設のスタンドの奥深くに突きささる同点2ラン。悔やんでも悔やみきれない失投で試合は振り出しに戻った。

 そして息の詰まるような均衡が破れたのは最終回だった。9回表、韓国の攻撃。まず金東柱が8回からリリーフした岩瀬のスライダーをとらえ、先頭打者で出塁する。前の打席でホームランの李大浩がバントし、ランナーは2塁へ。だが、岩瀬は李晋暎をスライダーで泳がせてレフトフライにしとめる。2死で打席に入ったのはノーヒットの陳甲龍。当たりの出ていないバッターにフルカウントから四球を与えたのが余計だった。

 2死1、2塁となって韓国ベンチは勝負をかける。9番打者に代えて、代打・金賢洙。国内リーグで現在、リーディングヒッターに座る巧打者は左対左の対戦をモノともせず、岩瀬のスライダーをセンター返し。打球はセンターの前に落ち、金東柱が勢いよくホームに滑り込んだ。

 勝ち越し点に落胆したのか、日本は守りのミスを連発する。続く李鍾旭のプッシュバントは小飛球。しかし、サードの村田修一が突っ込んで捕ることができず、記録はタイムリー内野安打。さらに相手が二盗で揺さぶってきたところを捕手の阿部慎之助が悪送球。タイムリーエラーでさらに1点を追加される。2−5。日本には重すぎる3点が入った。

 反撃したい日本は、9回、韓国3番手の韓基周を攻略。前の打席で先制弾を放った新井がライトの頭を越える3塁打で口火を切る。続く稲葉の強烈な当たりがサードのグラブをはじき(記録はエラー)、1点を返す。さらには守備でミスを犯した村田が意地の2塁打。無死2、3塁の大チャンスを迎えた。

 しかし、韓国は左腕の権奕をマウンドに上げて、左打者の阿部をポップフライに打ち取ると、ワンポイントでサイドスローの鄭大へ。この小刻みな継投が成功する。最後は代打の森野将彦がサードゴロに倒れ、万事休す。日本は一打同点の絶好機を生かせなかった。

 1次リーグ前半の4試合を2勝2敗で終えた星野ジャパンは、1日の休養を挟み、18日はカナダと対戦する。