21日、北京オリンピック女子レスリングで金メダルを獲得した55キロ級の吉田沙保里、63キロ級の伊調馨、銀メダルを獲得した48キロの伊調千春が、所属する綜合警備保障(ALSOK)で、メダル獲得の報告を行なった。注目される今後については、3人に代わって栄和人日本代表コーチが、「(3選手と)相談しながらいつ練習を再開するのか、進退も含めもう少しお時間を頂きたい」と答え、明言を避けた。
(写真:清々しい顔でメダル獲得を報告した(左から)吉田、伊調千春、伊調馨)
 五輪連覇を達成した吉田は、「今年の1月に(W杯で)負けて、オリンピックを2連覇できるか不安があったんですけど、決勝で中国人選手と戦って快勝できたこともあり、最高のオリンピックでした」と喜びを語った。今一番したいことは、「温泉にいってゆっくりしたい」と吉田。しばしの休息期間を経て、10月に東京で開催される世界選手権では女王らしい強い吉田が見られそうだ。

 2大会連続の銀メダルに終わった伊調千春も晴れやかな表情で五輪を振り返った。「最高のオリンピックでした。アテネとは比べ物にならないぐらい、きれいで重みがある銀メダルです。私にとってレスリングを始めてからの22年間は金メダル以上の価値があります。今までレスリングをやってきてよかった」。レスリング選手として全てやり尽したという様子の伊調千春。今後は「大人になってから初めて」(馨)の家族旅行に行く予定だ。

 連覇を果たした伊調馨は「今まで姉妹で2つの金メダルをとることを目標にして、北京はそれをかなえる場所でした。その夢はかなわなかったんですけど、それ以上に輝いたものが手に入り、うれしい気持ちでいっぱいです」と心境を語った。
 ALSOKは試合会場近辺にマンションを用意し、3選手の出身校である中京女子大の栄養士が駐在して食事面をサポートしていたという。特に吉田や伊調馨は海外遠征すると体重が落ちてしまう傾向があり、それを考慮したものだ。伊調馨は「食事ですごく助けられたおかげで金メダルがとれました」と感謝の気持ちを述べた。