16日、「クラブワールドカップ2007」の3位決定戦が横浜総合国際競技場で行われ、アジア代表の浦和レッズ(日本)が2−2で突入したPK戦の末にアフリカ代表のエトワール・サヘル(チュニジア)を破り、3位入賞を果たした。

◇12月16日、横浜総
浦和レッズ 2−2【PK4−2】 エトワール・サヘル
【得点】
[浦] ワシントン(35、70分)
[エ] サブール・フレジュ(4分)、アミヌ・シェルミティ(75分)
 浦和でのラストゲームでワシントンが貴重な2ゴールを挙げた。

 DF闘莉王を故障で欠く浦和は、DF阿部をディフェンスラインの中央にすえた3−5−2。主将のMF山田がトップ下で今大会初先発を果たした。対するエトワールは快足FWシェルミティと187センチの巨漢FWベンディファラーの2トップ。

 浦和にとっては最悪の立ち上がりだった。前半3分、DF坪井がPAで後方からシェルミティを倒し、PKを献上。GK都築はMFフレジュの左隅へのキックを右手で弾いたものの、先制ゴールを決められてしまう。

「先制した後、なぜか我々は下がってしまった」とエトワールのマルシャン監督が語るように、その後は浦和がボールを支配する。しかし、2トップを前線に残し、人数をかけて守るエトワールを崩せない。前線にくさびのボールが入らず、横パスを送る姿が目立つ。

 だが、その沈滞した空気をワシントンが払拭する。MF相馬が助走なしのクロスを挙げると、DFに競り勝ち、頭で左上隅へ豪快に突き刺した。ワシントンは39分にもクロスバー直撃のシュートを放ち、エトワールを脅かす。

 後半に入ると、エトワールに押し込まれたが、ワンチャンスに再びワシントン。FW永井の右サイドからのFKを頭で叩きつけ、ネットを揺らす。ワシントンはゴールすると、そのままサポーターの下へ駆け寄ってユニフォームを脱ぎ、クラブに在籍した2年間の感謝の意を表した。
 
 その後、シェルミティに1点を返されてPK戦に突入したが、ここでも浦和は粘り強かった。1人目のワシントンから4人目のMF細貝まで全員が成功した浦和に対して、エトワールは1人目のMFナフハ、4人目のMFトラウィが失敗。浦和がアジア勢として初となる3位入賞を果たした。

 この日の主役は何といっても2ゴールを挙げたワシントンだった。オジェック監督は「今日の彼には満足している。今日のゲームの基盤を築いてくれた」と賛辞を送り、マルシャン監督も「ワシントンは我々のディフェンスをしのいで、最後はそれを破った」と高く評価。試合後は涙を浮かべ「(サポーターには)色々とお世話になった。(浦和での2年間は)一生忘れない」と語っていた。

◇浦和レッズ出場選手
GK
都築龍太
DF
阿部勇樹
坪井慶介
ネネ
MF
鈴木啓太
長谷部誠
細貝萌
相馬崇人
山田暢久
FW
ワシントン
永井雄一郎