柔道の北京五輪男子100キロ超級金メダリストの石井慧(国士大)が7日、都内にある国士舘大学柔道部寮で会見を開いた。会見の中で石井は「まずは卒業を第一に考えたい」と語り、注目を集めていたプロ格闘家転向を先送りする考えを明らかにした。
(写真:記者からの質問に応じる斎藤監督)
 5日、石井は北京後初の実戦となる世界団体選手権に右股関節痛のため欠場。同日、全日本柔道連盟の吉村和郎強化委員長に総合格闘技転向の意思を伝えたことで、プロ参戦が確実視されていた。しかし、石井は「将来的に総合格闘技にいきたい気持ちはある」と説明するにとどめ、一部メディアで報じられた大晦日のプロ格闘家転向説を否定した。

 さらに、全柔連がロンドン五輪の強化選手から除外する構えをみせていることに対して、「来年の世界選手権には出場せずに自由にやりたいと考えているので、自然とロンドンはなくなるのではないか」と五輪連覇を目指す考えがないことを明らかにした。また、「時間があるので、本当にやりたいことを考えていく」と今後の具体的な方向性も示さなかった。

 会見に同席した斉藤仁全日本男子監督は、「卒業が第一優先。進路も並行して考えるが、決めるのは本人」と述べた。そして、「国士舘の石井として頑張ってもらわないと」と卒業後は総合格闘家への道も容認する姿勢をみせた。