18日、女子サッカー準決勝が行われ、日本はアメリカに2−4で敗れ決勝進出はならなかった。日本はFW大野忍のゴールで先制したが、前半40分過ぎに2失点を喫し逆転される。さらに後半にも2点を奪われ4失点。終了間際のロスタイムに1点返したものの、実力差を見せつけられての完敗だった。
【女子サッカー】 アメリカ戦初勝利ならず
準々決勝
日本代表 2−4 アメリカ代表
【得点】
[日]大野忍(15分)、荒川恵理子(89分)
[ア] ハクルズ(41分)、チャルプニー(44分)、オーライリー(70分)、ハクルズ(80分)

 オリンピックで初めて準決勝のピッチに立った「なでしこジャパン」こと女子日本代表は、グループリーグで0−1と敗れたアメリカと対戦した。アメリカは前回アテネ大会で金メダルを獲得しており、現在世界ランク1位。女子サッカーの頂点に君臨する最強の相手だ。しかもアメリカとの通算成績は17敗3分けと、過去に勝ち星を挙げたことがない。21戦目の今日、念願の初勝利をあげたいところだった。

 格上相手に苦戦が予想されたが、先制点を挙げたのは日本だった。前半15分、MF宮間あやからの右コーナーキックを米DFが一旦クリアする。そのボールを右サイドのMF近賀ゆかりが拾い、ゴール正面へ低いクロスを上げる。そこで待っていたのは大野。冷静にボールをトラップし、右足でシュートを放つ。見事アメリカゴールに突き刺さり、早い時間で先制点を挙げた。

 しかしここからは、一方的なアメリカペースになる。両サイドからの攻撃でしばしゴール付近まで迫られる苦しい展開。日本もFWの二人にボールを預けようとするが、アメリカDFの強固な守りで、なかなかボールが収まらない。

 そして押し気味のアメリカは前半残り5分過ぎから立て続けに日本ゴールにシュートを叩き込む。1点目は日本の左サイドから、2点目は右サイドから崩されての失点だった。もっとも苦しい時間帯に立て続けにゴールを割られ、1−2でハーフタイムを迎えた。

 後半に入っても日本は流れをつかむことができない。相手の攻撃を耐える時間が多くなっっていった。最終ラインが踏ん張りを見せアメリカの猛攻をしのぐが、追加点を与えるのも時間の問題のように思われた。

 そして、後半35分、右サイドからのクロスボールが、糸を引いたようにそのままゴールマウスに吸い込まれ、2点差となってしまう。その10分後にも同じような形で、右サイドからのクロス気味のシュートが決まる。1−4となりダメ押し点を献上した。ここまでチームを救う好セーブを見せてきたGK福元美穂だったが、大事な場面でさらに2点を奪われてしまった。

 日本も終了間際に途中交代の荒川恵理子が1点を返すが時すでに遅し。2−4で敗れ、決勝進出ならず。アテネでも屈した相手に、オリンピック準決勝という大舞台で借りを返すことはできなかった。

 なでしこジャパンは21日に、銅メダルをかけドイツとの3位決定戦に臨む。
 
<日本代表出場メンバー>

GK
福元美穂
DF
池田浩美
岩清水梓
安藤梢
→原歩(56分)
矢野喬子
→丸山桂里奈(73分)
MF
近賀ゆかり
宮間あや
澤穂希
阪口夢穂
FW
大野忍
→荒川恵理子(71分)
永里優季