16日、「クラブワールドカップ2007」の決勝が横浜総合国際競技場で行われ、欧州代表のミラン(イタリア)が4−2で南米代表のボカ・ジュニアーズ(アルゼンチン)を破って、欧州勢として初優勝した。
◇12月16日、横浜総
ミラン 4−2 ボカ・ジュニアーズ【得点】
[ミ] フィリッポ・インザーギ(21、71分)、アレッサンドロ・ネスタ(50分)、カカ(61分)
[ボ] ロドリゴ・パラシオ(22分)、オウンゴール(85分)
前半は互いに譲らなかった。
先手をとったのはミラン。前半21分、PA左に切れ込んだFWカカのシュートはDFに一度阻まれるも、素早くこぼれ球を拾い、スルーパス。PA右で待ち受けていたインザーギが右足で右隅へ流し込んだ。しかし、ミランの喜びはつかの間だった。22分、左CKのショートコーナーからFWパラシオが頭で決めて、ボカがすぐさま同点に追いついた。
明暗が分かれたのは後半だ。
後半5分、右FKがMFアンブロジーニに当たってこぼれたところをDFネスタが左上隅に突き刺して、ミランが勝ち越す。
「前半は五分だった。後半、ミランの隙を見つけようとしたが、スペースの生かし方が相手の方が巧かった」(ボカのルッソ監督)
ここから、前がかりにならざるを得ないボカの裏をミランが突く。同16分、速攻からカカがPA左でDFマイダナを振り切り、角度のないところから右隅へ技ありの一発。同26分には、カウンターで3対2となった場面、セードルフの右からのパスをカカがつなぎ、PA左のインザーギに左隅へ落ち着いて決めた。
4−1。この時点で試合はほぼ決まった。後半31分にDFカラーゼが一発退場となり、オウンゴールから1点を返されたが、残り時間はパスを回して費やし、タイムアップ。ミランが欧州勢として大会初優勝を飾った。
同時に、4年越しのリベンジを果たした。2003年のインターコンチネンタル杯では他ならぬボカ相手にPK戦の末に涙をのんだ。雪辱を期した今大会は1週間前に来日し、入念な準備をして臨んだ。迎えた決勝、宿敵相手に4ゴールを奪い、名門の誇りを取り戻した。
試合後、1ゴール2アシストのカカは「我々に足りなかったタイトルだ。言葉では言い表せないほど満足している」と喜びを爆発させ、アンチェロッティ監督は「このトロフィーはものすごい満足感を与えてくれる。03年にボカに負けているから、これでリベンジができた」と満足そうな表情で話した。
アンチェロッティ監督の選手起用がずばり当たった。準決勝からスターティングメンバーを3人変更。今大会で初めて先発したインザーギは2ゴールを奪って、勝利の立役者となった。アンチェロッティ監督は「1試合目はジラルディーノ、2試合目は力を蓄えたインザーギを使いたかった。FWの起用法はよかったと思う」と胸を張った。
左サイドバックで安定したプレーを見せたマルディーニもこの試合が初先発。「ヤンクロフスキが準決勝でいいプレーをしたので迷ったが、今回がFIFAの最後の国際大会になるかもしれないから起用した」というアンチェロッティ監督の起用に応えてみせた。
セリエAでは10位と低迷するが、復調のきっかけとなりそうだ。アンチェロッティ監督は「この勝利は2007年シーズンの最終地点。来年の1月から新たなシーズンが始まる。我々はセリエAでもっと頑張らなければならない。この勝利が刺激になる」と力強く話した。
<大会最終順位>【優勝】
ミラン(欧州代表、イタリア)
【準優勝】
ボカ・ジュニアーズ(南米代表、アルゼンチン)
【3位】
浦和レッズ(アジア代表、日本)
【4位】
エトワール・サヘル(アフリカ代表、チュニジア)