トリプル世界タイトルマッチ(15日、パシフィコ横浜)で勝利し、王座を獲得したWBC世界スーパーバンタム級王者西岡利晃(帝拳)(写真)、WBA世界スーパーフライ級王者名城信男(六島)が、試合から一夜明けた16日、帝拳ジムで行われた会見で心境を語った。両者の第一声は「疲れた」。その言葉と顔面に刻まれた無数の傷が昨夜の激戦を物語っていた。
 西岡は名門・帝拳ジム所属の日本人選手として、元WBCスーパーライト級王者浜田剛史以来22年ぶりに世界チャンピオンに輝いた。初めての世界挑戦から8年。5度目でようやく掴んだチャンピオンベルトに「まだ実感がないです」と喜びの表情を浮かべた。対戦したナパーポン・ギャティサックチョ−クチャイ(タイ)については、「気持ちの強い選手だった。何発も倒れてもおかしくないパンチが当たったのに向かってきた」と称賛。そして「過去4度の挑戦では気持ちが足りなかったと反省していたので同じ轍を踏まないように、気持ちでは負けないように意識した」と勝因を述べた。会見に同席した浜田も「苦しい場面でも守りにまわらなかった。常に攻める気持ちでいたのが結果に結びついたのだろう」と後輩の戴冠を喜んだ。

 暫定王者となった西岡は正規王者イスラエル・バスケス(メキシコ)との統一戦が規定路線だが、現時点では未定。対戦相手については「誰でもいい。ひとつひとつ防衛していくことが大切」とコメントした。統一戦が実現しない場合、西岡が正規王者に昇格し、来年1月にも日本での防衛戦が組まれる模様だ。

 名城(写真)はWBA世界スーパーフライ級王座決定戦で河野公平(ワタナベ)を2−1の僅差判定で退け、1年4カ月ぶりに同タイトルに返り咲いた。両まぶたを真っ赤に腫らして会見場に現れた名城は、「不満の残る内容」と試合を振り返った。河野が前に出てくることは分かっていながら距離をつぶされて自分のパンチが出せなかったことに納得がいかなかったようだ。「相手のスタイルに合わせるのではなく、自分のスタイルを確立したい。短いリーチを生かした回転力のある連打や踏み込みを強化したい」。プロキャリア13戦と発展途上にある名城は、すでに次戦以降を見据えていた。

 名城の防衛戦は、メキシコで15日(日本時間16日)に行われる同級暫定王者ラファエル・コンセプション(パナマ)とホルヘ・アルセ(メキシコ)の勝者との統一戦が濃厚だ。もし米国で絶大な人気を誇るアルセが勝利すれば、日本人世界王者として初めて米国での防衛戦に臨む可能性が出てくる。名城は「一度は(米国で試合したい)という気持ちはある。でも決まった試合を必死にやるだけ」と冷静に語った。前回は2度目の防衛戦で敗れ、わずか1年足らずで王座から陥落した。“第二期王朝”は長期政権を目指すつもりだ。