大相撲の露鵬(大嶽部屋)と白露山(北の海部屋)が、日本相撲協会の実施した尿検査で大麻に陽性反応を示していた問題で、精密検査でも同様の結果が出たことが分かった。本人はなおも大麻の使用を否定しているが、疑惑はさらに深まる形になった。
 相撲協会は若の鵬(解雇処分)が大麻所持で逮捕された事件を受け、2日の力士会で抜き打ち尿検査を実施。2力士から大麻の陽性反応が出た。検査が簡易キットによるものだったため、世界反ドーピング機関から公認を受けている三菱化学メディエンスに検体を提出し、詳細な検査を依頼していた。

 結果を受け、露鵬は会見を開き、改めて大麻の所持、使用を否定。顧問弁護士が検査用コップを任意で選べなかったことなど、手続き上の不備を指摘した。白露山の師匠でもある北の湖理事長は別の機関での検査を要求した。

 しかし、国際的に認められた検査機関が「クロ」と出した結論が簡単にくつがえるとは思えない。大麻の使用だけで罪に問われることはないが、警視庁も再度、両力士から事情を聞く方針だ。相撲協会は8日に緊急理事会を開催し、この問題への対応を協議する。

 北の湖理事長はこれまで数々の不祥事に対して「責任は(その部屋の)親方にある」との発言を繰り返してきた。その言葉を今度こそ、自らに突きつけなくてはならない。