野球の1次リーグ最終戦が行われ、日本は延長戦の末、米国に2−4で敗れた。星野ジャパンにとって初体験となるタイブレーク方式で4点を奪われた。この結果、日本は1次リーグ4勝3敗の4位。22日の準決勝は同1位の韓国と対戦することが決まった。
◇1次リーグ
 稲葉、中島のタイムリーも及ばず
米国代表    4 = 000000000 04
日本代表    2 = 000000000 02 (延長11回)
勝利投手 スティーブンス
敗戦投手 岩瀬
セーブ   ウェザース 

 1次リーグ最終戦は、両軍ともに準決勝をにらんでの戦いを進めつつも決め手に欠ける、もどかしいゲームだった。日本は初回、西岡剛が四球で出塁したものの、米国先発右腕のカーヒルのクセ球に快音が聞かれない。米国ベンチは準決勝を見越して3イニングでカミングスに投手をスイッチした。

 一方、日本の先発ダルビッシュ有も2回を投げてマウンドを降りる。150キロを超える速球とストレート、カーブを交え、2イニングを完璧に封じた。決勝トーナメントに向け、いい調整登板となった。

 後を受けて3回からマウンドにあがった田中将大は強打の米国打線をストレートで押す。3回にヒットを1本許したものの、4回、5回は連続で三者凡退。バックのファインプレーにも助けられ、19歳の右腕は快調にゼロを重ねていく。

 日本のチャンスは5回。先頭の4番・新井貴浩がライトへ流し打って、チーム初安打を放つ。セカンドゴロとライトライナーで3塁に進み、迎えたバッターは村田修一。前日の中国戦で凡退し、途中交代させられた悔しさをぶつけたいところだったが、カウント0−3からストライクを取りに来た真ん中のストレートを空振りしてしまう。最後は外に抜いた球を打ち上げ、レフトフライに倒れた。

 逆にピンチを迎えたのは9回表、3番手の川上憲伸は四球と盗塁で走者を2塁に背負う。しかし、試合前まで打率.478の強打者ティフィーを外角低めのストレートでショートゴロに仕留めた。結局、9回を終えて両チーム無得点、2安打ずつ。試合は延長戦にもつれこんだ。

 そして、ついに日本にとって初体験となるタイブレーク方式がスタートする。延長11回、無死1、2塁で日本のマウンドには4番手の岩瀬仁紀。送りバントを予測したのか、初球のストレートが甘く入る。これを右打席のハーデンは見逃さない。打球はセンター前へ抜けるタイムリー。ついに均衡が破れた。

 これで緊張の糸が切れたのか、岩瀬は続くシューホルツ、ブラウンに連打を浴びて、あっという間に3失点。さらに内野ゴロの間に1点を追加され、日本は4点ビハインドの状況に追い込まれた。

 その裏、タイブレーク方式で1、2塁に走者を置き、先頭は2試合安打の出ていない青木。この日も4打席凡退中のヒットメーカーは外のボールに体が開き、空振り三振に倒れる。攻撃が圧倒的に有利なタイブレーク方式で、先頭打者の結果が最終的には勝敗を分けた。

 それでも日本は2死から稲葉、中島が連続タイムリーを放ち、2点を返す。さらに2死満塁。同点、あわよくば逆転サヨナラの場面だ。代打は阿部慎之助。北京ではホームランを放っているが、打率.111と当たっていない。復調の一打を期待する現地のファンの声援もむなしく、最後は力のないポップフライ。日本は消化不良のまま、1次リーグの7試合を終えた。