体操男子種目別決勝で、床運動に出場した内村航平(日体大)は15.575で5位に終わった。内村はラストの3回ひねり宙返りをピタリと決めたものの、途中で難度の高い技を抜かしたことや、2回目のシリーズでの着地ミスが響き、得点が伸びなかった。
 得意の床で今大会3つ目のメダルはならなかった。「団体では銀メダルを取れたのでうれしかったが、個人総合と種目別はミスが出た」。体操界のエースに躍り出た19歳にとって、最後は反省の残る演技となった。
 強豪がミスで崩れる中、優勝したのは20歳の鄒凱(中国)。16.050の高得点をマークした。おそらく次のロンドン五輪でもメダルを争うライバルになるだろう。「今日の経験を4年後のロンドンにつなげて、次はもっと上にいけるように頑張りたい」。演技後の内村はもう先を見据えていた。

 続いて行われたあん馬では冨田洋之(セントラルスポーツ)が登場。15.375で5位だった。冨田はスタートから流れるような演技をみせ、大きなミスもなくフィニッシュまでまとめた。個人総合のつり輪で落下した際に首と肩を痛めた影響が心配されたが、それを全く感じさせなかった。「納得いく演技ができた。自分の力は出し切りました」。冨田は満足そうに演技を振り返った。次は19日の鉄棒に出場する。