アメリカンリーグのリーグチャンピオンシップは20日、第7戦が行われ、タンパベイ・レイズ(東地区優勝)がボストン・レッドソックス(ワイルドカード)を3−1で下し、対戦成績4勝3敗で球団創設11年目で初優勝を果たした。レイズの岩村明憲は4打数1安打、レッドソックスの岡島は1回を無失点に抑えた。ブルペンで中継ぎ登板に向けて待機していた松坂大輔の出番はなかった。
 ウイングボールを掴んだのは岩村だった。最後の打者が放ったセカンドゴロをがっちりと捕球し、そのまま2塁ベースを踏みしめ、アウトを奪った。「言葉にならない。ここまでくるのが苦しかった。夢のよう」。それは慣れないセカンドへコンバートされながら、トップバッターとしてチームを牽引した岩村へのご褒美のようだった。

 悲願達成まであと1勝と迫りながらの連敗。しかも第5戦では7点リードをひっくり返された。連覇を狙うレッドソックスに逆王手をかけられ、レイズにとってはイヤな空気が流れていた第7戦だった。

 しかも立ち上がり、レイズは先制を許した。レッドソックスは初回、ダスティン・ペドロイアがソロアーチを放つ。一方、攻撃は第3戦でKOした左腕のジョン・レスターに3回までパーフェクトに抑え込まれた。1勝3敗から3連勝でレッドソックスがリーグを制した昨年の再現が起こりそうな雰囲気が序盤のスタジアムを支配した。

 しかし、岩村が重いムードを振り払う。4回、レフト前にチーム初安打。この後、1死1塁から4番エバン・ロンゴリアがライトへの2塁打が飛び出し、レイズは同点に追いついた。初回に被弾した先発マット・ガーザも尻上がりに調子をあげ、ホームの大声援が徐々に選手たちを後押しし始める。

 さらに5回、連打でチャンスをつかんだレイズはロッコ・バルデリのタイムリーで1点を勝ち越し。ガーザは7回に1死1、2塁のピンチを招くが、後続を断ってレッドソックスに反撃を許さない。ゲームの主導権はレイズに移った。直後の7回には、指名打者のウィリー・アイバーがレフトへ貴重な一発を叩き込み、リードを広げた。

 レッドソックスは2番手に岡島が登板し、レイズの攻撃を3人で切って取るも、流れを変えられず。8回には2死満塁、9回は無死1塁と走者を出して相手を苦しめたが、最後は8回途中からマウンドに上がったルーキー左腕のデービッド・プライスを打ち崩せなかった。

 レッドソックスの2年連続ワールドチャンピオンへの夢を打ち砕いたレイズは、23日からのワールドシリーズに進出。第1戦はナショナルリーグ覇者のフィラデルフィア・フィリーズを本拠地のトロピカーナ・フィールドに迎えて行われる。

 バルデリ、勝ち越しタイムリー(レイズ4勝3敗、トロピカーナ・フィールド)
ボストン・レッドソックス 1 = 100000000 
タンパベイ・レイズ    3 = 00011010×
勝利投手 ガーザ(2勝0敗)
敗戦投手 レスター(0勝2敗)
セーブ   プライス(1S)
本塁打   (ボ)ペドロイア3号ソロ
       (タ)アイバー2号ソロ

【岩村成績】
 4打数1安打
第1打席 二ゴロ
第2打席 左前安打
第3打席 投ゴロ
第4打席 二ゴロ