13日、「クラブワールドカップ2007」の準決勝が行われ、欧州代表のミラン(イタリア)が1−0でアジア代表の浦和レッズ(日本)を破って、16日の南米代表ボカ・ジュニアーズとの決勝へ進出した。0−0で迎えた後半22分、MFセードルフが決勝ゴールを挙げた。敗れた浦和は16日の3位決定戦でアフリカ代表のエトワール・サヘルと戦う。

◇12月13日、横浜総
浦和レッズ 0−1 ミラン
【得点】
[ミ] クラレンス・セードルフ(67分)
 1−0という数字以上の差があった。

 浦和の先発は準々決勝のセパハン戦と変わらず、故障が心配されたDF闘莉王も名を連ねた。対するミランは、今季のバロンドール(世界最優秀選手賞)に輝いたFWカカをはじめ、ベストの布陣。4−5−1のワントップには、FWジラルディーノを起用した。

 67005人の大観衆が埋め尽くされた横浜国際総合競技場。ホームの声援に背中を押された浦和は、試合開始から積極的に前へ出る。前半3分にMF長谷部がファーストシュート。対照的にミランは5分にDFネスタがイエローカードをもらうなど硬さが見える。

 しかし、主導権は徐々にミランへと移っていった。21分、MFピルロの無回転のFKがGK都築を襲えば、23分にはカカが中盤で2人をかわしてラストパスを送るなど個の力を発揮。DF闘莉王を中心に守る浦和は、ミランの逸機にも助けられ、前半は0−0で折り返す。

 後半は一方的なミランのペース。MFセードルフやジラルディーノがことごとく好機を逃したが、22分、ついに浦和のゴールをこじあける。PA左、カカがDF坪井をかわして、マイナス気味に折り返すと、走りこんできたMFセードルフが左足で流し込んだ。PA内のプレーながら、カカはせードルフの位置を見極める冷静さが光った。

 1点ビハインドの浦和にゴールを奪い返す力は残されていなかった。後半27分には攻守に渡って奮闘していた闘莉王が負傷交代。故障から復帰したMF山田をトップ下に入れて点を獲りにいったが、決定的な場面はつくれず、試合終了のホイッスルが鳴った。

 スコアこそ1−0だったが、支配率はミランの61%と圧倒された。ミランのアンチェロッティ監督が「(浦和は)信じられないぐらい頑張った」と語ったように浦和は全力で戦ったものの、個の技術、攻守の切り替えの早さ、試合運びとあらゆる点で後塵を拝した。

 オジェック監督は「我々はミラン相手に単に引いて守るのではなく、いい戦いができた。ただ、勝てずにガッカリしている」とコメント。3位決定戦に向けては「手ぶらでは終われない。必ず勝ちたい」と意気込んだ。

 ミランは欧州勢として3年連続の決勝進出。経験の差を浦和に見せ付けた。アンチェロッティ監督は「簡単なゲームになるとは思っていなかった。浦和にスペースを与えず、カウンターをさせないように我慢して戦った。彼らが注意を怠った時がチャンスだと思っていた」と試合を振り返った。

 ボカとの決勝について問われると「ボカは優秀なチーム。今日より難しい試合になるかもしれない。カカが鍵を握るだろう。今日の試合は素晴らしいプレーをした」と決勝アシストのカカをキーマンに挙げた。

◇浦和レッズ出場選手
GK
都築龍太
DF
田中マルクス闘莉王
⇒山田暢久(76分)
坪井慶介
ネネ
MF
鈴木啓太
阿部勇樹
細貝萌
相馬崇人
⇒平川忠亮(81分)
長谷部誠
FW
ワシントン
永井雄一郎

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