17日に行われた競泳の男子400メートルメドレーリレーで日本(宮下純一、北島康介、藤井拓郎、佐藤久佳)は3分31秒18の日本新記録で3位に入り、銅メダルを獲得した。2泳の平泳ぎ・北島がトップに立つと、バタフライの藤井が2位の好位置をキープ。最終の自由形・佐藤が粘って3位を守りぬいた。日本は2大会連続の銅メダル。
「最後のリレーはメダルをとって帰りたかった」
 今大会限りでの引退かと報じられた北島康介にとっての“ラストスイム”。中国でも注目を集めた“蛙王”がしっかりとチームを引っ張り、2大会連続のメダルを手中におさめた。

 背泳ぎの宮下から引き継いだ時は5番手だった。しかし、飛び込みと同時に力強い泳ぎであっという間に前との差を縮め、順位をあげて3位で50メートルをターン。折り返してからも2冠連覇を達成した圧倒的な強さをみせ、1位で後を託す。

 このいい流れをうまく受け継いだのが藤井だ。「(マイケル・)フェルプス(米国)が隣でビビったが、自分らしいレースができた」。フェルプスには抜かれたものの、慌てることなく伸びのある泳ぎをみせ、2位で最終泳者の佐藤が飛び込んだ。

 佐藤は最初の50メートルでオーストラリアにかわされ、4位・ロシアの追い上げを受ける。しかし、後半もペースを落とすことなく逃げ切った。「プレッシャーはあったが、納得いくレースができた」。アンカーの重圧から解放され、レース後は涙を流した。

「この舞台は夢の舞台。その中で結果を残せたことは幸せです」
 結局、北島が今大会で得たメダルは前回と同じく、金2、銅1。2大会で6個のメダル獲得という快挙を残し、有終の美を飾った。

 なお、このレースを制した米国チームのメンバーだったマイケル・フェルプスは前人未到の8冠(200メートル自由形、100メートルバタフライ、200メートルバタフライ、200メートル個人メドレー、400メートル個人メドレー、400メートルリレー、800メートルリレー、400メートルメドレーリレー)を達成した。これまでは72年のミュンヘン大会でマーク・スピッツ(米国)の7冠が最高。しかも8冠のうち、7つを世界新記録で勝ち取る驚異的な泳ぎをみせた。

 一方、女子400メートルメドレーリレーでは日本(中村礼子、北川麻美、加藤ゆか、上田春佳)は3分59秒54で6位だった。日本の第1泳者は中村。前日の200メートル背泳ぎで銅メダルをとった実力を示し、トップとほとんど並んで平泳ぎの北川に引き継ぐ。しかし、以降は優勝したオーストラリアと2位に入った米国が世界新を大幅に上回るペースで飛ばし、差を広げられた。「もうちょっと(タイムを)早くしてつなげたかった」。日本記録は更新したものの、メダルには及ばず、中西は悔しそうな表情でレースを振り返った。