28日、「戦極〜第五陣〜」が代々木第一体育館で開催され、ミドル級グランプリ1回戦に出場した中村和裕(吉田道場)、佐々木有生(GRABAKA)ら4選手が勝利し、準決勝に駒を進めた。メーンに登場したシャンジ・ヒベイロ(グレイシー・ウマイタ/ユニバーシティ・オブ・ジュウジュツ)は杉浦貴(プロレスリングノア)を下し、総合格闘技デビュー戦を白星で飾った。
(写真:チョークスリーパーを極める佐々木)
 ミドル級グランプリ1回戦、佐々木と近藤有己(パンクラスism)の試合は、戦極初の日本人対決、名門ジム対決として注目を集めた。結果は佐々木の1本勝ち。1ラウンドは両者共に攻め手を欠いたが、2ラウンド開始1分過ぎ、佐々木がバックを奪ってあっという間にチョークを極めてみせた。最強寝技軍団の誇りを守った佐々木は試合後、「目標としていた近藤選手に勝ててうれしい。なんとか生き残った」と喜びを語った。

 同じくミドル級グランプリ、1年9カ月ぶりの日本のリングとなった中村はポール・カフーン(ゴールデン・グローリーUK)を判定3−0で破った。中村はライトヘビー級から階級をひとつ落としたことで、スピードが増し、キレのいいパンチをみせた。しかし、試合を優位に進められながらもKOで仕留めきれず課題を残す内容となった。

 また、ライトベビー級ワンマッチで現役世界柔術選手権王者ヒベイロは杉浦をTKOで破った。試合終了まで残り1分をきった3ラウンド4分18秒、ヒベイロはヒザ蹴りの連打を杉浦の顔面に浴びせ、レフェリーストップを呼び込む。ヒベイロのパンチは大振りで単発、世界一の寝技も影を潜めたが、それでもきっちりKO勝利をおさめ、底知れぬポテンシャルの高さをみせつけた。
(写真:ヒベイロはストライカーとしての能力の高さも証明した)

 敗れた杉浦(写真)はフィニッシュのヒザで左目上を10針縫うケガを負った。それでも「グラウンドに持ち込まれないようにする。持ち込まれてもすぐエスケープするということは練習通りできました。総合はもういいんじゃないですか」と笑顔で語るプロレスラーの表情は、強敵相手に熱戦を演じた充実感に包まれていた。

<第1試合>※ライト級
○ホルヘ・マスヴィダル (キューバ/アメリカン・トップチーム)
1R1分57秒 レフェリーストップ
×ライアン・シュルツ(アメリカ/チーム・クエスト)

<第2試合>※ライト級
○國奥麒樹真 (フリー)
3R判定 3−0
×クォン・アソル(韓国/スピリットMC/木浦プライド)

<第3試合>ミドル級グランプリシリーズ
○シアー・バハドゥルザダ (アフガニスタン/ゴールデン・グローリー)
1R22秒 レフェリーストップ
×エヴァンゲリスタ・サイボーグ(ブラジル/シュート・ボクセ・アカデミー)

<第4試合>ミドル級グランプリシリーズ
○ジョルジ・サンチアゴ (ブラジル/アメリカン・トップチーム)
2R3分35秒 肩固め
×ローガン・クラーク(アメリカ/ミネソタ・マーシャル・アーツ・アカデミー)

<第5試合>ミドル級グランプリシリーズ
○中村和裕 (吉田道場)
3R判定 3−0
×ポール・カフーン(イギリス/ゴールデン・グローリーUK)

<第6試合>ミドル級グランプリシリーズ
○佐々木有生 (GRABAKA)
2R1分8秒 チョークスリーパー
×近藤有己(パンクラスism)

<第7試合>※ヘビー級
○キング・モー (アメリカ/チーム・クエスト)
1R2分11秒 レフェリーストップ
×トラビス・ビュー(アメリカ/エリート・パフォーマンス)

<弟8試合>※ライトヘビー級
○シャンジ・ヒベイロ (ブラジル/グレイシー・ウマイタ/ユニバーシティ・オブ・ジュウジュツ)
3R4分18秒 レフェリーストップ
×杉浦貴(プロレスリングノア)