18日に行われたトライアスロン女子で、井出樹里(トーシンパートナーズ・チームケンズ)が5位となり、オリンピック史上男女合わせて、日本人初の入賞を果たした。
(写真:5位入賞を果たした井手)
 シドニー大会から正式種目となったトライアスロン。日本女子は、3大会連続出場の庭田清美(アシックス・ザバス)、昨年の日本選手権覇者の上田藍(シャクリー・グリーンタワー・稲毛インター)、トライアスロン競技を2年あまりながら昨年のW杯エイラート大会で2位になった井出樹里(トーシンパートナーズ・チームケンズ)の3選手が出場した。

 第1種目のスイム(1.5キロ)をトップでフィニッシュしたのは、アメリカのローラ・ベネット。井出は4位で通過すると、トランジットで2位に浮上。庭田は、トップと11秒差の14位、上田は同じく27秒差の37位と好位置につく。
 2種目目のバイク(40キロ)の1周目、約30名となったトップ集団に井出、庭田がつく。2周目に入り、第2集団から追い上げた上田が20名ほどになったトップ集団に追いつく。バイク6周回を終え、トップ集団は19名。ここに日本勢3選手がつく健闘を見せる。

 トランジットでエマ・スノーシル(オーストラリア)、アンドレア・ヒューイット(ニュージーランド)の2選手が抜け出し、最終種目のラン(10キロ)へ。やや遅れをとって3名の選手が続き、庭田10位、上田11位、井出13位と大きな差はなく4周回のランをスタート。
 2周回目に入ると、井出が日本人トップに浮上。井出は得意のランで力強い走りを見せ、3周回目には、一時4位に上がる。3位の選手とも差がなく、メダルの期待も高まった井出だったが、最終の4週回目に入ると順位を1つ下げ5位となる。粘りの走りで順位を守った井出は、2時間00分21秒で日本トライアスロン界初の入賞となる5位でゴールした。

 シドニー、アテネと2大会連続で14位に入っている庭田は、2時間00秒51秒で自己最高順位となる9位。上田は、ラン序盤で遅れをとったが最後までしっかりした足取りで走りきり、2時間2分19秒で17位となった。
 ランのリードを保ったスノーシルが、1時間58分27秒で金メダルを獲得した。

井出樹里選手のコメント(JTU発表より)
「北京でのメダルを目指してきた私にとっては、表彰台に上がれなかったことには満足していません。しかし、トライアスロンを本格的にはじめて2年の私が、多くの方たちに支えられてここまでこられました。スタートのポンツーンに立ったとき、『1人ではない』ことを感じましたし、レース中に『樹里』と何度も声をかけられて、それが最後まで自分の背中を押してくれました。その結果としての5位は大変重いものです。皆さんに『ありがとう』とお礼を言いたいです。厳しいレースでしたが、辛さはなく、この場で走れることはうれしいことでした。ラン2周目に5位まで上げた後、3周目でベネット選手をとらえてからモフェット選手を追いましたが、抜けませんでした。最終周の折り返しからも、自分ではスピードをアップしたつもりでしたが、一度は大きく離したベネット選手が、会場に戻ったときに振り向いたらすぐ後ろにいました。これからまた、4年後を目指しますが、まだまだ自分をのばせるところも多いと思います。オリンピック後は、メンバーもレースの展開も変わると思いますし、自分自身でも実力はまだまだと思いますので、また、鍛え直してチャレンジしていきたいと思います」